2018-03-07 08:00 追加
天皇杯優勝特集 パナソニック川村慎二監督(前編)「やっと獲れたなあと。ほんま、やっと…という感じです」
SV男子
──監督としては4シーズン目、チーム作りなど手ごたえはいかがですか。
川村監督:いやあ、まだまだ難しいです。人を動かすので、そのへんがやはり難しいですね。特に、僕と同じコートに入っていた人間がいるので、多少なりとも僕が気を使っているところはあるんじゃないかなと思います。それが選手に伝わってしまってはいけないので、自分の中で葛藤もあります。もともと僕自身が監督としては能力がないと思う中で、マウリシオや古田さんは、とてもありがたい存在です。良き理解者ですし、本当に何の取り柄もない僕が、すごく安心してふたりと意見を交わしあえる。そういうすごくいい環境、スタッフの中でやらせてもらっています。選手は本当にマウリシオに対してリスペクトしています。そのあたりの関係がうまくいっていなかったら、絶対に優勝はできませんでした。いいチームだと思います。周りからもいいチームですねと言われていますし。
──監督として、大変だなと思うことはありますか。
川村監督:全部大変です! バレーだけじゃないですからね。いろいろありますからね。プロじゃないので。一緒です。人を動かす、人を育てること。パナソニックは人を育てる会社と言われていますから、会社の経営理念もしっかり頭に叩き込みながら、パナソニックに所属しているからには、こういう人間にならないといけないということも教えなければなりません。それは入社したときにみんな教えてもらっていることなんですけどね。それを実際に、チームのトップですから指導していかないといけません。普段から気をつけていて、それでもやっぱりポロポロと、指導しないといけないことが出てくるんですね。人を育てるのはすごく難しいこと。誰かをリーダーにしたりする人選もこちらの責任になりますし。
──監督としてというか、管理職としての大変さですかね?
川村監督:よく、一緒って言われますね。監督になってから、知り合いの社長さんから、「川村、ちょっと食事に行こう」と誘ってもらえるようになりました。「監督は(社長と)一緒やぞ。上からしっかり周りを見て、動かさないといけない。そのことの大変さはよく分かるから」と話をしてもらうんですよ。会社も一緒だと。前任の部長の春田さんからもそう言われていました。「現場はお前がトップなんやから、お前の好きなようにやれ」と。それはとてもありがたいなと思いました。その分やはり僕には責任がある。難しいところですね。
──南部さんのパナソニックから川村さんのパナソニックになって、変わってきた部分はありますか。
川村監督:どうなんですかね。あまり変わってないと思うんですけどね。南部さんのモットーとしているバレーは、僕もよくわかっているつもりなので。高校大学と同じですから、考え方も芯は同じですよね。
──南部さんが部長になって戻ってこられたのは、大きかったですか。
川村監督:良き理解者です。僕も選手と監督の時代のときに話せなかったことも色々話せます。監督として、僕のことをすごく気にかけてもらってきたから。すごく面白い発想も聞かせてもらっています。
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