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インタビュー

2017-05-02 08:00 追加

一度離れて気がついたバレーへの想い ジェイテクト・古田史郎(前編)

古田史郎インタビュー

SV男子

OLYMPUS DIGITAL CAMERA ジェイテクトスティングスに所属する古田史郎選手が1日、第66回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会をもって退団することをチーム公式ホームページ上で発表した。2016/17シーズンのVプレミアリーグを一番盛り上げたのはジェイテクトだった。ファイナル6で驚異的な大逆転劇を演じ、ファイナル3に初進出。豊田合成トレフェルサとの決勝をかけた戦いで力尽きたが、そのジェイテクトの終盤の快進撃はバレーファンを魅了した。
チームのオポジットとして支えたのが、古田史郎選手。大学時代に日本代表に選ばれるなど、輝かしい経歴に映るかもしれない。しかし、怪我に悩まされ、決して陽の当たる道を歩んできたわけではない。1年間のVリーガーとしての“空白期間”もある。古田選手に奇跡の大逆転を演じたリーグ戦や、過去について、バレーへの思い、そして黒鷲旗への意気込みを語ってもらった。

 実はこの記事における古田選手への取材は、2016年12月中旬と、17年4月下旬の2度行っている。退団の公式発表前に行った。ご了承ください。

——ファイナル6、圧倒的にファイナル3に出るのが難しい状況から、奇跡といったら失礼になるかもしれませんが、よく突破しました。
古田:いや、あれは奇跡ですよ(笑)

——奇跡の大逆転の要因はなんだったんでしょう。
古田:いやぁー、こればっかりは。僕らは僕らでやれることはやっただけで、あと、去年のリーグの悔しさがあったとは思います。去年は勝てばファイナル3という中で、4位でリーグを終えました。今年は不利な状況だけど、勝ちというのは自分の手で勝っていたので、その上で最終的にサントリーさんが最後の最後に取りこぼしてくれた。僕らに追い風となって吹いてくれた。

——怪我で長期離脱していた浅野選手が、年明けから復帰し、リーグ戦終盤から本格出場した影響が、予想以上に大きかったと試合を見ていて思いました。
古田:その通りです。

——浅野選手は、サーブカットもそうですが、特に攻撃面では影響が大きかったと感じました。後衛真ん中からパイプ攻撃も増えて、得点源になっていました。
古田:復帰することでチームの攻撃のバランスじゃないですけど、(後衛真ん中からん攻撃など)あそこで切れるのがでかいなと思いました。

——奇跡の大逆転でファイナル6を突破して、その勢いでファイナル3の豊田合成との第1戦もとりました。その時のチームの雰囲気はどうでしたか。
古田:勢いというのは相当あった。むしろ、勢いがなかったら、現段階ではまだまだ(ファイナル3には)来れなかったかもしれない。勢いというのも力だとするならば、1戦目取って2戦目もいわれる中で、2戦続けて勝つにはまだまだなのかなというのはありました。あの試合で来シーズンへの課題や目標ができて、良かったのかなと思います。昇格4年目でここまでこれましたし。

——ファイナル3突破を決めた直後、セッターの久保山選手が涙で号泣していたのが印象的でした。
古田:あいつ泣き虫なので(笑)

——豊田合成とたびたびあたって、勝ったり負けたりし、最後のファイナル3では負けて、決勝への道を絶たれました。その差はなんだったのでしょう。
古田:合成さんって、結局最後はイゴールになるんですけど、そこに至るまでの過程が素晴らしいと思います。そこにチームとしてのプライド、こだわりがあると思う。そこまでの仕事というのが明確で、常に趣旨を理解し、クオリティを保っている。合成さんの方が、隙が無かった。崩れないバレーをするのかなという印象を受けた。

——ただ、ジェイテクトも結果的には最後の修羅場を若手が経験して、チームの積み重ねにはなったんじゃないかなと思いました。
古田:すごい良いチームになってくるのかなとは思いました。

——16/17シーズンのジェイテクトはリーグ戦序盤は負けが続き、なかなか安定して勝てない状態でした。ただ、リーグ戦終盤からすごい追い込みでした。振り返ってみていかがでしたか。
古田:僕個人としてはすごく課題もあったし、収穫もすごくあったシーズンでした。チームとしては、ファイナル6で今まで試合に出てなかったメンバーを中心にすごく良いバレーができたのかなというところと、ファイナル3にいけたけど、ただ、豊田合成との第1戦に勝ったのに、第2戦で負けたところにまだ課題があるのかなと感じます。

——古田選手としてはチームが終盤、好調だった反面、試合に思うように出られずに歯がゆい部分があったのではなかったでしょうか・
古田:まぁ…ファイナル6だったりファイナル3もそうなんですが、勝ちゃいいというのはありました。その時、一番良いバレーができるメンバーでいったほうがいいのかなと。そういう悔しさもあるんですけど、でも、皆がやってくれていた。結果として、その部分を、スタートからリーグで全般を考えると本当に良い経験させてもらえたし、最後に立てなかったというのも自分の詰めの甘さがあったのかなというのもある。また、ファイナル6の序盤戦、試合の途中で足を負傷して、あーという感じになってしまいました。部位としては腸腰筋、わかりやすくいうと、股関節に近い方の太ももの部分で正直やっかいな箇所です。

——その後、ワンポイントで試合に出られていましたが、治らないままでしたか。
古田:徐々に回復はしていましたが、やれられないことはなかった。自分のベストな状態な中でもやらなきゃという中で、ただ清野が入ったり、他のメンバーが入った中でチームのバレーが変わっていた。焦らずに自分の中でできることをやっていこうかなと切り替えてました。

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