「のろい」「とろい」 悔しさからリードブロックを徹底的に強化 伏見大和207cm | バレーボールマガジン

全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>「のろい」「とろい」 悔しさからリードブロックを徹底的に強化 伏見大和207cm

インタビュー

2018-08-04 10:00 追加

「のろい」「とろい」 悔しさからリードブロックを徹底的に強化 伏見大和207cm

伏見大和インタビュー

V1リーグ 男子 / 全日本代表 男子

久々の全日本復帰となった東レ伏見大和選手にお話を伺った。前編はこちら

 

――ご自身はブロックにしてもサーブにしてもスパイクにしてもプレー自体の水準は変わってないと思いますか?

伏見:ブロックはだいぶ変わりました。ブロックは本当に、昨シーズン(16・17年シーズン)からかなり強化して、(2017年)6月から10月にかけてみっちり練習しました。

 

――具体的にどういう練習でしょうか?

伏見:ブロックの横移動です。体の大きい人は遅いというイメージを持たれがちというか、実際そうだと思うんですけど、僕なんか、「のろい」とか「とろい」と言われて、相手セッターはサイドのトスを速くしとけば、全然脅威じゃないだろと思われたんですよ。そこにいれば(アタッカーが打つところにいれば)強いのは自分でもわかっていたから、まず、横移動して行けられることだけを考えればいい。そのトスに間に合えば、強いとわかっていた。(自分には)質量もあるし、手の大きさもあるし、高さもある。行ければ強いけど、行けなかったら、他のセッターが思うように「動けなくて使えないから」と思われるのが本当悔しくて。

 

――ブロックの横の移動のステップというのは、筋力的な部分、判断的な部分、いろんなものがあると思うのですが、何でしょうか?

伏見:まず、根本的に相手のセッターのトスが出てから、どれだけ早くリードブロックで対応できるか。コミットブロックは本当に練習しませんでした。もともと強いので。リードブロックで相手が嫌がるミドルブロッカーを目指そうということで、相手のセッターの特徴をすぐつかむように、とにかくリードブロック、阿部(裕太)さんなどにトスをひたすらあげてもらって、そのトスに反応する練習をひたすら繰り返しました。それにプラスして、トレーニングの日に、アジリティというか、ラダー(縄梯子)のステップを細かく踏む練習をひたすらして、その両方が重なった。足のキレも出ると同時に脳も鍛えて、動体視力、どれだけ出てから早く動けるか。

 

あと、状況が読めるようになりました。周りが見えるようになって、例えばフロント(前衛)が攻撃3枚で、ライトの人がチャンスボールをとって次打てない状況なのに、今までだったら、(ライト側も)あるかもしれないとそこまで見えていなくて、その位置で止まっていたのが去年だとしたら、今年は見えるようになりました。この辺まで見ていて、「あ、ないな。8割方レフトだな」と状況判断ができることで、(実際に打つアタッカーに)1歩寄れたことで、さらに既に自分の中でイメージがある程度ができているから、距離も近いし、イメージ通りだから、バーンとハマることが多くなりました。

 

――その1歩は大きいですね。

伏見:それができるようになったというのが、今回ここにつながった大きな要因かなと思います。

 

――個人的に思っているのですが、日本代表が長年世界の舞台で苦労している絶対的な要因に、ミドルブロッカーが弱点だとずっと感じ続けています。なぜかというと、日本って全体的にミドルブロッカーにまず攻撃力を求める傾向があって、でも現実的には、世界的にはミドルブロッカーにはブロックを求めている。17・18年シーズンに、パナソニックがあそこまで強かったのも、まず白澤選手が徹底的にリードで対応していたからだと思います。

伏見:本当ですよ。昨年のグラチャン、今代表に選ばれている立場なんで批判はできないんですが、勝てなかったのはブロックが圧倒的に少ないからだと思います。攻撃は確かに決まっているかもしれないですけど、結局ディフェンスができないと勝てない。日本には良いリベロがいるし、セッターだってレシーブがうまいから、バックディフェンスは最強だと思います。世界と比較しても、負けていないと思う。でもフロントディフェンスが、僕の見解ですけど、もうちょっと。グラチャンの試合をテレビで見ていた時にすごく思いました。

 

――「バレーは身長じゃない」という人はとりわけ日本人はそういうのが好きなので、もちろんいるんですけど、やっぱり現実的には、身長があれば絶対武器になると思います。だからこそ、2メートルを超える伏見さんが代表にまた出てきたことは、本当に大きいことだと思います。

伏見:グラチャンの大会を終えた時に、ある人と話したんですけど、大会を通してテレビで見ていて、やっぱりブロックが、ミドルブロッカーが、もしくは2メートルを超えている大型選手が当時5人入っていたじゃないですか、日本バレー史上一番と言われるほどの長身揃い。でも試合でどれだけブロックをしたかといわれたら、1試合1本か2本だったと思います。それだと、何のために集めたのかわからないじゃないですか。

 

でも、それは自分でも同じく他人事じゃなくて、自分が出てないけど同じことがいえると思いました。グラチャンを見ていて。それで知り合いには、「だから俺は今年とにかくブロックを強化して、必ず代表に戻ってアピールできるような頑張るわー」とは話はしてたんですよ。それが結果的にその通りにうまくいき、ブロックも昨年に比べて強化できた。この代表でもブロックにこだわってやっていきたいというのはあります。

 

もちろんスパイクも練習していますけど、他のミドルブロッカー、山内も李さんも高橋も高校生の佐藤(駿一郎)とか皆すごい。やっぱり皆高いですし、身長は僕が一番大きいですけど、高さでいったら他の選手の方が全然高いのは事実。だから、同じ土俵で勝負しようとは思わなくて、ここまでブロックにこだわってやってきたから、その延長で、世界に通用するミドルブロッカー、この数年の日本代表にはない、新しい風というか、新しいタイプのミドルを目指せたらいいのかなと思っています。結果がどうであれ、そこにこだわってやっていきたい。皆がスパイク、サイドアウトを極めていこうと思えば、僕はブロックにこだわりたい。一個人の考えとしてはディフェンスが最大のオフェンスだと思っています。

 

――不思議ですよね。バレーって一番手っ取り早く点が取れるのがサーブ、2番目がブロックで、そして3番目がスパイクなのに、スパイクに注目がいって、なぜブロックとサーブを強化しないのかなと常々思います。

伏見:16・17年シーズン優勝した時の東レは、とにかくサーブにフォーカスして、とにかくサーブ。フローターサーブだろうが、ジャンプサーブだろうが、速くて相手の嫌がるサーブを打とうと。結果的に、相手を崩せるじゃないですか、もちろんそれで点が取れるし、崩した後も富松さんとか李さんがブロック良くて、点を取れました。もはやサイドアウトとらなくてもいい。もちろん取った方がいいですけど、1本で切れなくても違うところで補えてるからそんなに負担にならないというか、プレッシャーにもならない。でもグラチャンの時とか、サイドアウトが取れてもブレイクが取れてないから、ちょっと点差が離れるとそのままの点差でずるずるいってましたね。

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事