2015-04-17 12:14 追加
V・プレミアリーグ男子決勝レポート
SV男子
この試合はJTのアタック決定率(56.1%)、サントリー(56.3%)と両チームとも高く、長いラリーが少ない男子らしい試合になったと思います。JTは前述の通りMBがコミットで対応するケースが多く組織的なブロックが形成しにくかったこと、サントリーはバンチリードブロックで攻撃の軸であったヴィソット選手に対し2枚揃えるケースが多かったですが、この試合に限ってはヴィソット選手の攻撃力が上回っており止め切れなかったことが要因として考えられます。
JTはチームの紹介にも書きましたが、ヴィソット選手、越川選手のビッグサーバーのローテーションでブレイクを取り波を作れる強みを生かせた印象です。両選手ともスパイクサーブなのでミスも多いのですが、この試合は両選手が続けてミスをするケースが少なく流れが途切れませんでした。越川選手は強いサーブに加え、コントロールを重視したサーブでも「落とす」サーブを打てます。このようなレセプションを崩せるサーブを複数種類打てるのはラリーポイント制で重要となっている「ブレイク」を取るために必要です。また、ヴィソット選手のスパイクが終始安定していたのも勝因の一つだと思います。
ヴィソット選手は来日1年目ですが、日本のバレーボールに適応してきたのかしり上がりに調子を上げていました(アタック決定率(レギュラーラウンド:46.1%、ファイナル6:50.1%、ファイナル:69.2%))。豪快に決めるといった感じではないのですが、ブロックアウトをきちんと取れ、スパイクミスも他の外国人選手に比べると少ないです。この辺りが安定感に繋がっているのだと思います。
一方サントリーはエバンドロ選手を中心に攻撃は良く決まっていましたが、JTのサーブにやられた印象です。競り合う展開に持ち込めてはいたのでチャンスはあったと思いますが、勝負どころでサービスエースを取られ突き放されてしまいました。また選手起用の面では第2セットの途中でセッターの阿部選手→岡本選手に変わったところで岡本選手の調子が良くなく、第3セットの勝負どころで阿部選手のパフォーマンスが怪我の影響からか落ちたところで交代ができなかったのが痛かったと思います。
JTはこの後日韓V.LEAGUE TOP MATCHに出場し惜しくも敗戦をしました。両チームともに5/1から始まる黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会に出場します。特にJTは天皇杯、Vリーグともに優勝と勢いに乗っていますのでシーズン最後の試合でどのようなパフォーマンスを見せるのか楽しみに待ちたいと思います。
文責:黒羽白
写真:坂本清
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