2019-04-02 19:48 追加
越境バレーボーラー ブドヴァ(モンテネグロ)今村駿 後編「嫁ともよく話すんです、海外に行くのは恥をかきに行くようなもんだと」
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――モンテネグロのチーム出身の選手でその後ナショナルチームに選出される選手もこれまで多くいて、ステップアップの基盤を作るリーグのように思いますがどうですか?
今村:基盤を作るリーグというか、現に僕のチームにもモンテネグロ代表の選手が二人いて、マケドニアとコロンビアの代表の選手もいます。
――そういう選手を見ると今村さんも若いころを思い出しますか?
今村:いやいやいや。僕なんか20歳そこらで「海外行こうかな」と思っていなかったですね。ここでやっている選手たちって、ここがゴールじゃないんです。ここから次に繋げるために、どう自分が活躍するか。次のビッククラブに繋がるために、20歳前後で国を離れてプレーしているのです。すごい決断じゃないですか。同じ状況を考えた時に自分は果たして、できるのかと思うのと同時に、「こいつらスゲーな」と思いますね。
――20歳に戻れるとしたらどんな道を歩んでいきたいですか?
今村:僕、海外に出たいなと思ったのは、20歳後半からなんで、そういう考えに至っていなかったと思います。もともとこんなに長くバレーボール続けると思っていなかったんです。年数を重ねるごとに新たな自分の目標ができて、その目標達成するためにどういうのがあるかって選んだ時に、海外でプレーするというのが一つの選択肢でした。20歳前半のときにそういう考えがあったかというと、それはなかったです。その時はその時で自分の中の選択肢があって、多分目標達成はできないだろうな、思いながらも目標を達成するためにはこういうことしなくちゃいけないと頑張ってきました。それが今また年数を重ねて、新たな目標だったり目的が出てきて、そのための選択肢を自分の中で選んで、たまたま海外に出るのが、自分の中でも最善の選択肢だったんじゃないのかな。今はそれで海外でプレーしてます。
――この先どういう道を進んでいきたいですか?
今村:この先はどうにかして今年の日本代表の候補に選ばれたいです。可能性がかなり低いことは自分でも承知しているけど、かといって諦めているわけではないです。
――その目標があっての海外の選択があるわけですね?
今村:はい。
――目標はオリンピックですか?
今村:はい、厳しいのは重々分かっています。でも恐らく日本でプレーしていたら、日本時代にプレーしてた僕のプレーと、海外で3年経験しての僕のプレーだと、自分自身もスキルの面で向上したと思うし、メンタル面、技術面でも向上しているという自覚はあります。あとは、日本協会、監督にゆだねるしかないので、そのための行動、準備はしています。いつでもナショナルチームで活動するための準備はできてるし、呼ばれたら戦力になれる自信もあります。
――外から日本代表を見ていて今、日本代表に入ると何ができるとご自身で思われますか。
今村:フィジカルでは自信があります。高い空間で球を裁くとか、状況に応じた中でのセットのあげ方とか。どこのチームの監督にも、どうしても身長が低い(181㌢)のでヨーロッパからしたら、ブロックは気にしていないよって言われるんですけど、僕はそれがすごくいやなんです。確かに2mくらいの相手に、上からガンガン打たれるんですけど、それでも「気にしてないよ」って言われるのは酷で、身長が低いからブロックは目をつぶってもらってるのかと思うとすごい悔しくて…。かといって、すぐ身長が2mになれるのかと言ったら不可能な話。じゃあ何ができるかと言ったら、身長が2mいかないんだったらそのために、ジャンプ力を1cm,2cm伸ばすとか、そのボールの下に入るスピード、反応速度だったりアジリティ能力を高めて、そこを補ったりしてやればいいと考えます。2mにはなれないけど、そこはフィジカル面ではまだまだ向上できるし、ヨーロッパの選手には負けたくないところです。
――今、ヨーロッパでプレーしていて鍛えられている実感はありますか?
今村:ありますよ! 環境が変わって考え方が変わるし、取り組む姿勢も変わるし、すべての行動が自分に返ってくると思っているんです。
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