2021-08-30 18:19 追加
河野裕輔のエール!8稿 特別編 現代バレーのトレンドとは?ブロックとシンクロ攻撃
河野裕輔コラム
Others / V1リーグ 男子 / 全日本代表 男子
元日本代表でJTサンダーズ広島でも活躍した河野裕輔さんのコラム。主に男子バレーのジャンルで競技者・観戦者に寄り添いながら河野流の視点をお届けします。
オリンピックも終わり、パラリンピック真最中であるが、今回は最近大きく変化を迎えている男子バレーについて観戦のポイントを提案させていただきたい。
なぜならオリンピックで実感されているファンも多いと思うが、「今までとバレーボールが変化している」ということが盛んに言われている。しかし、そう言われても「どう変わっているのか」「どこを見たらゲームの内容が理解しやすいのか」という質問を非常にたくさんいただいた。よってこれに回答することにより9月のアジア選手権、そして10月から始まるVリーグの観戦の一助となれば幸いである。
◆何が変わった?最近のバレーボール
まずは、比較対象である過去の認識を述べさせていただく。
過去の日本バレーは攻撃枚数が最大で3、なおかつ「時間差攻撃」という“速攻を囮に2人目のアタッカーが打つ”というタイミングをずらした攻撃を行ってきた。それに対応してきたのが「リードブロック」である。平たく言ってしまえば、(推測やいわゆる「やまかん」ではなく)トスが上がったところに遅れて(厳密にいうと違うが紙面の事情により割愛)跳ぶことにより「時間差攻撃」を封じたのだ。そして現代においては、速攻についてもリードブロックで対応してしまうという現実がある。
そうなると、さらに速い攻撃でブロックがついてこれないようにすることが重要に見えた。速くするためにボールの軌道も低いものにした。そうして日本は低くて速い攻撃を追求してきた。この攻撃で重要なのはレセプション(サーブレシーブ)をきっちりセッターに返球して、そこからの速い攻撃を仕掛けることである。
ここで2つの問題に突き当たる。諸外国はジャンプサーブが強烈になり、レセプションをセッターにきっちり返球することが非常に困難になってしまった。そうなると2枚そろったリードブロックに真正面から勝負することになり、スパイク決定率は上がりづらい状況になってしまう。
そして低い、速い攻撃では1枚ブロックでも被されると対応できない(抜けない)ケースも出てきた。
これが少し前まで陥っていた状況に近いものであるとご理解頂きたい。
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