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インタビュー

2015-12-08 18:22 追加

GMに聞く NECレッドロケッツ中村貴司さん

SV女子

選手時代の経験を活かす

―中村さんご自身もかつては選手で、東亜学園→早稲田大学→NECでプレーされた経験をお持ちであり、さらに、コーチや監督代行など現場スタッフの経験も豊富ですが、その経験がGMとしての活動に役立っている部分はありますか?
自分の選手時代を振り返ると、素晴らしい環境でバレーができるということにもっと感謝の気持ちを持てばよかったと思うことがあります。なので、選手たちにもそういったことを理解してほしいと考えています。そして、選手たちが人間的にしっかりした人材となり、NECの社員として恥ずかしくない人間形成をしていくことも大切ですね。技術的なことは現場サイドの役割ですが、違う角度から見て、選手たちの成長を応援しています。選手たちには「頑張れ」としか言いませんが、感じ取ってくれているのではないでしょうか。

-中村GMはセッターのご出身ですが、セッターのポジションはコートを離れても、周りの選手の様子をよく見て、会話を心がけるなど、繊細な気配りが必要なポジションだといわれています。その経験を活かしている部分はありますか?
確かにセッター目線を活かしている部分もあると思います。人の性格や感情、考え方、表情などを読み取らなければならないポジションですから、その経験を生かし、現場のスタッフや選手に声をかけてあげられたらと思っています。特に監督はストレスを表に出すことのできない大変な仕事ですから、それを少しでも和らげてあげられるようにすることもGMとしての役割ではないかと思います。

-山口選手など、セッターの選手に何か声をかけてあげることはありますか?
セッターとしての立場で成長するために、話をしたことはあります。たとえブロックをうまく振って、ノーマークになっても、アタッカーが気持ちよく打てるトスでなければセッターとしての役割を果たしたことにはならない。アタッカーによって、上げやすい人、そうでない人と、相性はあるけれど、チームがひとつになるようなゲームプランを心掛けなければならないよ、と。バレーボールはリベロなどのレシーバーからセッター、セッターからアタッカーへと心でボールをつなぐチームスポーツです。これらの考えはNECの良き伝統でもあり、昨年は秋山キャプテンを中心に、その伝統を引き継ぎ、チームNECとして優勝することができました。

「チーム力」で優勝を勝ち取った昨シーズン(写真:Jun Tsukida)

「チーム力」で優勝を勝ち取った昨シーズン(写真:Jun Tsukida)

 

今年のテーマは「絆」

-昨年は10年ぶり5回目の優勝でしたが、チームはVリーグ以前からの長い歴史を持っていますね。
はい。1978年にヤシカから日本電気にチームを移管して創部し、3年後には創部40周年を迎えます。その間、多くの選手が在籍し、チームの歴史を築いてくれました。そういった方々に優勝報告ができたことは本当によかったと思っています。今後については目の前にある創部40周年に向け、さらなる発展をしていかなければならないですね。

-その優勝にも貢献した島村選手や古賀選手が今年、全日本に選出され、ワールドカップでも活躍しましたが、GMとしてはどんな気持ちで見ていましたか?
バレーボールファンに対して大きな夢と感動を与えてくれました。そのことをチームの一員として大変嬉しく思っています。現在開催中のリーグもしっかり乗り越え、5月のOQTに向けてさらに成長してほしいと思います。ほかの選手もリーグを頑張り、ひとりでも多く全日本に選ばれて、五輪選手になってくれると嬉しいですね。

-今年の目標は?
テーマは「絆」です。これは選手同士で意見を出し合って決めました。昨年のよいものを引き継ぎ、さらに結束力を高め合いたいという思いが込められています。バレーボールは個人競技ではないので、山田監督もいつも言っているように「チーム力」が重要であり、そのチーム力で戦うのがNECの伝統であり魅力です。スタッフから言われた通りにやるだけではなく、必要なもの、足りないものを選手たち一人ひとりが自ら見極め、考えて、対応能力を身につけていくことでチーム力を向上できるのではないかと思います。
もちろん、目標は優勝ですが、「チーム力」をより強固にしていくことが私の永遠の目標となります。

中村さん2

聞き手:高井みわ
写真提供:NECレッドロケッツ

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