2023-03-07 11:50 追加
髙橋藍パドヴァ、名門トレントに1-3で敗れるもリーグ残留が決定 「こういう試合を重ねていくからこそまた強くなれる」 イタリア1部
パドヴァ ゲームレポート
Others / 全日本代表 男子
イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第10節、髙橋藍所属のパドヴァ(10位)は現地時間3月5日(日)にホームでトレント(3位)と対戦し、1-3(27-25, 22-25, 21-25, 27-29)で敗れました。
髙橋はスタメンで出場し、チーム2位の17得点の活躍でした。
この日のパドヴァ会場には、相手がイタリア代表選手を多く擁する人気のトレントだったこともあり、満席となる4000人のファンが詰めかけて会場を盛り上げました。
また同日に行われた他試合の結果、パドヴァがレギュラーシーズン最下位となる可能性が消滅したため、パドヴァのリーグ残留が決まりました。
第1セットスタメン
パドヴァ
OH:ガルディーニ(イタリア)、髙橋(日本)
MB:カネッラ(イタリア)、クロサート(イタリア)
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ(イタリア)
L:ツェンガー(ドイツ)
トレント
OH:ミケレット(イタリア)、ラヴィア(イタリア)
MB:ポドラスチャニン(セルビア)、リシナツ(セルビア)
OP:カジースキ(ブルガリア)
S:スベルトリ(イタリア)
L:ラウレンツァーノ(イタリア)
●試合レポート
第1セット、出だしからSサイッタがOHミケレットを連続ブロック、さらにMBクロサートのサービスエースも決まって3-0とパドヴァがリードします。しかしその後MBポドラスチャニンのエースやOHミケレットのスパイクでトレントが9-9と追いつくと、そこからは点差が開かない競った展開が続きます。パドヴァはOPペトコヴィッチとOH髙橋、トレントはOPカジースキやMBポドラスチャニンのスパイクで得点を重ねていきます。終盤にOHガルディーニがサービスエースを決めて20-17とパドヴァが3点のリードを奪うと、リードを保ったまま24-22とパドヴァが先にセットポイントを迎えます。しかしOHミケレットに続けてスパイク得点を許して24-24と試合はデュースに突入。ただ最後はトレントに続けてスパイクミスが出て27-25でパドヴァがこのセットを取ります。
第2セット、今度は序盤からトレントがOHミケレットのブロック、OHラヴィアのスパイク、OPカジースキのサービスエースなどでブレイクに成功して7-11とリードを広げます。その後パドヴァもOPペトコヴィッチのスパイク、OHガルディーニのサービスエースなどで18-19と1点差まで迫りますが、そこからOPカジースキの連続スパイクとMBポドラスチャニンのブロックでトレントが再び18-22とリードを広げます。トレントのセットポイントからOH髙橋もサービスエースを決めて一矢報いますが、最後はOPカジ―スキがしっかりとスパイクを決めきって22-25でこのセットをトレントが取ります。
第3セット、パドヴァは第2セット途中出場していたMBヴォルパト(イタリア)をスタートから起用。序盤はMBクロサートとMBヴォルパドの両ミドルのブロックポイントでブレイクしたパドヴァが7-5とリードします。直後にトレントのLラウレンツァーノが手首を負傷してLドメニコ(イタリア)と交代しますが、そこからトレントがMBリシナツのブロックなどで7-8と逆転に成功。その後また点差の開かない競った展開が続きますが、ラリーからのOPカジースキのスパイクで18-21とトレントが3点リードすると、さらにOHミケレットが連続で鋭いパイプ攻撃を決めて20-24と先にセットポイントを握ります。最後は再びOPカジースキがきっちりとスパイクで締めて21-25でこのセットもトレントが取ります。
第4セット、パドヴァはMBカネッラを再度スタメンに戻します。序盤からOPペトコヴィッチのスパイクなどでブレイクを重ねたパドヴァが9-6とリードしますが、その直後にOPカジースキに3連続でスパイクを決められ9-9とトレントが同点に追いつきます。その勢いのままOHミケレットのエースやOHラヴィアのアタックなどで13-16とトレントがリードします。そのまま20-22とトレントリードで終盤に入りますが、そこからOH髙橋がスパイク、そしてOPカジースキを止めるブロックで連続得点を上げて22-22とパドヴァが同点に追いつくと、さらにMBクロサートのブロックとOPペトコヴィッチのサービスエースも決まって24-22と一気にセットポイントまで進みます。しかしOPカジ―スキのスパイクで24-24と同点に追いつかれてデュースに入ると、最後はSスベルトリのブロックとOHミケレットのスパイクで連続得点を決めたトレントが27-29でこのセットも取り切って、1-3でパドヴァに勝利しました。
MVP:OPマテイ・カジースキ(25得点(うちサーブ1、ブロック1)、アタック決定率61%)
髙橋藍はチーム2位の17得点(うちサーブ1、ブロック1)、アタック決定率56%、サーブレシーブ成功率39%の活躍でした。
この結果パドヴァは7勝14敗18ポイントで10位と変わらず、また同日に行われた試合で12位のシエナが0-3で敗れて来週の最終戦の結果に関わらずパドヴァを上回る可能性が消滅したため、パドヴァのリーグ残留が決まりました。
次週のレギュラーシーズン最終戦は現地時間3月12日(日)18:00(日本時間翌2:00)からアウェイで6位のピアチェンツァと対戦します。
●髙橋藍選手コメント
試合の形としてはパドヴァのいい形を最初から出せていたと思います。4セット目を取って5セット目に勝負をしたかったんですけど、(セットポイントで)サイッタ選手からトスを託すと言われて、自分が決めたい場面で決められなかったというのは自分の中で悔いが残ります。でもこういう試合を重ねていくからこそ、また次に対しての準備であったり、次にまたこういうシチュエーションが来たときにまた強くなれるのかなというのも改めて感じます。
今日出た課題を更にこの1週間で埋めていって、ピアチェンツァ戦でも必ずまた今日のようなシチュエーションで、まずはパドヴァのバレーボールを出すというところが必要なので、アウェイですけどコッパイタリアを優勝した勢いに負けないように最初からパドヴァのいいところを出して戦っていきたいなと思います。
文:堤敏樹(『トシキブログ』より)
写真:筆者撮影
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