2021-09-20 18:38 追加
石川祐希主将「3セットとも途中逆転したが、最後に取り切る力がなかった」、髙橋藍「レベルの高い選手からスキルを学び、バレー技術を磨きたい」 アジア選手権決勝・イラン戦会見コメント
全日本代表 男子
■中垣内祐一監督
いつもアジア選手権は肉体的に非常に厳しいトーナメントで、選手たちが最後まで持つかと心配しましたが、何とか最後まで集中力を切らさないプレーを見せてくれたのは収穫であり、非常に嬉しかったことです。
確かにイランは飛び抜けて強いチームで、一方的な展開になるということも正直あるかと思っていました。そんな中選手たちはよく食い下がって、最後までハラハラとさせるような、見応えのある試合にできたとは思っています。
勝ち切れなかったことについては、今後いろいろな改善点が出てくると思いますが、そこはいちばん選手たちがよく感じているのではないでしょうか。
――イランもオリンピックから半数近く入れ替わり、若手中心のメンバーでしたが、今回のイランと対戦して感じた差はどんなところでしたか?
中垣内:イランはまず、彼らの平均身長だけを見ても、もうアジアではなくヨーロッパのチームだと思います。それから、高さ、パワーにしても、今までのアジアにはないレベルにいると感じています。ユース世代からずっと世界で勝ってきたチーム、そこから上がってきた選手が中心になっていますが、正直なところ末恐ろしいチームになっていると思いますね。そんなチームを相手に、我々ができることというのは、ディフェンスでつないで隙を見て得点するという、我々がこの試合でした内容という気がします。
ただ、シャットアウトは食らいすぎてしまった。これはイラン戦だけではなく、中国戦もそうだし、もっというとVNL(ネーションズリーグ)からその傾向は出ていると思います。被ブロックによる失点が多いので、そこの部分の工夫と、しっかりした訓練を積めば(イランとも)戦っていけると今日対戦して感じました。
――東京五輪を含めて、高橋選手など若い選手たちが内容の濃い経験を積めたと思いますが、これがパリ五輪に向けて、どのように生きてくると思いますか?
中垣内:これだけの試合数を経験したことで、選手自身が個々の足りないもの、相手に負けているものを肌身に染みて感じているところが大いにあったはず。それが収穫だと思います。当然のことながら、チームとしても強化していかなければならないところをしっかり項目を挙げて練習していくことになると思いますが、それとは別の部分でも選手たちは足りないところを感じているはずです。
それから、若い選手はまだまだ技術的に足りないところが多いのも事実で、石川などのコートでのプレーは若い選手が学ばなければいけないところもある。そういったところを本人たちも感じているのではないかと思います。
――若い選手が多い中で石川選手がキャプテンとなり、プレー面はもちろんですが、リーダーとして彼が発揮した部分をどのように感じたか教えてください。
中垣内:福澤(達哉)からの申し送り事項も多々あったと思いますけど(笑)、キャプテンとしてできることを存分に発揮しようとしていたなと感じています。選手を集めての日々の練習後のコメントだったりとか、具体的に何をどう言っているのか聞いていたわけではありませんが、石川が中心となってショートミーティングのような会話を日々していました。 そういったところでもリーダーシップを感じましたし、試合中、ベンチにいても「ここは今、大事だから、これは落とさないようにしようよ」と言ったり、そういった声が今までになく出てくるようになっている。これはリーダーシップを発揮しようという彼の気持ちの表れだと思います。
プレーでも苦しい時の石川頼みという場面が多いですし、みんな「石川さんだったら、何かやってくれる」と感じながらプレーしているところがあるのではないかと思いますが、本人もそれに応えている。特に競ってきていたり、大事な場面になるといいプレーを発揮するとコートの外で見ていて感じますし、若い選手に(いい意味で)見せつけているのではないかと思いますね。
写真:縞茉未
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