2017-11-15 18:01 追加
躍進ジェイテクトを支える早野GMの“マネジメント論”(前編)
GMに聞く
SV男子
昨シーズン、ついに史上初の3位にまで上り詰めたジェイテクトスティングス。チャレンジリーグから徐々に成績を上げていき、プレミアリーグに昇格後も毎シーズンを順位を上げて来た。また、2シーズン前にはマテイ・カジースキ(元ブルガリア代表)という世界最高峰のトッププレイヤーを獲得して、世界をアッと言わせた。その躍進を支えているのが、長年に渡ってチームを支えている一人、早野容司GMだ。早野氏の考えるGM職とは、なぜジェイテクトが常に躍進しているのか、秘密を探った。(取材自体は約半年前です)
——GM職はいつから就いているのでしょうか?
早野容司GM(以下、早野GM):まだチームにGMという言葉がなく副部長という肩書きでチャレンジリーグにいた2005年のシーズンからです。もう12年になります。
——ちなみに、早野さん自身にバレーボール、選手の経験はおありだったのでしょうか?
早野GM:まったくありませんでした。私がやっていたのはバスケットボールでした。その当時は、東京の小さい営業所で営業所長をしていました。確か東京ヴェルディさんとの試合で稲城市の体育館で、うちのチームが(当時は豊田工機)試合で来るよということから、所長ということもあって皆を誘って応援しにいったのがきっかけです。2004—05シーズンの話です。そこへ、2005年7月1日づけで転勤になりまして、当時の部長から「お前が(バレー部を)ぜひやれ」と言われました(笑)。
——別に手をあげたわけでもなく?
早野GM:全然。
——当時の心境はいかがでしたか?
早野GM:まったくバレーをしたことはなかった。ただ、同じ球技のバスケをやっていたので、抵抗感はなかったです。
——バスケはいつまでやられていたのですか?
早野GM:入社してからもやっていましたよ。豊田工機の選手として実業団リーグに出ていました。
——ポジションはどこだったんですか?
早野GM:今でいうシューティングガードです。当時はつなぎの役で外から3Pシュートを狙う役。27歳で引退しました。ちょうど東京に転勤と言われ、そこでやめました。
いち社会人としての教育から
——スポーツといっても、さすがに今まで違うと思います。どう取り組みましたか?
早野GM:バスケは高校と大学と、遊びではなく体育会系の部活をやっていました。高校では日大三島、大学は日大。日大三島は相撲が強かったですね。大学の時は2回インカレで優勝しました。GMになって最初に手をつけようとしたのは、練習前の態度です。スポーツの前にいち社会人としてしっかりしましょうと。当時は部の雰囲気がすごくて、集合時間は決めているのに集まってこないとかタバコを吸うとか。選手はまずそういうのからやめようと取り組みました。
ちょうど私が日大三島高校の日本大学の同級生であり、東レ(当時のバレー部名は、東レ九鱗会)にいた、石渡光一というのがおりまして、今は日大バレー監督をやっています。彼を頼ったり、色んな形で強化したいよねと現副部長の長井と二人で、ある程度ビジョンを立てて、選手を強化しようといっていたのが2005年。東レさんにお願いして、当時全日本のコーチをやっていた泉川(正幸)を、ジェイテクトに指導者兼選手でちょっと来てくれないかとお願いした。(泉川は)当社に来ていただいた2006、7年の2年間は現役選手として、08年からうちの監督ということでやってもらいました。泉川は全日本、東レで活躍した名選手。生え抜きの選手で意識を高くもった選手が当時は少なかった。そこへ泉川が東レから来たというシンボリックな存在になり、ジェイテクトが本気と思われるようになった。
さらに、廃部になったNECブルーロケッツから高橋慎治とか、小松高則とか(東京ヴェルディから移籍)、外から意識改革や核となる選手に来てもらった。その後も古田史郎(現・ヴァレアス北海道)もそうです。彼が東レを辞めて私が北海道まで行って口説いて、獲得しましたし。3年前には、東レの角田(辰徳、15・16年シーズンで引退)が引退という話がでたときは、私は角田にすぐ電話して、獲得しました。
——獲得した選手など、その時その時の目的というのは、どういったものだったのでしょうか?
早野GM:ポジション別にみて、シンボリックなものがないとダメだよなというのと、我々のチームというのは、こういったらあれですが、どちらかというと真面目な人間を取ろうよと。人間性を含めて判断しました。
——確かに、ジェイテクトの印象に、チームの一体感とか真面目なところを感じます。
早野GM:普通のチームは試合前に円陣を組んでGMとか監督とかが話したりしていますが、我々は見てもらったらわかるように高校生のようにスパッとそろってやっています。
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