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バレーボールマガジン>インタビュー>越境バレーボーラー 古賀太一郎inフィンランド「目標はオリンピックでプレーして活躍すること」

インタビュー

2016-03-09 18:21 追加

越境バレーボーラー 古賀太一郎inフィンランド「目標はオリンピックでプレーして活躍すること」

Others / SV男子

――先ほど、自分の目標があってとおっしゃっていましたが、それを聞かせてもらうことはできますか?

目標はオリンピックでプレーして活躍することなんですけど、2年前は合成で兄貴を結局ずっと抜けずにベンチにいてっていう感じで…。リベロはプレー歴も長いですし、何歳まであいつができるかは知らないですけど、まぁでも体弱い方じゃないので。プレーできるまで、あいつもそこに恩は使わないでしょうし、そこに恩を借りるつもりもないですし、そこのギャップでチャレンジしたって感じですかね。

――お兄さんにはいつ話をされたのですか?

自分らはバレーボールに関して関与しないんで、プライベートは家族で食事行ったりだとかはするんですけど、そこでバレーの話ってはならないんですね。

――相談したりはしなかったのですか?

それはもうGOING MY WAYですよ(笑)。

――この挑戦を知ってお兄さんはどういう反応でしたか?

どうなんですかね。若いときはあいつも海外行きたかったみたいなんで、立場上、いろいろ言わないんで聞いてないです、思っていたことはあるかもしれないですけど。

――天皇杯での豊田合成の優勝はネットなどで見られましたか?

ちょうどこっちクリスマス休みがあって、日本に帰ってたんですよ。で、土曜日の準決勝東レ戦まで日本にいて、日曜日フライトだったので、決勝はインターネットで結果だけ見ました。

――どう思われましたか?

優勝は自分の感覚的には特別驚きはなく、アンディッシュ監督のもとハードワーク積んでコンセプトに乗ってやっていくとそういう結果がおのずと出てくる確信っていうか、つかみはあったんで、日本にいるときから。なので、いずれできるだろうと。それが、天皇杯だったわけで。なので驚きはないです。

――喜びと悔しさだとどちらが強いですか?

合成を優勝に導くっていう目標があったりしたら話は違ったのかもしれないですけど、今、自分がやるべきこととまた違ったところの結果だったんで、これが全日本がどうこう、永野さんがどうこう、兄貴がどうこうってなると感じることは違ってくると思うんですけど、チームが優勝したってなると嬉しいですね。

――フィンランドのテレビの放送で解説者が古賀選手のバックトスからの攻撃を絶賛しているのを見ましたが、手応えは感じていますか?

監督と英語でコミュニケーション チーム内公用語英語でのやり取りは問題ないという古賀選手

監督と英語でコミュニケーション
チーム内公用語英語でのやり取りは問題ないという古賀選手

日本のリベロはレベルが高いと思うんですよ。自分もこっち来てそう思いますし。タイミングとハードワーク積むだけですかね。監督が誰をセレクトするかは自分らが関われる問題じゃないんで、自分はこういうプレーできます、こういう経験積みましたっていう、できることは最大限やります。あとはもう、神のみぞ知る。日本はどこのチームもいいリベロがいると思います。海外と比べても思うんで。

――海外からオファーが来たりという話ですが、古賀選手の評価は高いようですね。

自分は日本で全くプレーしていないほとんど評価されてない中でこっちでプレーして、監督からこういうチームからもオファーがあった、それこそフランスだったりするんですけど、自分としては全く実感わかないわけじゃないですか、急にコロッと。フィンランドリーグはヨーロッパの中でメジャーなリーグではないんで驚きはありますけど、そうやって評価されてるってことは、日本のリベロっていうのは高い位置を水準を保ってるんだなと思います。現にプレーしてても思いますし。

――自分だけじゃなく日本全体が?

そうですね。

――出てきてよかったと思いますか?

ポストカード。1枚1ユーロ

ポストカード。1枚1ユーロ

出てきてよかったなぁと思いますね、ヨーロッパは市場がリアルタイムで動いているじゃないですか。例えばいいプレーをしたら評価されてオファーが来たり、リーグ中でもチーム間の移籍とかありますし、それこそ、フィンランドリーグの3位くらいのチームの監督がおととい解雇されて。そのチームは結構そういうのをシビアにやっているみたいですけど、そういうシビアな市場でやっていると、おのずとハングリー精神だったりプロ意識だったりっていうのは身に着けないとふるい落とされる。そういう面では日本では考えにくい市場じゃないですか。シーズン途中に移籍とか、どこのチームがオファーをかけるだとかっていうのは。

­――他の選手にも勧めたいですか?

今回、こういう企業スポーツの枠内で海外に挑戦させてもらっているわけなんですけど、これを機会に自分のプレーの幅が増えていったり、チャンスを広げることを示せると思うんです。自分なんてノンキャリアのまま来てる、Vリーグで全然プレーしてないし。

勝手に自分に使命感を植え付けているんですけど、これを機会にこうやってステップアップできた、これを機会にここでプレーできた、っていうのを示すことによって、チャンスを手にする人が多く出てきて、いろんな方向からナショナルチームなど目指せるんじゃないかなと思います。ただ、自分の使命は結果を出さないと、一年海外でやりましたっていうだけだと何も残らないですし。

――フィンランドカップで優勝して、オファーが来て、ステップアップしているように思えますが。

今回、日本の方からメディアが来るって聞いて、自分としてはシーズン終了後の予定(取材されるのが)だったんです。

今年は無名の選手が挑戦しました、で終わる予定だったんです。今年絶対結果を出して、シーズン終了後にメディアに取り上げてもらってこの意味を示したいなと思っていたんですけど、まぁ、早いのに越したことはないです。こういう風に取り上げてもらえるっていうので身が引き締まります。勝手に自分に使命を課せてステップアップしていきたいですね。

――最後に合成のメンバーにメッセージを。

自分のエゴで行動させてもらっているので、会社が先験的な目をもっていないとチャレンジさせてもらえなかっただろうし、それこそキャリアがある選手が行くのとはわけが違う状況でこういう経験させてもらって、本当に会社には感謝しています。チームメイトも行くとなったら後押ししてくれて、たまーに連絡もしてくれたりして。今年合成が結果出しているのでそれを励みにしています。自分は日本に残った方がよかったんじゃないかなっていうのは思いたくないのでそれを励みに、お互いそうやって切磋琢磨できる関係が築けていると自分としては思っています。豊田合成も大事な時期になるんで、お互い頑張っていきたいと思います。

――ファンの方にもメッセージをお願いします。

いるんですかね…(笑)。まだ芽は出てきてないですけど…自分は自分の道でしっかり結果出して、あとは日ごろの行いをよくして(笑)、バレーボールに打ち込んでこれからも精進していきたいと思います。

­――最後に言い残したことがあれば

海外に行くってなった時に子供が小っちゃかったんですけど、そこでしっかり嫁が後押ししてくれたんです。自分は迷ってなかったんですけど、嫁の建前上、迷ってるふりしないといけないじゃないですか(笑)。嫁は先の話をすると、そんなチャンスがあるんだったら行った方がいいんじゃないかっていう風に後押ししてくれたので、本当、家族に感謝してますね。

 

2016年2月18日インタビュー

聞き手:宮﨑治美

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