2019-01-04 11:37 追加
JT天皇杯Vの立役者・エドガー「アメージングな気持ち」一時は引退も頭によぎったJT安永「家族、チームメイトに感謝」
天皇杯決勝関連コラム
V1リーグ 男子
バレーボール全日本選手権(天皇杯)男子決勝は12月23日、JTサンダーズが3−0(26−24、25−22、25−23)で東レアローズに勝利し、4年ぶり3度目の優勝を決めた。今大会3試合全てストレート勝ちという完全勝利だった。そのJTで、今大会のMVPといっても良い活躍ぶりだったがのが、エドガー・トーマス(オーストラリア代表)だろう。最高到達点360センチから繰り出されるパワフルなアタックで、準々決勝のサントリーサンバーズ、準決勝の豊田合成トレフェルサと次々と強敵を粉砕していった。
エドガーがライト側から打ち下ろしたスパイクは、確かに東レのブロックをかすってコート外に出たように見えたし、主審もそうジャッジした。しかし、東レの小林監督は最後の抵抗、駄目元でチャレンジを実行。空振りに終わった1度目の歓喜から約2分、会場に設置されている画面にブロッカーがエドガーの打ったボールに触れていることが表示された。その瞬間、チームメイトたちは2度目の歓喜を爆発させ、エドガーは全身で喜びを表現した。
チームメイトから“トム”の愛称で呼ばれるエドガーは「とてもアメージングな気持ち。私にとって初めてチャンピオンを獲得した。チームはスペシャルで、この2シーズン、チームワーク、仲間たち、クラブ、スタッフ、皆一緒になってハードにのぞんできた。この大会で偉大な結果を得ることができたよ」と喜んだ。
JT1年目だった昨シーズン、徐々にチームにフィットしてくると、リーグが終盤戦に差し掛かったころにには無双状態。トスがエドガーに上がることがわかっていても、相手ブロッカーたちは止められない。試合が競っている時、あと1点で敗れる時のエドガーの力強さは半端なかった。しかし、昨シーズン終了後のオフシーズンに、膝にメスを入れた。リーグ戦には間に合ったが、パワーこそ変わらないもののスパイクをコート外にふかしてしまったり、サーブもジャンプサーブを選択せずにジャンプフローターサーブを打つなど、天皇杯に入る前まではまだ100%とは見えなかった。
エドガーは「(手術したこともあって)まだ膝が心地よい状態ではなかったので、アグレッシブなジャンプサーブを時に打たずに(リーグ戦では)ジャンプフローターを打った。それにチームには、リービン(劉力賓)やショーヘイ(山本将平)といった良いジャンプサーバーもいるし、深津、小野寺、安永といった選手もいるからね」と振りかえり、「天皇杯では確かにフィットネスがより良くなった」とスパイクや強烈なジャンプサーブを何十本も相手コートに突き刺し、天皇杯の戴冠となった。
精神的なリフレッシュも大きい。12月には両親が来日し、徳島大会や大阪大会(枚方市)を観戦、両親だけでなく従姉妹や従姉妹の娘も観戦し、日本での交流を楽しんだ。すでに帰国しているが「今日は(オーストラリアの)自宅でライブストリームを見ていてくれていて、ハッピーだよ」と笑った。
天皇杯決勝から約二週間空けて、リーグが再開する。「短い期間だけどメンタルブレイクしてリフレッシュして、我々は真のチャンピオンを目指すべく、リーグに臨むよ。天皇杯優勝しても、今のことを続けて、1月にある我々のホームゲーム、重要な試合の広島大会で頑張るよ。あのスタジアムは、私が思うに日本でも最高のスタジアムだから」
エドガーの復活を思わせた天皇杯優勝だったが、リーグ戦でも脅威の存在となりそうだ。
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