2021-11-19 17:34 追加
日立Astemo・ハンナ・タップ「自分たちを信じて、1点1点にこだわり続けることが大事」、トヨタ車体・ケルシー・ロビンソン「勝つためにはアグレッシブに攻めつつ、ミスを最小限に抑えること」 V1女子会見
SV女子
●印東玄弥監督
勝利につながらず、非常に残念です。ホームで2勝された日立Astemoの皆さんに「おめでとうございます」と伝えたいと思います。
――ミドルブロッカーの起用について。周田夏紀選手でスタートし、2セット目で松本亜弥華選手に交代し、また周田選手に戻し、最後は杉原若葉選手でしたが、起用の意図を教えてください。
印東:日立さんはサーブレシーブが乱れた後、失点率が上がり、ミドルブロッカーが攻撃できないところがあるので、今個人成績でサーブが2位に上がってきた周田を2回以上サーブが回ってきたところのブレイクの部分で期待して起用しました。また、周田は高校時代に室岡選手をブロックして勝ったことがあるので、高さでは負けない日本人選手に対してのブロックの面でも期待していました。
――周田選手は今日の試合に関してはリリーフサーバーで出た時にサーブミスも出てしまい、考え込んでいた部分もあったように思いますが…?
印東:あると思います。リリーフサーバーをする時はどういう局面で自分が出て行くかを考え、心理的に準備をしながらアップゾーンにいて、呼ばれたら気持ちを高めていかなければなりません。その過程でつなぎ、ブロック、攻撃などいろいろ考えて、サーブだけに集中となるとまだ持ち味をすぐに発揮できるように自分をコントロールし切れていないところがあると思います。
――セッターを途中で山上(有紀)選手から加地(春花)選手に交代しましたが、やはり加地選手もサーブミスがあり、黒須選手もそうですが、新人ということもあって、サーブの戦略の面で要求したことをこなしていくのに時間がかかるのかなと感じましたが…?
印東:セットポイントをとった時に次々とサーブミスやダイレクトスパイクのミスが出て、「新人選手あるある」状態になってしまいました。焦るとテンパって普段しないようなミスをしてしまうことを学ぶ機会として捉えるしかないかなと思いました。あそこで黒須がダイレクトを決めていればセットが終わっているので、加地もサーブをホームランすることはなかったのかなと思うのですが…。やはり、「点数をとらなきゃ」、「でもミスしてはいけない」といろんなものが頭を駆け巡るので、選手のメンタルサポートも練習の一部として組み入れていかなければならないと改めて思いました。
そんなに高い要求をしているわけではなく、「思い切りやればいい」と伝えましたが、本人なりにプレッシャーがかかる状況になっていました。それはわかっていたので、やりやすい環境を作ろうとしていたのですが、カバーしてあげるほど自分に余力がないということもあると思います。
私のバレー人生で10連敗は初めての経験ですが、自分がしっかり気丈にしていないと選手が大変だし、選手の力を引き出してあげるのが私の立場なのに、それができていないのが申し訳ない気持ちです。でも、ゴールに向かうにつれてチーム状況もよくなり、「スタートの時点では心配したけれど」と必ずなると信じていますが、選手もプレッシャーのかかる中でずっと劣勢の苦しい状態で試合をしていて大変な思いをしていると思います。2年くらい前なら1、2セットを連取して3セット目に経験のない選手をポンと入れて、それでも勢いづいているから勝つということができたのが、今は新人選手に対してそういう起用の仕方をしてあげられない。常にプレッシャーのかかる中で試合をするのは成長はすると思うのですが、のびのびと成長するという点では難しいかなと。
人間なので劣勢になった時に萎縮するとか緊張するというところを考えた上で練習に取り組まなければならない。負けたくて負ける人はいないので、追い込まれている状況に追い討ちをかけることはできないけれど、ここからものすごい努力をしなければ遅れたものを取り戻すのも難しいというところの狭間ではあります。状況は非常に厳しく、それを打破するために1試合勝てば(向上の)きっかけになるとわかっている中で、それがなかなか来ないのが苦しい。精進したいと思います。
――今日の試合を含め、ここまでの加地選手のトス回しについては、どのように評価されていますか?
印東:ロビンソンはアメリカナショナルチームばりのスピードを要求しているので、遅いと感じますが、ハッタヤ(バムルンスック)の両足のクイックをここぞという時に使ったり、ロビンソンに回しそうなところをライト側に上げたりとか、トスの配分にはすごく個性を感じます。恐れないというか。回すという点では、どこかに偏ったり、ブロックが高いから避けるとかではないのが彼女の特徴ではあります。相手も意表をつかれることがあるという意味で、そこは良い点だと思います。
――加地選手の課題は?
印東:走るのは速いのですが、ボールの下に入って止まって、相手ブロックの状態を確認してトスを上げるというところまではまだ行っていなくて、セットが近づいたり、離れたりするという不安定なところがあり、そこは技術をつける必要があると思います。高校時代に全国大会の経験がなく、Vリーグで戦うのも大変だと思いますが、新人だろうがベテランだろうが勝たなければ始まらないというのも事実なので、足りなかった部分を次の試合に向けて磨いてもらうしかないと思っています。
――来週は1週試合がありませんが、その間に詰めていきたいことは?
印東:私としてはセットの不安定さからスパイカーのミスが誘発されているように感じるので、そこを詰めていきたいと思います。また、サーブ&ブロックを引き締めていくことでチームとしての強みになっていくと思いますので、努力していきたいと思います。
――アドバイザーとして帯同されている荒木絵里香さんとは現在のチーム状況について、何か監督とお話をされていますか?
印東:彼女は、「こういう状況だけど、明るく頑張ろう」という雰囲気はチームのいいところだけれど、選手たちは高校、大学のトップクラスで活躍してきたので、目の色を変えてなりふりかまわず叫んで戦ってきた時があるはずだと。「今はこういう状況だから、そういう自分を出して、なりふりかまわずやっていい時じゃない?」と、昨日もみんなに話してくれました。その通りで、みんな笑顔で明るく乗り切ろうとしていますが、ツンツンしていても、素っ気なくても実力があったら覆すことができるけれど、仲良く団結していても力がなかったらどうにもならないということが今の状況にはある。なので、自分をさらけ出して思い切り勝負する姿勢を出していこうと話しています。
――若い選手たちは五輪に4回出場した荒木さんが近くにいたり、五輪金メダリストのケルシー選手と一緒にプレーできて、学ぶことも多いのでは?
印東:そうですね。素晴らしい環境だと思うので、それを当たり前のことだと思わずにいろいろ吸収してほしいと思っています。
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