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会見・コメント

2021-10-15 19:49 追加

JVA 嶋岡健治会長が女子日本代表の総括を発表。「VNLからの帰国が遅くなり、体調を整え、心の準備をする時間がなかったことも五輪に集中できなかった要因」

JVA 理事会報告会 女子日本代表の総括、パリ五輪に向けての新体制について

全日本代表 女子 / 全日本代表 男子

 日本バレーボール協会(以下、JVA)は14日、定例理事会のメディア向け報告会をオンラインにて開催した。
 
 報告会は3部構成で、まず2017年から2021年までの女子日本代表の総括とパリ五輪に向けての新体制、男女代表新監督の発表、続いて、ビーチバレーの総括と新強化委員長の発表、最後に9月30日に発表された国際大会キャンセルの際の不適切処理に対する処分についての報告があった。ここでは第1部の女子日本代表総括と男女新強化体制についてお届けする。

 東京五輪までの5年間の総括については8月末付で監督を退任した中田久美氏がまとめたものを鳥羽賢二ハイパフォーマンス事業本部長(女子強化委員長兼任)が発表する予定であったが、中田氏は東京五輪終了後から体調不良が続いており、鳥羽氏も体調不良で緊急入院となったことから嶋岡会長が代読した。

 2017年に就任した中田監督は東京五輪メダル獲得を目標に、選手の育成はもちろん、2024パリ大会まで見据えた選手を育てることを視野に入れた強化をスタート。また、身体、技術、精神、戦略などの柱を意識し、チェックをしながら通年で強化を行うことをポイントとしていた。

 チーム内のコミュニケーション、選手の所属チームとの連携(チームに戻っても代表の意識を持つ)、女性スタッフの登用、現場と強化体制との連携といったことを重視し、特に世界基準を明確にした対策、フィジカルの強化、スピードアップ、精神面の強さを養うことに注力。各年の目標を設定し、その年にできたこと、できなかったことをPDCA(Plan=計画→Do=実行→Check=評価→Action=改善)を回しながら強化してきた。その結果、2019年ワールドカップまで順調に力をつけてきたといえると嶋岡会長は話した。

 5年間で黒後愛、石川真佑、籾井あき、山田二千華ら若手の成長があったことは収穫で、逆にセッターや主要メンバーがなかなか確定せず、コーチも交代が多く、安定しなかったことは残念な点であったという。2021年の評価としては、VNL(ネーションズリーグ)でベスト4に入ったことはよかったが、ファイナルラウンド進出を想定していなかったため、帰国が1週間程度遅くなり、帰国後にPCR検査、ワクチン接種等を経て体調を整え、心の準備なども含め五輪に向けて集中できる時間が少なくなってしまったことも力を出し切れなかった要因であったという。

 新強化体制については、ハイパフォーマンス事業本部長に前男子強化委員長の矢島久德氏が就任。鳥羽前本部長は理事としての職務は継続する。男子強化委員長に元男子代表監督の南部正司氏、女子強化委員長は前NECレッドロケッツGMの中村貴司氏の体制となる。

 男女代表新監督(フィリップ・ブラン氏、眞鍋政義氏)については、推薦委員会が男子は3回、女子は4回にわたり開催され、推薦された候補者(男子2名、女子5名。氏名は非公表)から絞られた。男子については推薦委員会で決を採り、コーチとして代表チームを5年間見てきたため継続性があること、フランス、ポーランドでの監督経験があり、世界基準の視点があること、そして本人も「ぜひ引き受けたい」と話していることからブラン氏に決定した。一方の女子は、第1回の推薦委員会で候補者を5名から3名に絞った。3名の候補者と面接をする予定だったが、うち1名が辞退したため、2名と面接を行い、第4回推薦委員会で多数決で過半数を超えたため、眞鍋氏に決定した。眞鍋氏はロンドン五輪銅メダルの実績があり、現在は監督としては現場を離れているが、ヴィクトリーナ姫路の球団オーナーとして、テレビ解説者としてなど、さまざまな機会に現場を見ており、推薦委員会の面接でも自分の理論をしっかり提示したことが評価された。
 
 ビーチバレー、国際大会キャンセルの際の診断書偽造関連ついては別記事へ。

写真提供:FIVB

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