2020-05-06 15:25 追加
越境バレーボーラー古賀太一郎(ポーランド)「監督やキャプテンの途中変更など、今季はいろいろなことがありました」
古賀太一郎インタビュー
Others / 全日本代表 男子
ポーランド1部リーグのザビエルチェでプレーする古賀太一郎選手にお話を伺った。
古賀選手はウルフドッグス名古屋に所属しつつ、最初はフィンランドリーグ、翌年にフランスリーグ、その次の年からはポーランドリーグと海外リーグで一つずつステップアップを実現している。ポーランドリーグ3シーズン目となる今季についてなど。(取材日:3/13)
――今シーズン、ここまでを振り返っていかがですか。
古賀太一郎(以下、古賀):去年は自分たちが想定していたゴールを達成して、むしろそれ以上の結果を残して昨シーズンを終えました(昨シーズン、ザビエルチェは14チーム中4位)。「じゃあ今シーズンはもうちょっと高みを目指そう」とチームのプレジデントがメイクして、80%は変わってないんですけど、いろんな選手をちょっと補強してスタートしました。
ですがスポーツの面白いところで、机の上での計算と実際のコートの中ではズレが絶対生じるわけです。そのズレが起きた原因は、去年から引き続き残っていた80%、90%の選手が、去年いい成績を残したことにより、過信じゃないですけど、ちょっと追い込まれてもどうにかなるだろうと考えていたことにありました。追い込まれた時に、自分たちに原因を向ける、理由を探すんじゃなくて、「まあどうにかなるだろう」とすごく楽観視した雰囲気だったから。「どうにかなるどうにかなる、去年がああだったから」という雰囲気で、チームがずっと進んでいっていた。
それで開幕からいい感じで進んでいたのですが、あるタイミングで負けが続き、ミーティングをすることになりました。だいたい負けこむとミーティングをするんですが、その時のミーティング内容がディテールの話じゃなくて、「去年がああだったから」とか、「もう大丈夫。そう悲観する必要はない」みたいな感じでした。監督しかり選手しかり。あのときが黄色信号だったんですけど、危機感がなく、だんだんそのズレが大きくなっていって取り返しがつかなくなったという感じですね。
そこからキャプテンが変わり、監督が変わり、プレジデントもどうにかテコ入れしようとして、ちょっとは立て直してきているものの、時すでに遅しという感じで今シーズンが終わろうとしています(3/13現在レギュラーシーズン残り2試合で14チーム中10位)。
――シーズン途中にキャプテンや監督が変わって、やりにくさなどはありましたか。
古賀:もちろん、その人を基にチームを作っていたわけなので、難しいところはありました。元のチームが機能してなかったから、キャプテンと監督をプレジデントが変えて、難しいところはあったんですけど、でも環境を変えたり人を変えたりというのはひとつのチャンスなんです。というのも残った選手からしたら、それで負け続けたら敗因は自分たちのせいになるから必死になる。だからこれがチームの起爆剤となりうる方法のひとつだったのは間違いないですね。
ただ監督を変えるとかキャプテンを変えるというのは、ひとつの起爆剤ではあるけど、得策かどうかはわかりません。短期的にはもしかしたら出るかもしれませんが、僕としてはやっぱり積み重ねでしか結果でないと思うから、簡単にその案にのるのはちょっと否定的です。でも実際ヨーロッパのチームには、そういうこと(監督やキャプテンをシーズン中に変える)をやるチームがけっこうあります。ポーランドのチームもすごく多い。うちも含めて、今シーズン途中に5チームが監督を変えています。そういう風潮、シビアな文化ではあるけど、自分が選手としてもそうだし、将来的に上の立場になったり、監督とか今後どんな立場で接していくかわかりませんが、そうなったときにその方法を自分が選ぶかっていうと、ちょっと難しいです。スポーツをやっている身をしては得策じゃなかったのかなと思います。実際、今季それをやったあとでもそう思いますし。まあそういうシーズンでした。
――古賀選手個人としてはどんなシーズンでしたか。
古賀:去年とメンバーがほとんど変わってなくて、セメ(カミル・セメニウク、現ザクサ・ケンジェジンコジレ、ポーランド)がニコ(ニコライ・ペンチェフ、ブルガリア)に変わっただけで、そこら辺の関係の問題とかはなかったです。でも、いかんせん今年は外国人を多く取っていたから、昨シーズンは98%くらい試合に出られていましたが、今シーズンは出たり出なかったりという状況です(※ポーランドリーグはリベロを含めたコート上の7人中4人がポーランド人でなければならない)。それで負け続けたり、勝ったり、いろんな組み合わせで結果が出ていましたが、個人としては別に例年通りというか、特にこれまでと遜色なく毎試合しっかり臨めています。数字どうこうはあるかもしれませんが、それは隣の人とも関係もあるのであまり気にしていません。
ただ自分としてもっとできたことで言えば、今シーズンは直接失点がちょっと多いので、そこら辺はミーティングでスタッフともうちょっと密な作戦を練って、レセプションの責任範囲を明確にするなど改善の余地はあったかなと思います。でもシーズン通して自分としてはしっかり戦えているかなと思います。
同じカテゴリの最近の記事
- 【バレーボール】元代表主将の柳田将洋がFIVBアスリート委員会のメンバーに選出される「僕ができる形はこれしかないと思いました」 [SV男子] / 2024.12.13
- ブリリアントアリーズジュニア・藤岡智恵美監督「可能性は誰にも決められない」、西澤紗希さん「一人のプレーヤーとしてコートに立たせてもらっています」 [Others,V女子] / 2024.12.05
- パリ五輪代表のリベロ・小島満菜美、アスリーツアンリミテッドで最終週に挑む。「選手も観客もリアクションが大きく、良い雰囲気です」 [Others,全日本代表 女子] / 2024.11.01
- STINGS愛知・関田誠大「やっとチームとして戦っている感じがあり、非常に楽しかった」 SV男子会見 [SV男子] / 2024.10.26
- 東京GB・柳田将洋「自分が地上波でSVリーグの開幕戦を見ているのは不思議な感覚だった」 SV男子 [SV男子] / 2024.10.19
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.