2014-09-02 12:13 追加
加藤陽一 地上の星 第3部APPENDIX編
V男子
つくばユナイテッドサンガイア
コートでの存在感がある方なので、チームの精神的支柱でした。ちっちゃいころから見ていた方なので、まさかそういう選手と一緒のコートに立てるとは思わなかった。
ここ一番というところで強いというのは、いろんな経験をしてきたからこそで、すぐに身につけられるということではないんだなと。一緒にやりながら実感しましたね。
来シーズン以降は、自分たちも加藤さんのようなコート上での存在感を出していかなければ。下の世代がどんどん出てこなければと思っています。
バレーボールに対して、今まで見たことないくらいアツい人だなと。それ以外にもチームを引っ張る魅力がすごくあるひとだというのを、今も感じています。
ミスって必ず起きるもので、そのミスに対しても深く追求しているということですね。加藤さんはスパイクを決めた時も体で表現するんですよ。
今まで引っ張ってもらっていたというのがすごく大きかったんですけど、僕も含め若手が多い中で、みんなで引っ張るチームにならないと。
加藤さんとは同じ九州人として、九州話で盛り上がったりもしました。
リーグ最後や黒鷲の試合では、瀧澤が怪我して、いない段階で、加藤さんに集中するのは分かっていたし、もっと上手くあげられていたらなあというのは思いますね。
ここ一番というところでは、一番経験のある、一番信頼のある加藤さんに打ってもらいたいというのが僕の中であって。大変な試合でした。
加藤さんの引退にしっかりはなむけができなかったかもしれないですけど、最後、トスをあげられたのは今後財産になると思います。
キャリアを感じるプレイでしたね。全日本をやっていた、海外でやっていたその技術的なプレイ、メンタルな雰囲気作りが勉強になるなと。練習の時からも、スパイクの打ち方や入り方を教えてもらいつつも、あとは試合に臨むメンタル、試合でのゲームメイクの仕方だったりを、言葉ではなく体で教えてもらっていたと思います。
怪我をしてしまったのが自分としての心残り。あれは事故だったのでしょうがないんですけど、申し訳なかった。
サンガイアには「加藤さんがまだ残っている」と思ってもらえるように、プレイやその他のことをつなげていけたらなと思います。
―出会いのころまでさかのぼっていただいていいでしょうか。
加藤の場合は大分工業の大河内先生が私の先輩だったんですよね。それでちょうど私がスカウトを始めたころ、たまたま加藤が出てきた。それでこの選手をぜひ欲しいと思って先生にお願いしたのがきっかけですね。それまで加藤のプレイは見たことがありませんでした。
―実際プレイを見てどうでしたか?
無駄が無くてフォームがとってもきれいだった。是非ほしいと思いましたね。
―加藤さんの話によると「何のためにバレーをやってるんだ」とおっしゃった事があると。
彼は筑波大に入ってから燃え尽き症候群に近いことがあった。一年生の時にね。彼がバレーボールを辞めたいと言ってきた時があったから。
―それでもう1回バレーに対する情熱を取り戻すことができたと。
もう1回しっかり戻りましたよ。
―その後大学卒業後彼はいろいろと経験を重ねて行って、最終的につくばユナイテッド゙に来られる事になった時はどう思われましたか?
それはもう、彼とはその話は一度もしてなかったし、帰ってくるなんて私にとっては夢みたいな話で、帰ってきてくれるんだとなった時にはもう涙がこぼれそうでしたね。クラブチームを育てたいという意思があったので、それで来てくれたんだと思うんですけどね。
―やっぱり嬉しかったですか?
嬉しいですよ。あれだけの人が自分の立ち上げたチームに帰ってきてくれるんですから。
―加藤さんが在籍した5年間を振り返ってどうでしたか?
んー環境が良くなかったね。私も監督できなかったしね、ちょっと可哀そうなことをしてしまったなと思っています。
―引退されたいと相談された時に、先生はどういう言葉をかけられましたか?
見ていても、あぁそろそろ、ジャンプ力も落ちてきてるし、限界が近づいてるなとはっきり解ったし、今シーズン限りかなと自分の中では思っていました。
―彼は今後会社としてつくばを支えて行くと言われていたんですけど。
2020年には東京オリンピックがありますから、世界へ出てコーチをやりたいという思いは強いと思います。全日本男子か女子か解らないですけどもそういうものに携わりながら自分のコーチとしての能力を伸ばしたいと。それをやりながら会社を拠点としながら活躍していきたいと彼は思っているのではないですかね。
―新しい道を踏み出した加藤さんへ一言メッセージをお願いします。
本当に今までも本当に良くやってくれたし、彼には幸せになる方向で頑張ってほしいというのが私の気持ちです。
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