2017-02-09 08:00 追加
眞鍋政義「今後日本が世界で勝つ為には、同じ土俵の上に乗らないと。だからプロ化はやらないといけない」
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――一般的な話しとして、バレーボールのプロリーグは本当に成立するのでしょうか? 眞鍋さんが行かれた、また加藤陽一や越川優、そして今石川祐希が行ったイタリアはプロとして成立しているようですが。その他のヨーロッパのリーグも一応プロリーグですよね? 私は以前デンマークリーグを取材したのですが、環境はかなり厳しいものでした。昨年弊誌の記者がフィンランドリーグでプレーする古賀太一郎選手を取材しましたが、やはり環境は厳しいようでした。
眞鍋:初めは、弊害はやっぱりでてきます。サッカーにしたって何にしたって、初めは誰だって苦しい思いするんですよ。でもそれを乗り越えないと、バレー界は進歩しないと思います。サッカー、バスケ、卓球など他競技においてもすでに色々と組織(普及、強化システム)を変えていっています。このまま何もしなければ本当にバレーボール界は厳しくなると思います。実際ここ30年くらいで20社くらいが廃部してるんですよ。たぶんVリーグ機構も、今この時期しかチャンスはないと思って、スーパーリーグ構想を打ち出したのだと思います。2020年東京五輪が終わったら、企業は廃部にするところも出てくるかもしれません。もしチームがなくなってしまったら日本のバレーボールは終わってしまいます。チームを作るには時間がかかります。だからこのタイミングしかないのかなと思います。
ヴィクトリーナ姫路も、このタイミングがベストでしょうね。今までと違った考えでチームを作る必要があると考えあえてプロとはっきりしたのもそうです。例えば、もちろんヨーロッパでもプロ化で厳しい国もあります。日本においても状況は厳しいかもしれません。しかし、日本においてはバレーボールという伝統のある種目では十分に可能性があると確信しております。
――それはなぜだったのでしょう。
眞鍋:至ってシンプルな話しです。野球なら野茂さんやイチローさんをはじめ、たくさんのスター選手がいますよね。小さい子供達が夢を追えるスポーツじゃないとダメだと思うんですよ。プロのスター選手になって世界で活躍し多くの人から尊敬されお金が貰えて、みたいな。サッカーも野球も世界で戦い活躍してるじゃないですか。果たしてバレーボールはこのままでいいのかと。
競技人口を増やしてバレーを活性化するためには、夢がないといけません。夢を抱かせるためにはモデルになる選手が必要なんです。そういった選手がいないと競技人口は減るばかりです。だから絶対にプロ化は必要でしょう。
――バスケットもプロリーグになりましたね。
眞鍋:いろんな球技スポーツがプロ化することは、良いことと思います。いろんなスポーツを見に行って勉強し、お互い相乗効果で頑張るのはいいことだと思います。
――バスケットとは、同じシーズンで同じ体育館競技。競合する心配は?
眞鍋:そうですね、その心配はあると思いますので、シーズンをずらすなど、双方で話し合って上手く進めていきたいです。
――直近の目標は、準加盟して上がっていくことでしょうか?
眞鍋:そうです。僕は、ヴィクトリーナ姫路というプロチームが成功しないと、バレー界がダメになると思ってるんですよ。だから頑張るだけです。最終的にはどうなるかわからないけど、ジャイアンツや阪神タイガース、北海道日本ハムのようにしたいですね。子供たち、現役の選手、またはスタッフ誰もが姫路に行ってやりたいって思うような。多くのファンに応援してもらえて、お金も貰えて、夢も追えて、テレビにも出られてっていうそんなチームにしたいです。
その為には地域と密着したり、スポンサーを獲得したり、そしてホームゲームの時は、より一層お客さんに楽しんでもらいたい。アメリカでいうエンターテイメントとの融合とかね。今までの企業スポーツと感覚がガラッと違うことをしたい。だから相当なエネルギーが要ります。企業スポーツでは地域に密着するということはなかなかできないと思います。そこを我々は開拓しプロスポーツチームとしてのステージを上げていきたいんです。
――眞鍋さんは、これまでプロ契約でやってこられたのですか?
眞鍋:36歳からずっとプロ契約です。いろいろ形態は違いますけどね。今の時代に生まれたら、即プロになっていましたね。海外にも、19歳ぐらいから行きたかったなぁ。初めはブラジルかな。ブラジルは練習がきびしいから、若い頃はブラジルがいいと思いますね。
――代表監督をつとめてきて、至った結論がプロ化ですか?
眞鍋:だって真摯に考えてくださいよ。日本だけがアマチュアスポーツです。プロという選手はリーグで4、5人くらい? 代表の監督を終えたので言いますけど、日の丸をつけて選手もスタッフもよくやってくれました。でも冷静によく考えてください。(国際大会では)プロとアマチュアがネットを挟んで試合してるんですよ? 今後日本男女バレーが五輪、世界選手権、ワールドカップで勝つ為には、同じ土俵の上に乗らないと絶対勝てない。だからプロ化賛成…賛成じゃない、やらないといけない。バレー界の発展の為に。
代表選手として、また監督として20年近く日の丸をつけさせていただき、世界をいろいろ見てきました。今まで日本の企業スポーツが築いてくれた土台をさらに進化させスポーツ運営と強化をしていくために必要なことはプロ化だという結論に至ったわけです。
――バレーファンへのメッセージを。
眞鍋:今バレーボール界が改革、イノベーションしようという時期なので、新しいことをしようとすると不平不満がでると思いますけども、今後、男女バレーボールが世界でメダルを取るためには、絶対に必要だと確信しています。ぜひ一緒に日本のバレー界を盛り上げていきましょう!
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