2009-03-24 20:03 追加
2008/09 V・チャレンジリーグ男子「最終戦」inつくば(2009/03/20-22)
V男子
いざ「最終決戦」
V・チャレンジリーグの各試合では、スターティングメンバーがサイン入りの赤いボールを観客席に投げ入れるのが通常となっている。他、チームによってはチームグッズ等も併せて投げ入れられることがあるが、こちらを投げ入れるのはスタメンには限らない。
これらボールやグッズは事前にチームスタッフから対象選手へ配られるため、誰が赤いボールを持っているか、つまり誰がスタメンで出場するか、というのは、試合開始前に大体判別できる。それを避けたのかどうか、つくばのスタメン選手のうちひとりは、通常チームグッズとして投げられる、パートナー・GALLERY2の青いタオルにくるまれたボールを受け取っていた。
その「青い」ボールを投げ込んだのは、前日負傷し、本日出場できるか微妙と報じられた和井田。試合開始前に、ちょっとした心理戦を垣間見た。
第1セット、両チームのスターティングメンバーは下記の通り(両チームサーブ順)。
FC東京:6山内隆宏(S)→17橋場正裕(WS)→18山本雄史(MB)→12阿部篤史(OP)→9伊東克明(WS)→8大庭健裕(MB)(リベロ:3福田誉)
つくば:7岩田岳大(S)→6大木貴之(WS)→1菊池孝一(MB)→21和井田剛史(OP)→19阿部友幸(WS)→5石川健(MB)(リベロ:17久田利彦)
第1セット序盤、つくばは石川、和井田のブロックや菊池のサービスエース等で、一気に7-3とリードする。8-4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えるが、その後伊東の技ありなノータッチエース等でたちまち8-8とFC東京が追いつく。その後サイドアウトの応酬で中盤まで推移するが、レギュラーラウンド時に苦戦した山本雄の速攻に落ち着いて対応したつくばが、好調を維持している和井田や大木の活躍で徐々にリードする。FC東京は橋場、阿部以外に見せ場が少なく、僅差をなかなか詰め切れず、まずはつくばが1セット先取した。
第2セットは両チームメンバー変更無し。つくばはサーバー石川からスタート、FC東京はサーブ順含め第1セットと同じ。
FC東京・橋場が実に綺麗に効き始める。橋場は179cmと小柄で豊富なジャンプ力が魅力のアタッカーであるが、セッター山内の巧みなトスワークにより、ブロックの枚数が少ない状態で鮮やかに切れ込みはじめる。FC東京が8-5とリードして1回目のテクニカルタイムアウト。再開直後に山内のブロック、橋場のスパイクや和井田を2本止めたブロックなどで一気に13-7とリードを広げた。このとき、和井田が昨日と反対側の足を痛め、2上場雄也と交代した。
FC東京が最大7点のリードを奪ったが、18-11からつくばが阿部のサービスエース、上場、菊池の連続ブロックなどで、22-21と1点差まで迫った。しかし、菊池のサーブミスの後、大木のスパイクを大庭がブロックしてたちまちセットポイントへ。大木も橋場と同じくらいの身長(180cm)でジャンプ力豊富な選手であるが、きょうは橋場と異なり、常に3枚弱ブロックがつく状態で本来の機動力が封じ込められていた。最後はFC東京・阿部が決めて、FC東京がセットを1つ取り返した。
第3セット、つくばはアタッカーを入れ替えた。スクランブル布陣である。痛めた足をサポーターで固定し、和井田が大木に代わって再びコートに戻ったとともに、サーブ順を1ローテ分ずらした。FC東京はサーブ順含め変更無し。
つくば:21和井田剛史(WS)→1菊池孝一(MB)→2上場雄也(OP)→19阿部友幸(WS)→5石川健(MB)→7岩田岳大(S)(リベロ:17久田利彦)
このセットは序盤から終盤にかかるところまでサイドアウトの応酬で、2回のテクニカルタイムアウトはいずれも1点差であった。しかし、つくば19-18からFC東京が一気に6連続得点で一気にセットポイントを握った。サーバー阿部は徹底的にサーブをつくばのレセプションの要・阿部に集め、揺さぶった。その揺さぶりからつくばのリズムが乱れ、ミスに繋がった。最後はFC東京・阿部のバックアタックで、FC東京がセットカウントを2-1とした。
この時点でFC東京が(順位はともかく)チャレンジマッチ出場決定第1号と決まった。何としても逆転優勝に望みをつなぎたいつくばと、チャレンジマッチ出場を信じて見守る富士通と、そのまま勝利へ突き進みたいFC東京……それぞれの想いが交錯しつつ、第4セットが始まった。
第4セット、つくばは第3セットと同じメンバー、サーバー岩田からスタート。FC東京はサーブ順含め変更無し。
山内のブロックでFC東京が先制してスタートしたセットだったが、序盤から中盤にかけて、つくばは菊池、石川、阿部等へ上手く散らして幅の広い攻撃が繰り広げられ、逆にFC東京にミスが出始めて徐々にリードを広げた。2回目のテクニカルタイムアウト時点で3点のリードを奪ったつくばが、フルセット突入に向けて望みを繋ぎつつあった。
つくばは20-14と6点リードの時点で、阿部に代えて大木をワンポイントブロッカー(?)として投入。これまでも、阿部にワンポイントブロッカーを出す局面は少なからずあったのだが……
このワンポイントブロッカーが不発に終わった直後、FC東京の逆襲が始まった。すかさず投入されたピンチサーバー16野中信也が功を奏し、5連続得点でたちまち1点差まで追い上げた。その間、つくばは2回タイムアウトを遣ったが、流れを引き戻すことはできなかった。つくば23-22からFC東京は阿部のバックからの攻撃で同点に追いつき、さらに和井田のスパイクがアウトとなりマッチポイント。最後は、FC東京がブロックで試合を決めた。
この瞬間、FC東京の優勝が決定し、つくばユナイテッドSun GAIAのチャレンジマッチ出場への望みは絶たれた。
FC東京 3-1 つくばユナイテッドSun GAIA
優勝を決めたFC東京・阿部はその瞬間から号泣していた。その後橋場と共にヒーローインタビューに立ったが、第一声が「何にもいえねぇー」であった。インタビュアーの「3度目の正直はありますか?」という問いに対して、「あります」と力強く答えていた。昨年のチャレンジマッチで最も気を吐いた橋場も「今年こそ絶対勝ちます!」ときっぱりと言い放った。
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コメント
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山田太郎 [Website] 2012.04.20 13:00
[VBall]ここではないどこかで書いたよ、のおしらせ
最近ご縁と思うところがあって、年が明けるちょっと前からmkrさんのところをいろいろ手伝っているのだが、この度リニューアルオープンした(…WordPressは日々微調整中)バレーボール…