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コラム

2022-01-13 20:08 追加

元Vリーガー北沢浩のバレーボール質問箱 2022春高男子決勝をランニングスコアも用いて完全解説

高校バレー 男子

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日本航空vs.鎮西(得点は左の並びで表示、敬称略)
*序盤:0~8点、中盤:9~16点、終盤:17~25点

1set目(20-25)
序盤、サイドアウトの応酬からゲームが動き出したのは4-6の場面。
鎮西のサーブミス後、長いラリーを日本航空No.4小林のスパイクでブレイクを獲得(6-6)。さらに鎮西のミスが続き、日本航空の3連続得点で7-6となる。
その後、7-6から鎮西No.4桝本の連続スパイクが決定で3連続得点を獲得(7-9)
鎮西優勢で中盤に入る。

中盤は両チームとも良いプレーが連続したが、ゲームとしては停滞。
14-16で序盤からの得点差を保ったまま鎮西優勢で終盤を迎える。

終盤
大きく動いたのは18-19以降。
鎮西No.4桝本のパイプが決定しサイドアウト(18-20)
その後、日本航空セッターNo.6樋口がNo.3利川のクイックを3連続で使用し、4連続失点につなげてしまう(18-23)
間に2回タイムアウトを挟んだが、流れは変わらず、鎮西が1set目を勝利した。

総評
序盤、中盤、終盤と全て鎮西が主導権を握り(終始リードし)試合を進めていました。
どちらも決定的な要素がなく、終盤にミスを出した日本航空の敗け、という事になりました。
個人的には、日本航空のセッターNo.6樋口選手の強気の組み立てが好きです。
決勝戦という大舞台の勝負所(18-20)で3連続クイック使用は普通なら考えられず、他のセッターでは真似出来ないです。
おそらく、個人の意志に加えて、チームとしても終盤の接戦でクイックを使用する練習を沢山してきたのだと考えられます。たとえそれで試合を敗けたとしても、皆納得できるくらい試行錯誤と反復練習をしたのではないでしょうか。

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2set目(23-25)
序盤、大きく動いたのは5-4からの場面。
鎮西が日本航空の攻撃を抑え、No.4桝本が打ち切り連続ブレイクを獲得し、鎮西優勢で中盤に入る(6-9)

中盤ではサイドアウトの応酬が続き、次にゲームが動いたのは13-15の場面。
鎮西No.11平川、No.2平田の連続ブロック、更にNo.4桝本のパイプが決定し、13-18で一気に5点差まで引き離し、終盤を迎える。

終盤は先ほどの13-18の場面で日本航空がタイムアウトを取得し、体勢を立て直す。
その後、またゲームは大きく動く。
日本航空のタイムアウト後、No.7渡邊のクイックによりサイドアウトを獲得し、相手ミスとNo.5久保田の時間差によるブレイクで3連続得点が完成(16-18)
鎮西はタイムアウトを取得し、流れを一旦切る。
その後も日本航空の勢いは止まらず、No.1前嶋のスパイクでブレイクを獲得し18-19でゲームを振り出しに戻す。

しかし、そこからが強い鎮西。
19-21でNo.1平嶋のブロックが炸裂し、19-22で日本航空は2回目のタイムアウトを取らざるを得ない状況となる。
最後はサイドアウトの獲り合いとなり、鎮西No.4桝本が奮起し、25-23で鎮西勝利。

総評
鎮西のブロックが要所で炸裂したという印象でした。
しかし、日本航空も簡単には終わらずに13-18からの怒涛の反撃はさすがでした。
接戦の末、最後はNo.4桝本選手がしっかりと決めきり、鎮西バレーのカタチとしてキレイに収まったなと感じました。

ここまでで鎮西のスパイクはNo.2平田選手(全打数の2割)、No.4桝本選手(全打数の6割)が大部分を占め(両選手で全打数の8割)、特にNo.4桝本選手は打ちすぎており、戦術的にも体力的にも最後まで持たないなと感じました。
一方、日本航空はNo.1前嶋選手(全打数の3割)、No.4小林選手(全打数の3割)が中心ではありますが、打数バランスが非常にキレイで全員が攻撃していると感じました。

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