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ゲームレポート

2017-09-25 17:51 追加

セミファイナル出場4チーム中、2チームが初進出! 混戦のヨーロッパ選手権2017

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銀メダルのドイツ

そんなプロローグを受けドラマを最大に盛り上げたダークホースが、ベルギーとドイツではないでしょうか。
ポーランドリーグ今季優勝ザクサのエースとして優勝に大きく貢献したキャプテンデローの攻撃力もさることながら、ベルギーの守備は抜群。イタリアリーグで活躍していたファンデフォールデ(昨季トレント在籍)とフェルヘース(昨季モンツァ在籍)の両ミドルブロッカーの壁が、相手の攻撃を阻みます。相手チームの攻撃をワンタッチ掛け、拾って繋ぎ簡単には決めさせない粘り強さを見せながら、前代未聞の快進撃を続けたベルギー。終わってみればブロッカーランキングではこの両ミドルが1位3位をマークし、さらにベストリベロ賞に輝いたのが21歳のシュトイアー。いつしかヨーロッパ強豪に引けを取らないレベルへと成長を遂げていたのでした。
ドイツは2年前の同大会でスロベニアを準優勝に導いたジャーニ監督が、これまた奇跡を起こしました。

準決勝セルビアを相手に2セットダウンからの逆転勝利を挙げたドイツ。2セット終了後のブレイクタイムで「まだ始まっていない試合と同じ」という監督の言葉で復活したチームは、経験豊富なオポジットグロゼルを筆頭にセリエで鍛え抜いた技術をもつサイドのカリベルダ、フロム、これを勝負強いセッターカンパが自在に操りながら、自身のサーブでも波を起こし見事な逆転劇を披露、初の決勝へと駒を進めたのです。

乱れたところからも攻撃につなげられるカンパの冷静なトスワークと、その託された球を決めきれるグロゼルの安定感で、ドイツは決勝でもロシアに怯むことなく試合を展開。身長193㎝のカリベルダは高さに苦しみながらも、ディグやサーブでチームに貢献しリズムを作り、ドイツのバレーを展開させていきました。ベーメやフロムのブロックも冴え、19歳のミドルブロッカークリックも要所で活躍。崩れだしたら止まらないロシアの隙を突き、決勝第4セット、一時は22‐12と10点差をも付けることもありました。

笑顔のロシアチーム

しかしドラマを大いに盛り上げたドイツでしたが、最終的に王者となったのはかつて不動の地位を確立したロシア。ここ数年は国際大会で思わしくない結果が多かったものの、まだ以前の強さを保持。ベテランを休ませ挑んだ今年のワールドリーグは惜しくもファイナル6で敗退してしまいましたが、着実に若手を成長させていました。ここにグランキン、ブティコ、ミハイロフといったお馴染みのベテラン選手が加わったことで攻撃力が増し、今大会これまで失セットなくスムーズに勝ち上がってきたのです。

ロシアの大黒柱ミハイロフの攻撃力に加えチームを支えたのは若手サイドのヴォルコフ。22歳とは思えぬオールラウダーぶりで、チームに勢いをつけ盛り上げてきました。毎試合スパイク、レセプションで高い数字を残しているのはもちろん、サーブ、ブロックでポイントを稼がない試合がないほど。驚異の若きエースはベストアウトサイドスパイカーにも選ばれました。
決勝こそドイツのバレーに翻弄され、ロシア本来の持ち味を出せず、若手の粗さや苛立ちが目立つシーンもありました。頼みの綱ミハイロフもここぞという時にミスを連発し、立て直せぬまま連続得点を許す場面も。しかし最終セット、勝敗が委ねられたのは両チームオポジット対決。コートチェンジ直後、足首をひねったドイツのグロゼルが以後決定力を欠く中、全てを決めるロシアのミハイロフ。時には力いっぱい打ち付けブロックを打ち破るアタックも見せるなどし、MVPにふさわしい活躍でロシアに金メダルをもたらしたのでした。

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