2014-04-22 14:07 追加
V・プレミアリーグ男子2013/14決勝
男子決勝JTvsパナソニックのゲームレポート
SV男子
Vプレミアリーグ男子ファイナルは既報のとおり、4/13(日)に東京体育館で行われ、2年ぶりの優勝を目指すパナソニックパンサーズが初優勝を狙うJTサンダーズを3(25-21 13-25 25-16 19-25 15-10)2で破り、4回目の優勝をしました。
スコアを見てのとおり、接戦が少なくセット毎に一方的な流れになる場面が多い試合でした。4セット目までセット毎に簡単に振り返ります。
1セット目は前半、前衛が2枚の場面でパナソニックがJTのレフトの越川選手をマークするようなブロック戦術をし、封じることに成功。これで前半のリードを作り上げたパナソニックが後半サーブ力で迫ってきたJTを振り切る形になりました。
2セット目は中盤追いつかれそうになったJTがイゴール選手のビッグサーブで連続得点。これで一方的な流れになり、大差でJTがセットを取りました。
3セット目は今度はパナソニックの福澤選手のサーブが炸裂。第2セットとは逆の展開になりました。また福澤選手、ダンチ選手のbickにJTのブロック陣が対応できず、こちらも大差でパナソニックが取りました。
4セット目はこの試合の中で一番のシーソーゲームとなりましたが、後半に安永選手のブロック、イゴール選手のサービスエース、最後は安永選手のサーブとパナソニックのミスにより徐々に差ができ、JTが取りました。
1セット~4セットまでで印象に残ったことを挙げます。
まずはJT。試合を通じて、ブロック戦術が一貫していたと思います。バンチシフトからサイドのブロッカーはマークをしているレフト、ライトへそれぞれ助走を取りながらブロック。センターの選手は自己判断で主にリードブロックで対応しているように見えました。おそらくパナソニックのセンター陣の本数が少ないことを見越して、サイドへ2枚そろえることを重視してこのようなブロック戦術を選択したのだと思います。パナソニックは今シーズンセッターに深津選手を起用し、速い攻撃を中心に攻撃を組み立てている印象がありました。このような攻撃をするチームに対しては、堺ブレイザーズのように配置をスプレッドにして、サイドの選手に対応しやすい形を選択するチームも見られます。
しかしJTはそのような選択を取りませんでした。推測になりますが、サイドに高さのあるブロックを揃えたかったことが考えられます。助走を取ってスイングブロックをすると、ジャンプがきちんとでき、ブロックを高くする効果があります。また、センターの選手がきちんとついてくることが条件ですが、同じステップで同じフォームでブロックをすることにより、ブロックの間が開きにくいというメリットがあります。スプレッドにしてしまうと、選手の正面には付きやすくなるのですが、その場跳びになりジャンプが落ちます。またセンターの選手は斜め、サイドの選手は垂直に跳ぶことになるので間が開きやすくなります。これにより間を抜かれる可能性が増えます。これを嫌った可能性があります。
バンチシフトに関しては選手間が狭くなるのでこのシフト自体「自然」ではないそうです。ですので無意識にスプレッドに開いてしまうことがあるようです。JTは唯一第3セットの不利な場面の後半にスプレッド気味になるシーンが見られました。
次にローテーションですが、セットの最初のサーバーにイゴール選手、2番目に越川選手とビッグサーバーを揃え、サーブを重視したローテーションで望みました。デメリットとしては、前衛の攻撃が2枚になり、ローテーションが回らず前半に相手に走られてしまう可能性があることです。おそらくこのデメリット<ビッグサーバーによる得点と判断をし、選択をしたのだと思われます。
パナソニックはこのビッグサーバー2人に対して、普段はレシーブのフォーメーションに入らないOPの清水選手も含めた4人体勢で望み、このローテーションをしのごうことしました。しかしイゴール選手はこのシフトをものともせず、レフトとセンターのレシーバーの間、レフトのダンチ選手が少しセンターよりに構えた際はレフトのライン側にサーブを打つなどをし、連続得点のシーンを作り出しました。こういったことも含め、ローテーションに関しては一定の成功を収めたのではないかと思います。
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