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コラム

2019-02-08 20:57 追加

“リンクマン”興梠が見せたコミュニケーション術 チームに一体感をもたらす~ジェイテクトの守護神~

“リンクマン”ジェイテクト・興梠が見せたコミュニケーション術

V1リーグ 男子

 バレーボール男子V1リーグのジェイテクトスティングスは2月3日、大阪の堺市金岡公園体育館で東レアローズを3-0(25-19、25-21、25-21)に勝利した。前日2日の堺ブレイザーズ戦では、コート内の雰囲気が最悪だった。悪い流れを断ち切れたのは、チーム内の積極的なコミュニケーションだった。西田有志、ブラトエフ・ヴァレンティンの活躍の裏で、キャプテンの浅野博亮、そして36歳の金丸晃大、35歳の興梠亮のベテラン組が“縁の下の力持ち”としてチームの勝利を支えた。また、コート外でも中根聡太や郡浩也といった新人組が盛り上げていた。

 2日の堺戦、完全に悪循環に陥った。ミスが続き、また、思うようにスパイクが決まらない苛立ちを見せるブラトエフや西田が、声をかけてくれる仲間たちの方へ目もくれない、コート内の仲間たちの輪にもほとんど加わらない。そんな状況では勝てるはずもなく、あっさりと堺に敗れた。試合後、浅野はキャプテンとして選手間ミーティングを開き、もう一度目標を設定して、やるべき役割を意識させなおした。これが功を奏し、3日の東レ戦では見違えるようにコート内の動きが変わった。

 ただ、そこで見逃せなかったのが、チームの守護神、興梠のさりげない行動だ。東レ戦でも、ブラトエフは気合いが入りまくったのか、スパイクを決めても、サービスエースを決めて、喜びの輪に加わらず、自分の世界に入っていた。近寄りがたいオーラも醸し出していた中、興梠は積極的に近づき、一人仲間の輪から離れるブラトエフに何度も声をかけていた。興梠が何度も辛抱強く声をかけ続けることで、ブラトエフも第2セット途中から仲間の輪に加わって歓喜を分かち合うようになり、サーブミスをした西田にブラトエフから声をかけるなどと変わっていった。

 興梠は「昨日はやっぱり雰囲気的に良くなかったし、声かけてもなかなか帰ってこない、なかなか聞いてくれていないという部分もあった。だから今日は、昨日以上にやらないといけないと、チームとしても自分でもやらないといけないと思った。雰囲気作りを心がけて、一人一人選手をしっかり盛り上げていこうかなと思っていて、今日は話しかけてくるし、会話もできていたので、良かった」と振り返った。
 また、ブラトエフに積極的に声にかけていたことに関しては「(サービス)エースを決めたりした時に、ブラトエフは結構さーっと後ろに行っちゃう。ちょっとでも気楽にやってもらえればいいかなと思うので、いつも力が入ってミスになったりしてしまうので、少しでも(緩和してあげるよう)声をかけてやりました。いつも以上に」と笑いながら答えた。興梠が選手たちの間に入り“リンクマン”としてコミュニケーションを円滑にしたのが、プレー以上に大きかったように見えた。

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