2026-07-14 07:00 追加
アルゼンチン Sデ・セッコに頼り過ぎないチームを
アルゼンチン・ヴィセンティン&パロンスキーコメント
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強気のトスでチームを引っ張るサンチェス(写真:Volleyball World)
オラシオ・ディレオ新監督を迎えたバレーボール男子アルゼンチン代表は、第1週は4連敗と苦しい船出になった。2週目は2勝2敗としたが、18チーム中15位と出遅れている。第1週はキャプテンのMBロセルが休養を取り、第2週はディレオ監督があらかじめ予定されていた手術があり、コーチが監督代行を務めた。そして第3週はSデ・セッコがメンバー外と発表になった。第2週の後、アルゼンチンはイタリアで練習していたが、その後、デ・セッコはアルゼンチン国内でトレーニングすることが予定されており、長期にわたる遠征や日本への遠距離移動の疲労を避けたのではないかと思われる。
第1週は4敗となったが、ベテラン勢に頼り過ぎないチーム作りを目指しているのは明らかだ。まずは、Sサンチェスを多用。175㎝と上背はないが、ミドルを臆せずに使う事で、相手のブロックを引き付け、両サイドへ振ってくる。ブロッカーを散らせるのが上手い。昨年のネーションズリーグでも、デ・セッコの不在を埋め、経験は十分。OPゴメス、OHアルモアの23歳コンビの両サイドにも注目したい。どちらも高さで押してくる選手ではなく、キレが持ち味だ。
第1、2週とも色々なスタメンを試しているので、まだこれがベストのスタメンという固定には至っていない。アルゼンチンにとっては、五輪の出場権がかかる9月の南米選手権がほぼブラジルとの一騎打ちになるので、そこに向けてメンバー全体の底上げを図っている狙いがあるのだろう。
日本でSVリーグを経験したヴィセンティンとパロンスキーに試合や日本の事などを聞いてみた。
■SVリーグのレギュラーラウンドの長さをどう思う?
●OHヴィセンティン 25/26シーズンより東京グレートベアーズ所属

左からOHヴィセンティン、MBセルバ、期待のOHアルモア。連敗はこたえるが、練習あるのみと前向きな3人(写真:筆者)
――第1週は、ちょっと厳しい出だしですが……。
ヴィセンティン:勝つに越したことはありませんが、負けることもプロセスのひとつなので、これからもっと上げていくだけです。詰めの部分でまだまだな点もありますが、全体的に悪いとは思っていません。
――日本でワンシーズン過ごして、いかがでしたか。
ヴィセンティン:最高だったよ。ゲームも素晴らしかったし、新しい環境で満足できました。今まで知らなかった選手と対戦して、様々な状況に対応する力がついたと思います。ファンの方もすごく温かく迎えてくれて、たくさんプレゼントを頂きました。マテ茶まで頂いたのには、びっくりしました。皆さん、選手の個人の好みまでしっかり把握してるんですね。感謝してます。アリガトウ。
●OHパロンスキー 24/25シーズンを日本製鉄堺ブレーザーズで出場。26/27シーズンは、サントリーサンバーズ大阪で、SVリーグに復帰する。

ブラジルのブロックを抜くOHパロンスキー(写真:Volleyball World)
――日本のリーグの経験はいかがでしたか。
パロンスキー:1シーズン日本のリーグを経験したことで、色々な知識を得ました。それがこれから日本と対戦するうえで、役に立つと思います。何事もあきらめない姿勢からも、学んだことが多かったと思います。
――日本のリーグの良い点、悪い点など印象を聞かせて下さい。。
パロンスキー:ちょっと長かったですね。次はチームも増えるそうですし、どうなるんだろう。試合の数は今より10、15位減ってもいいと思います。外国人の枠が3に増えることは、試合のボリュームが上がると思います。チームによっては、プロではない選手がいるのは、ちょっと不思議な気がしました。アルゼンチンでもバレーは人気があって、ファンの応援はすごいですが、日本のファンは、負けが込んでいる時も体育館に来て応援してくれて、すごく力になりました。
――日本のファンにメッセージをお願いします。第3週の日本戦はどう戦いたいですか。
パロンスキー:えー、チョットマッテ。あれ、日本語が出てこない……、忘れちゃったよ。いつもチームや選手の事を応援してくれてありがとうございます。今度は、アルゼンチンチームで行きますが、お会いするのを楽しみにしています。最終日、日曜日だから、ファンの方がたくさん来て下さると嬉しいです。今度はアルゼンチンが勝たなきゃね。ここのところ負けが続いているから。もっとチームを良い状態に持って行って、日本に行きたいです。
●ブラジル、OHルカレリ(ジェイテクトSTINGS愛知に2シーズン所属)にも日本のリーグについて聞いてみました。
ルカレリ:日本人のお互いにリスペクトし合う姿勢が、すごく印象的でした。リーグについては、ちょっとレギュラーラウンドが長いですが、相手チームをじっくり観察して対策ができるという点では、良かったと思います。その分、決勝ラウンドがあっさりしているので、それはそれでありかな。
■番外編:W杯中のブラジル
現在、アメリカで開催中のサッカーW杯。バレーの選手たちにとっても、気になる所です。第1週ブラジル大会の会場で監督や選手、報道陣に優勝予想を聞いてみたところ、自国以外はフランスという答えが多かったです。長年オランダの監督を務めて現在イランのピアッツァ監督は、サッカーが嫌いとのことですが、「日本の初戦がオランダなのは知ってるよ。オランダの方がちょっと分があるかな?」とおっしゃっていましたが、結果は2―2引き分けでした。
ブラジルでは、サッカーW杯は国を挙げて応援します。日本対ブラジルはブラジル時間午後2時からだったのですが、学校は午前中で終わり、通常午前10時から午後4時まで営業の銀行は、午前9時から正午までに変更。飲食店以外のスーパーや商店、ショッピングセンターは試合の1時間前に店じまい、会社も試合中は臨時休憩などなど。「自分も応援したいし、店を開けてもどうせ客は来ない」ということなのです。レストランやバール、自宅で家族、親戚、友人らで集まって、万全の応援態勢で臨みます。勝っても負けても翌日は、選手個々の厳しい採点がニュースを賑わせます。国を背負って戦うとはこういう事なんだな、とひしひし感じます。さて、優勝の行方はどうなりますか?

TV観戦とはいかないバスの運転手。ミラーに小旗を飾り、手元には大きな国旗を用意。点が入れば窓から振り回します。鳴り物を吹きまくる運転手もいます(写真:筆者)
取材: 唐木田 真里子
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