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バレーボールマガジン>会見・コメント>中田久美監督「籾井はチームを勝たせることができるセッター。黒後のスイッチが入った時の打力や読み、スピードに期待したい」女子代表五輪内定選手発表会見(全文)

会見・コメント

2021-07-01 18:18 追加

中田久美監督「籾井はチームを勝たせることができるセッター。黒後のスイッチが入った時の打力や読み、スピードに期待したい」女子代表五輪内定選手発表会見(全文)

全日本代表 女子

写真提供:FIVB

――中田監督は就任最初の会見の時に「伝説のチームにする」とおっしゃって、先ほどのメンバー発表の冒頭にもその言葉をおっしゃっていましたが、この5年間、改めて目指してきた伝説のチームにどこまで到達していたのか、満足できると思いと、思い通りにいかなかった点も教えてください。また、最後に籾井さんというピースが見つかりましたが、就任当初からセッターは早いうちに固定化したいとおっしゃっていました。結局、最後の年まで固定できなかったというところも含めて教えてください。冒頭でメダルという表現もありましたが、具体的に何を目標に五輪を戦うのかについても教えていただけますでしょうか。

中田:伝説に残るチームになるかならないかは結果次第だと思いますが、そういう皆さんの心の中に残るチームになればいいなと思っています。もちろん、私の中ではオリンピックは金メダルだと思っていますので、そこを目指して頑張りたいというふうに思っています。

またこの5年間、思い通りに行ったか行かないかって言ったら多分行かなかった時の方が多かったと思います。でも、みんなで懸命に強いチーム相手に勝つために努力はしてきましたし、やれることはやってきたつもりですので、その努力してきたことが本番で力を発揮できるように準備していきたいと思います。

セッターは固定できれば良かったと思いますが、やはりなかなか難しい部分もありました。木村(沙織)というエースや、竹下(佳江)という名セッターが引退をし、ゼロからの出発だったので、チームを作る、強化するっていう部分では非常に時間がかかったと思います。ただ、アタッカー陣が古賀もコンスタントに良くなりましたし、黒後という得点源も出てきました。石川という若いエースも順調にきてると思うので、今後は若いセッターが経験を積んで、その選手たちが中心となって、これから日本の女子バレーを作っていってもらえればと思っています。

――若い選手たちがオリンピックという舞台でどのように成長してほしいと期待していますか?

中田:オリンピックは特別な大会です。本当に非現実に近い緊張感の中で戦うこと自体が彼女たちの経験、成長に繋がると思っています。なので、しっかりと次へのステップに行くために、すごいプレッシャーの中で戦っていかなければいけないと思いますが、それも力になりますし、経験は財産なので、良い財産が残るようにしてあげたいなと思っています。

――五輪ではVNLの最後に戦ったトルコのような大型のオポジットがいたり、全体のスピードやパワー、精度が高いチームがメダル争いに必ず絡んでくると思います。予選ラウンドにセルビアやブラジルがいますが、改めてそこに対峙するための日本のバレーボールとはどういうものになるのか? また、その今回選んだ12名の中でその点で鍵を握る選手やポジションを敢えて挙げるとすれば、誰になるのか聞かせてもらえますか?

中田:いろんな課題は尽きませんが、やはり日本のバレーをするということを考えると、少しでもサーブで相手を崩して、単調化させるということと、相手のライト側、オポジットに得点源の選手がいる時の、日本チームのライト側のレシーブですね。なので、日本で言うと黒後、籾井のあそこのディグ力を上げなければいけないというふうには思いました。あとは高いブロックに対して、なんとかブロックをスプレッドにするためにはもう少しサーブレシーブの精度を高め、そこから速い展開で攻撃を仕掛けていくっていうことは最低条件となりますし、このVNL序盤は、結構バックアタックも含めた幅のある攻撃を仕掛けられていたとは思うのですが、途中ラインクロスをし始めてから、バックアタックを使える状態が少なくなったのが問題で、これは修正しなければいけないと思っています。

――選考から漏れた選手について、サポートメンバーという形でオリンピックチームに帯同させるお考えはありますか? ないのであれば、チームから離れる時に監督からどんな言葉をかけられましたか?

中田:東京オリンピックには12名のみです。選考から外れた5名に関しては感謝の気持ちをそれぞれ、私自身の言葉で伝えました。

――黒後選手のVNLなどのここのところの評価と五輪で期待することは? 初めての五輪でどう自分を表現してほしいと思いますか?

中田:中国とやったテストイベントも含め、4月の時点からは大分良くなり、調子は上がってきてると思います。ただ、やはり前衛でも後衛でも、もう少し積極的に攻撃に参加してもらいたい部分もあります。特に彼女はリーダーシップもありますので、どんどんチームを引っ張っていくエースになってもらいたいと思います。黒後のスイッチが入った時の打力や読み、スピードは外国の選手と全く引けを取らないぐらいのものを持っていますので、オリンピック本番でそういうスイッチの入った黒後に期待しています。

――監督自身、10代の時から日本の女子バレーを背負って戦ってきて、日本の女子バレーやオリンピックに対する思いがあると思います。そして、自国開催のオリンピックの監督になって、選手たちに伝えたいこと、次の世代に引き継いでいってほしいことがたくさんあっただろうと思いますが、この5年間、どんなことを伝えようとしてきましたか? そしてそれが世代の違いもあったかもしれませんが、選手たちにどれぐらい伝わっていると感じていますか?

中田:言葉を変えたり、伝え方を変えなければならないと思うこともありましたが、選手たちは十分理解してくれてるとは思いますし、またこのバレーボールをしていることは本当に特別なことで、幸せなことだということ、あとはバレーボールが終わった後の人生の方が長いので、バレーボールで経験してきたことをしっかりと次の人生に生かす力にしてもらいたいということですね。
東京オリンピックはこういう状況ですが、チャンスを頂いてるわけですから、責任をしっかり果たし、自分たちの夢を実現するために頑張ってもらいたいと思っています。

――イタリアから帰国しても状況がなかなか良くなっていなくて、ただでさえプレッシャーがかかる上、異様な雰囲気と環境の中ですが、そういう状況でも戦うこと、先ほど監督は「覚悟」という言葉を使われましたが、そういうところは選手に見えてきていますか?

中田:十分伝わってるというふうに思ってますし、今こういう状況ですが、日本だけではなく、世界の皆さんが「東京オリンピック、やっぱりやってよかったね」と思えるようになるといいなと。その中で現場に立つ人間として、しっかりと役割を果たしたいというふうに思っています。

写真提供:日本バレーボール協会、FIVB

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