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インタビュー

2015-03-01 09:00 追加

深津英臣(パナ)インタビュー

全日本とパナソニックの正セッターに聞く

V・プレミアリーグ 男子

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今季注目の選手、今回はパナソニック パンサーズの若き司令塔・深津英臣選手でお送りする。新人の司令塔としてリーグ・黒鷲旗大会を制し、全日本でもメインセッターとして活躍。川村監督からは「丁寧にあげるセッターですね。昨季のチームでの勝利と、全日本に呼ばれてずっとあげていたことで、いい経験になっていると思う」と期待されている深津選手。今年度のこれまでを振り返り、目標とするセッターや佳境に入ったリーグへの意気込みを語ってもらった。

 ―昨年度はユニバーシアードで銅メダル、リーグ優勝、黒鷲で優勝と結果をだし、そして今年度は初めてのシニア全日本で、ワールドリーグではなかなか苦しい戦いになりましたが、アジア大会では銀メダル。シニアで初代表でやってみてどんな収穫がありましたか?

ユニバでメダルを獲得したり、年代別の代表でこれまでプレーしてきましたけど、同じ日本代表でもシニアっていうのは全くちがって、プレッシャーや周りからの結果に対する期待度、結果の求められ方というのが、一味違ったなと感じています。それでもワールドリーグではあれだけ苦しい結果になってしまい、メンバーもかなり変わって、海外遠征をこなしアジア大会までやっていきました。 ワールドリーグからは着実にチームは成長していきましたけが、アジア大会で金メダルを獲れなかった。世界トップレベルのイランチームとはまだまだ差があると感じましたね。

―ワールドリーグで、最後に1勝あげた時は、やはり嬉しかった?

もちろん、それまで1勝も出来なくて本当に苦しかった。チームの雰囲気も負けてばっかりだったので暗かったので、すごく辛かったです。あの1勝というのはとても大きな意味があったのではないかなと感じています。

 ―夏にあった海外遠征の様子を教えてください。

ワールドリーグが終わって、そのあとヨーロッパやブラジルと行った遠征は、本当に自分達がやらないといけないこと、例えばブロックシステムやレシーブシステムにしろ、いろんなものが少しずつ形になってきたなという感じはありました。少しずつですが、チームとして戦えるようになってきたかなと思いました。それまではチームとしての能力はあまりなかったように思います。個々の能力で戦っているだけだった。それで更にフランスやブラジル相手に練習試合で勝つ事で自信をつけることができました。あれだけレベルの高い選手を相手にしていたので、やはりアジア大会では少し余裕ができたと思います。本当に貴重な経験でした。

 

アジア大会イラン戦。身体能力の高さを活かしたジャンプトス

アジア大会イラン戦。身体能力の高さを活かしたジャンプトス

―アジア大会ではいろんな競技が一緒にやる大会ですよね。以前荻野さんが「オリンピックのちっちゃい版だよ」とおっしゃってたのですが、そういう意味で刺激はありましたか?

そうですね、選手村では他競技の選手もいて、その中にはもちろんオリンピックに実際に行っている選手もいます。そういう人達の私生活を学んだり、とてもいい刺激になりました。自分達の試合が終わる前に日本人選手が金メダル獲った種目もいっぱいあって、そういういい意味で刺激ももらえました。日本選手団としてはお互い切磋琢磨できたんじゃないかと思います。

―海外遠征からは石川選手、柳田選手など、深津君より若い選手が全日本に加わりましたが、それについてはどうでしたか。

学生から30歳までいて、自分はシニア初年度で若手なのですが、でも中堅の仕事もしなきゃいけない。難しい立場でしたね。振り返ってみると、そういった面ではまだまだ自分の事で精一杯だったと思います。自分のプレイがしっかりできていてば余裕をもって下を見れたのですが、そういうところをもう少しうまくやっていけたら良かったかなと思います。

 ―石川君は高校の後輩ですよね。前から交流とかありました?

はい、教育実習で教えに行ったので、面識はありましたよ。だから初対面で戸惑うということは全然ありませんでした。そういう点ではよかったですね。

―アジア大会で、インド戦はフルセットまで持ち込まれてかなり際どかったと思いますが、インドは力をつけてきているチームという感触でしたか?

インドは日本が苦手なバレーをしてきたのじゃないかなと思っています。4年前のアジア大会でもインドに負けています。ああいう時間差を多用するのは日本では高校が多いと思います。大学になったら時間差とか少なくなり、オポジットがいて役割があるバレーをしています。Vリーグの中でもあんなに時間差やってくるチームはないと思います。そういう意味ではやりにくかったんじゃないかと思います。

―確かに、時間差って一回り前の時代の戦術だと思うのに、それでむちゃくちゃやられてるなって感じを受けたのですが、それは普段慣れてないからだったんですね。

そうだと思います。普段慣れてないから、どんどん相手のリズムになってしまいました。

 ―大会を通してアウェイ感とかありましたか?

いや、それはあまり感じませんでした。むしろ、バレー人気が少ないなと思いましたね。だって全く観客が入らなかったです。韓国戦でさえ空席がいっぱいあったように思います。女子は凄かったみたいですが、男子はまだまだ人気が無いのかなという感じがありましたね。だからそんなにアウェイ感は感じなかったです。

 

イランの高いブロックに苦しめられた

イランの高いブロックに苦しめられた

―オリンピックに行くにはイランを倒さなければいけないわけですけど、イランはどういうチームと捉えましたか?

個々の能力も確かに差があります。しかし、それ以上に世界相手に最近勝っているので自分に自信を持っているなと思いました。チームとしてもピンチの時にこそひとつになって、また逆転してきたりという感じで本当に個々の能力も高くてかつ、それをさらにチームの力にして戦っているので、経験の差があるなと。彼らは世界を相手に勝っているから、一人一人の気持ちや意識が高く技術の差も大きいなと思いました。

 ―決勝のイラン戦で、1セット目4点差くらいのビハインドをひっくり返して、お、これはいけるかな? と思ったらまた逆転されちゃったんですけど、あそこをとっていればまた違ったんですかね。

そうですね、あの試合はテレビ中継されて、日本にいる方もたくさん見てくださったみたいです。テレビを見た人に、1セット目が勝負だったねとよく言われます。だけど、1セット目獲っていたら、2セット目が獲れていたかというと、それはわからないと思います。1セット目を獲られていたら、イランの方が「ヤバイ」ってなって2セット目からもっと本気でやってきたり、それはわからないですよね。ただ、リードしている試合を勝てないというのは、僕自身の世界での経験不足だなと思うし、あそこでしっかり決められるように、これでひとつ学んだので、獲れるときにしっかり早く獲っておかないと世界相手では通用しないと痛感しました。

 ―この1年、全日本で得られたものと課題を具体的に教えてください。

得られたものは本当に経験ですね。僕も初めてシニアに入ってすごいレベルの差を感じました。ユニバとかも経験しましたけどシニアはもうひとつ、ふたつレベルが高かった。後はシニアになってブラジル遠征も経験し、トップのリーグの人達とも対戦し、そういう意味ではいろんな人達を見て肌で感じてよい経験になりました。ワールドリーグもいろんな所へ行けました。課題としてはまだまだ世界の高いブロックを相手にもっと自分がスペースを作ってトスを上げていかないといけない。ただ自分が思ってるところに上げちゃってるだけなので、スペースを見つけ感じながらやっていけたら良いなと思っています。

―全日本には昔から入りたかった?

バレーボールやってる選手誰もが、将来の夢は全日本と思っているのではないかなと思います。僕もその一人で、バレーボールを小さい頃に始めた頃から、(全日本選手に)なりたいなという気持ちでやっていました。ずっと目標でしたね。

 ―去年、世界のトップ選手であるダンチと、チームメイトとしてやってみてどうでしたか?

得られたことはとてもたくさんありますね。彼はゲームの作り方が上手いなというのがあって、「ここ1点大事」とかしっかり解っているんですよ。押さえるべきところは押さえるんですよね、ちゃんと。それに、相手が嫌な事をどんどんやってこっちのチャンスを広げていったりとか。

 ―嫌なこととは。

サーブだって工夫して、ジャンプサーブを打ったりフローターサーブを打ったり。毎回毎回変えて、打つタイミングも変えたりしていました。チャンスボールを返すのも、ただ返すのではなく、常に相手が嫌な、オポジットのところへ返すことなどを徹底してやっていました。そういう所で学ぶことが多かったですね。

 ―ブラジル人のシーココーチから学んだところは?

シーココーチには、毎日トス練習してもらい、セッターとしての視野が広がりましたね。こういう組み立てもあるんだなあと。そういう意味ではセッターとしての視野と技術が広がりましたね。

―去年は社会人一年目でしたけど、社会人と大学それまでやってきたところの違いとはなんだったでしょうか。

食生活、トレーニング、体作りは変わりました。体については、日本のトップレベル、そして世界を相手にして活躍する為には、体を大きくしないといけない。トレーニングの意識もまたひとつ変わりました。本当にバレボールだけに集中できるので、すごく良い環境でやってる感じがします。

 

アタッカーに指示を出すときの面持ちが宇佐美を彷彿させる

アタッカーに指示を出すときの面持ちが宇佐美を彷彿させる

―目標とするセッターはだれでしょう。

やっぱり宇佐美(大輔)さんを憧れとして、ずっとやっていました。

 -世界だと?

世界では、最近ではイランのセッターとかもすごい上手いと思う。イランの4番のキャプテンのセッター、マルーフです。どんな相手でも余裕を持って冷静にプレイしています。なおかつ攻めのセッターで凄いなと思います。

―深津君は3人兄弟で、全員がプレミアの選手ですよね。お兄さん達と交流はあります?

はい、あります。連絡も取り合ってます。

 ―以前に東海大学でバレーの教則本を作らせてもらったことがあって、一番上のお兄さんとお話したんですけど、彼はバレーマニアだなという印象があって。古いバレーの技とか良く知ってるなと思ったんでけど臣くんも?

え、どんなことですか?

 -大林素子さんの話をしたら、「素子スペシャル-!」「素子ワイド-!」とか言われて、「何でそんな古いこと知ってるの? あなた本当は年齢を偽ってるでしょ?」って。

そうなんですね(笑) いや、僕は古いことは全然しらないです。普通です。すごく普通。

 ―昨シーズンのリーグの決勝と黒鷲旗の決勝で、ネットを挟んで兄弟対決でしたよね。兄弟対決自体はこれまでもありましたけど、司令塔同士で、決勝の場で、というとなかなか珍しいことだったんじゃないかなと思うのですが、意識したりとかしましたか?

特に意識はしてなかったですね。兄弟とは言っても、対戦相手なので、コートに入れば本当にただ対戦相手ですし。うーん…でも、兄弟だからなおさら、絶対に負けたくないというのはあったかもしれません。そういう意味ではお互い良い刺激になりました。

 ―2回とも臣君のチームが勝ちましたが、そのことについて話したりしましたか。

いや、全然それについては話してないです。連絡はとりますけど、そういうことは話さないですね。

 ―ミドルの使用本数についてお聞きしたいのですが、決勝のパナソニックとJTはいずれもミドルの攻撃本数がすごく少ないチームですよね。でも、世界のトップレベルでは、ミドルがそんなに極端に少ないバレーではない。先ほどあげていただいたイランのセッターもミドルを多用するセッターですし。そのことについてはどう考えていますか。

相手が強い=ミドルが強いので。相手が2mのミドルのところにわざわざ上げる必要もないと思います。でも(ミドルの攻撃も)見せないと、ブロックも散らばらせないじゃないですか。だから、うまくポイントポイントで使っていけば、(ミドルについても相手に)印象付けられるかな、ぐらいに考えていますね。

 ―去年は「宇佐美から深津へ変わって弱くなった」と言われないように頑張ったと聞いていますが、優勝してその目標は達せられましたよね。今季はどうですか。

リーグでも黒鷲旗でも王者になったチームとして相手は潰しにくると思うので、相手より強い気持ちじゃないといけないなと思います。相手はパナソニックには絶対に負けたくない、必ず倒したいという気持ちで挑んでくると思うので、その気持ちに負けないようにすれば良いかなと思います。

 ―自分はどんなセッターと思いますか。

結構繊細なんじゃないかと思います。それが良い部分に行くとこもあるし、悪い部分で言えば逆に考えすぎちゃってダメになるパターンになることもあると思います。良い意味でも悪い意味でも繊細過ぎるのかな。もうすこし自由にというか、自分らしくやれたらいいなと思います。

―どんなセッターになるのが理想ですか?

居るだけで周りの選手が落ち着くというか、安心してプレイ出来るような存在感のあるセッターになれたらいいかなと思います。

-本日はありがとうございました。

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聞き手:中西美雁
写真:坂本清 上井竜
編集補助:横幕祐美

深津英臣
所属       パナソニック・パンサーズ
ポジション              セッター
生年月日              1990年6月1日(24歳)
出身       星城高校→東海大学
身長       180cm
体重       70kg
指高       230cm
スパイク  325cm

 
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