2022-03-09 11:07 追加
ザムストPresents“Vの肖像”vol.5 日本代表・小野寺太志(JT広島)「中学まで野球少年でしたが、ある日父が『JOCの選考会に行け』と一言。それから女子チームに混じって特訓しました(笑)」
小野寺太志インタビュー
V1リーグ 男子 / 全日本代表 男子
バレーボールをプレーする人なら誰でも知っているザムストが提供する、Vリーガーを深堀りするシリーズ。第5回は東京五輪でも主力として活躍したJTサンダーズ広島のミドルブロッカー、小野寺太志選手に登場してもらった。今季からプロに転向し、チームでは主将に就任。中学までは野球少年だったという小野寺選手がたどったこれまでのバレー人生を聞いた。
小野寺は両親がバレー選手というサラブレッド。母は実業団で選手として活躍し、父も大学バレーでインカレに出場するくらいのバレー一家だった。小さな頃に、母の出場するママさんバレーの大会に一緒に行って観戦した覚えがある。ただ、太志少年はそのままバレーを始めることはなく、野球部に入団した。近くにバレーチームがなく、両親も共働きで遠方のバレーチームに通うことができなかったためだ。選択肢は野球とサッカーくらいしかなかった。「走るのがあまり得意ではないので」という理由で、野球を選んだという。
野球部だった経験はバレーに生かされているのか?と聞くと、「バレーをやり始めた最初の頃も、ボールが怖くなかったのは野球でもっと小さくて硬いボールがバンバン体にあたっていたからだと思います」と振り返る。小学校3年から中学3年の夏まで野球部で過ごし、その直後にJOCの宮城県選抜の選考会に呼ばれた。実は2年のときも呼ばれていたのだが「野球があるので」と断っていた。3年のときも小野寺自身は「バレーはやったことがないからなあ」と断るつもりだったが、帰宅すると父が「選考会に行け」と一言。そして1週間後の選考会までにと練習が始まった。父がつきあいのあった元日本代表の天才セッター古川靖志がコーチを務める女子大学のバレー部で特訓を受けた。
「思春期真っ只中なのに、女子選手の中で練習しなくちゃならない。一人だけ男子で、一人だけ下手くそで…もう恥ずかしくて。思い返しても黒歴史ですね(笑)」
北京五輪主将だった荻野正二もやはり中学時代に男子バレー部がなく、女子の中で一人だけの男子選手として練習をしたというが、小野寺も同じだった。元野球少年だったところまでそっくりだ。
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