2018-04-26 19:37 追加
新たな挑戦、ブラジル初の性転換女子選手ティファニー・アブレウ
Others
■代表入りの可能性は?
ブラジル女子代表のジョゼ・ギマラエス監督は、「IOC、FIVB、CBVから同意を得てスーパーリーグに参加しているのだから、他の全ての選手と同等に扱う。代表に入るだけの実力があればもちろん招集する」と明言している。
個人的な印象では、ブロックを抜いた時のスピード、パワーはすごい。しかし爆発的な一発がある一方で、自らネットにかけ自滅する場面も多い。トップチームに対して記録を打ち立てるほどの力がありながら、下位チームとの対戦では易々とブロックにかかるなど、好不調の波がある。昨年の代表メンバーの中心であるナターリア・ペレイラ、ロザマリア・モンチベレー、タンダラ・カイシェッタがWS、OP左右どちらのポジションもこなせること、安定性あるモニーケ・パヴォン、若手の成長株エジナラ・ブランシャなどの中に入って、OPのポジションを獲得するのは容易なことではない。残念ながら4月23日に発表された26名の中には入らなかった。仮に実現すれば、5月のネーションズリーグの日本戦がティファニーの代表デビューになる可能性もあったので、見てみたい気もしたが……。
性転換選手の国内リーグの参加の可否は、各国の協会の判断にまかされている。囲み取材で「参加が禁止されたら、どうしますか?」という質問にティファニーは「女性として生きていくことに変わりはありません。他の職業を探すだけです」とあくまで協会の判断に従う姿勢だ。先に述べた通り、性転換選手の問題はまだまだ議論されるべきで、ティファニーの成功例だけで今後を否定することは避けなければいけない。バレーボールを続けたいという情熱が維持でき、本人も周りも納得する幸せな形で、今後進んで行くことを願っている。
ブラジル在住 唐木田 真里子
同じカテゴリの最近の記事
- 元NEC川崎の小島満菜美、ダニ・ドルーズがアスリーツアンリミテッドに参戦中 [Others] / 2024.10.27
- バレー新リーグ開幕の期待と課題 [SV女子,SV男子,V女子,V男子] / 2024.10.09
- イタリア人記者から見た男子バレー日本代表と石川祐希「2チームのどちらかが敗北しなければならないのは苦しいことだった」「ユウキにとってそうだったように、タツにもミラノが成長できる環境となるだろう」 [Others,全日本代表 男子] / 2024.10.03
- 悼む 荒木田裕子さん逝去によせて 奥本浩平 [Others,全日本代表 女子] / 2024.10.02
- 荒木田裕子さんを偲んで [全日本代表 女子,全日本代表 男子] / 2024.10.02
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.