2021-08-05 11:20 追加
河野裕輔のエール!第7稿 冒険の終わりと未来へ残した龍神の爪痕
河野裕輔コラム
全日本代表 男子
元日本代表でJTサンダーズでも活躍した河野裕輔さんによるコラムです。第7稿は、男子日本代表の東京オリンピックラストゲームとなったブラジル戦について。
◆冒険の終わり
2021年8月3日 遂に龍神NIPPONの冒険が終わりを迎えた。相手はブラジル。0-3のストレート負け。しかしこの試合は、セットカウントだけで語るにはあまりにも「もったいない」試合だ。その内容を振り返っていこう。
◆今日も好調なレセプションでサイドアウトを取り、サーブで攻めて喰らいつけ!
いきなりポジショナルフォールト(ポジション間違い)の反則を取られた龍神。そのままルカレッリのサーブで0-3まで走られる。龍神のファーストサーブは西田有志。今日もサーブで攻めていく龍神のスタイルだ。しかし石川祐希のブロックや相手のミスもあり、序盤から大きく離されずに試合は進める事ができていた。そしてローテーションが1周した8-10の場面で西田のサービスエース。2セット目の開幕も西田のサービスエース。そしてレアルのフローター系変化球の返球率が良くないというデータから、小野寺太志/山内晶大は徹底してレアル狙いでサーブ効果率を上げていった。
ラリーの決定率はどうしてもブラジル優位になってしまっている。ラリーに持ち込ませずにサイドアウトを取り、サーブで攻めることにより点差を詰め、リードを奪うことが一番楽な展開で勝てるストーリーであると予想していたが、やはりブラジル。勝負所で必ずポイントを取りに来るため点差が埋まらない。
しかし龍神たちはここからが従来とは違った。決して大崩れをせず、サイドアウトを繰り返すことにより、じっとチャンスを待つことができていた。ブラジルであろうがポーランドであろうが文字通りチーム一丸となってレセプション(サーブレシーブ)を耐え、ブロックで耐え、ディグ(スパイクレシーブ)で耐える。そうした少ないチャンスを得点に結びつける力が、今の龍神達にはあった。レセプションからのサイドアウトだけでなく、トランジション(スパイクレシーブからの攻撃)に持ち込まれても「いい状態」を作り出し、ポイントにする力があるのだ。それにより引き離されることが少ない試合展開に持ち込めた。
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