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インタビュー

2026-02-18 19:30 追加

さらば、すばる。そしてまた会う日まで。継続する大切さを教えてくれた埼玉上尾メディックス・佐藤優花のラストメッセージ SV女子

SV女子

埼玉上尾で試合に出ることで知名度も上がった。
そしてトップリーグで得点を量産することはもうひとつ上のステップにすばるを押し上げた。

2022年、日本代表に選出。

女子選手が下部リーグからステップアップしてフル代表にまで到達するのは今でも稀な例であろう。

「びっくりしました。”代表候補に入ったよ”とチームから言われて…まだリーグ中だったので正直プレッシャーになりましたね」

この時ばかりはいつものように淡々と、とはいかなかったようだ。

「代表なのにこんなプレーしかできないのかって思われたらどうしようかと焦りました」
当時を振り返りながら佐藤優花は語る。

「AVCカップなどで他の代表メンバーとプレーできたのが良い経験になりました。いろいろな発見もありましたね」

埼玉上尾メディックスにおいては自身をどんな存在だと自認していたのか。最後のシーズンはキャプテンとして戦った。

「自分は口下手でグイグイ引っ張るタイプではなかったのですけれども、先輩たちがしっかりチームを作ってくれてたおかげで長く続けられたと思っています。
環境に支えられて、一年ずつ超えていった感じですね。
キャプテンとしては特に何もできなかったかな。
正直、キャプテンを打診された時は渋りました。
そのことで監督に迷惑をかけたと思っています(笑)」

バレー人生を総括しての感想も求めた。「すばる」とはどういう選手だったのか。

「よくわからないです(笑)でも、そうですね…その日の全てを出し切る、一本一本に全力を注ぐ選手だったのかな。現役を続けろって言われても、もう出し切ったから無理ですよ」

才能が花開くには巡り合わせも重要だ。今でも下のカテゴリーからトップを目指す選手は多くいる。そういった野心ある選手にアドバイスをして欲しいと依頼した。佐藤優花の言葉には厳しさと優しさが同居していた。

「バレーボールをやってる以上、上手くなりたいという気持ち、こうなりたいっていう目標がないと厳しいと思っています。ただ毎日なんとなくやってるならやらない方がいい。バレーボールに限った話ではないですけれども、個人の目標を持って、それをブラさずに続けることが大事だと思っています」

そんな佐藤優花が改めて伝えたいのは感謝の気持だという。

「チームや運営の人たちの尽力があって挨拶の機会を持つことができました。正直、ここまでやれるなんて思っていなかったんです。子供の頃も、高校生の時も、ずっとバレーを続けられるとは思っていなくて。セレモニーでも感謝の言葉を全部伝え切ることはできなかった。そのくらい多くの人に感謝しています」

佐藤優花は言葉を続ける。

「ありきたりの言葉になってしまうかもしれないけれど、ファンのみなさんにも本当に感謝しかないです。どんな時も会場に来てくれる人たちもいました。ファン以上の存在だったと思っています」

選手としては出し尽くした。別の形でバレーボール界に戻って来る気持ちはどうなのだろうか。

「しばらくはゆっくりしようかなと思っています。でもバレーは見ますよ。最近の日本代表もテレビで見ていましたけれども、結果だけじゃない感動があるなって。スポーツの良さを実感させてもらっています」

佐藤優花から見たバレーボールの魅力とは何だろうか?

「人の繋がりですね。どんなに上手い6人が集まっても、人として繋がってないと良いボールは出ないんですよ。バレーって技術だけじゃないんですよね。そういうところが魅力だと思っています」

最後にずっと聞きそびれてきたことを聞いた。
愛称の「すばる」の由来についてだ。

「中学の時に先輩が”星の昴(すばる)”のように輝いて欲しいという想いでつけてくれました。以降、ずっとそれです。トヨタ自動車の時に”トヨタのすばる”と、ちょっとネタにされたけれど(笑)自分はやっぱりすばる以外はありえないなって。はい、もちろん気に入ってます」

昴は古来から六連星(むつらぼし)と呼ばれ、肉眼で見える6から7個の星を中心にした美しい星の集まりだという。
その星の数に象徴されるように、コートの中の輝きと、コート外のつながりを示すようなバレーボール選手にはぴったりの称号ではないか。
その名のようにすばるは最後まで周囲の人の心をつなぎながら、自身も強く美しく輝き続けた。

その瞬きは今でも続いている。

撮影 堀江丈

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