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2019-03-05 23:48 追加

嶋岡Vリーグ機構会長に聞く 新リーグここまでを振り返って

嶋岡健治会長コメント

SV女子 / SV男子 / V女子 / V男子

スポーツビジネス産業展が2月27日から3月1日まで千葉県の幕張メッセで開かれた。嶋岡健治Vリーグ機構会長は2月28日に、Jリーグの村井満チェアマンとBリーグの大河正明チェアマンと共にシンポジウム「『Jリーグ、Bリーグ、Vリーグ チェアマン対談』躍進する3リーグのトップが語るスポーツビジネスの展望~集客、エンタメ性の向上、会場、グッズに対する施策とは~」に出席した。シンポジウム終了後、嶋岡会長は、Vリーグのプレーオフである「ファイナル6」「ファイナル8」などのスケジュールが、公式ホームページで更新されなかったことを陳謝した。シンポジウムの感想、“新生”Vリーグに対する感想なども合わせて聞いた。以下、一問一答。

――シンポジウムに参加しての感想をお聞かせください。

嶋岡会長:プロというか、リーグを先行しているJ(リーグ)とB(リーグ)ですから。ある意味参考になる話が十分ありました。少しずつでも近づいていけなければならない。特にチケッティング(チケットの購買)のところがね、ある意味で形がもう向こうはできている。我々も準備はしているけど、少しでも取り入れていけたらと思う。

――Vリーグレギュラーラウンドが終了しました。先日も奈良大会に来られていましたが、どういう風に新リーグを評価されていますか?

嶋岡:良いところと悪いところがかなり二極化しちゃっている。本当によく頑張ってやってくれているところと、そうでないところがちょっと出てきている。その辺のレベルを合わせていけるようにしていかなければない。何が問題でできてないのか、何がうまくいってでてきているのか、皆で共有して、少しでも来シーズン良くなるようにしていきたい。

――開幕直後、嶋岡会長に同じ質問をぶつけさせていただいたのですが、もう少しリーグ機構として主導してやっていったほうがよいのでは、と。レギュラーラウンドが終了して、改めて、どうすべきかとお考えでしょうか?

嶋岡:我々しか持ち得ない情報というのがいっぱいある。例えば、こういうチームではこういう形である。こっちのチームではできてない。そういうのを、どう広げていくのかが、我々のひとつのポイントであると思います。そういうのを良いものをやっぱりチームで共有しながら、レベルを合わせていくというのは我々がやらなければならない。もう一つは、大会の主運営はチームに任せているけど、やはりこういうところは足らないんじゃないのと言いながら、レベルを上げていくのが必要かなと思います。

――具体的なサポートというのは、今後リーグ機構は考えているのでしょうか?

嶋岡:金銭面というのはなかなか難しい面はありますけど、やはり地域とどう連携するのかという時に我々が出ていくことが必要なところはどんどん出ていくようにしていきます。

――今シーズン、各地域の試合を見ていて、結局は地方協会頼みの運営になっているように感じました。

嶋岡:自分たちでやっているところも結構あるんですけどね。ただ、なかなか慣れてないがために、そういうところは協会にお願いするというところもある、というのは事実。認識しています。ただ、主体はやはりチームですよね。いろんなイベントだとか、試合に入るところでの際には、自分たちがやっぱりやるんですねと。ただ、運営というのはどうしても協会の人間しかできない部分はある。審判、ラインズマン、ジュリーですとか。それは協会にお願いするというのは最初から計算づくです。全部、それを自分たちできるわけではないので。ただ、イベントだとか、ホームゲームのいろんなところとかは、チームがやるということで、そこは今までよりはだいぶできていると思います。ただ、そこをどのくらいの(質の)高さを求めるかというのはある。

――Jリーグの村井満チェアマン、Bリーグの大河正明チェアマンのプレゼンテーションや話で参考になったことはありましたか? Vリーグにないと感じた部分など。

嶋岡:我々がアプリだとか、そういうのを使って、皆さんに共有して使ってもらうといのはまだできていない。我々はツールとして持っている。各チームさん必要であれば使ってください。というやり方になっている。各チームさんの事情で、これはいいね、と少しずつ使ってもらっているけど、まだ全部に浸透していない。一番の我々の工夫がまだ必要じゃないかなと思う。やっぱりチームで困っているのは、今まで入場券を自分で売ったことがない。そこのツールをうまく使ってもらう。これを使ってもらえばこういうことになりますというのを発信していけないと思います。

――今、アプリに関連して思い出しましたが、ファイナル6のスケジュールを更新が遅れて話題になっていましたが?

嶋岡:それは申し訳なかったです。そういうことを含めて、我々は今回リーグの中で、スケジュールの問題、地方協会にもチームにも迷惑をかけた。これは大きな反省としてあります。(*編注:レギュラーラウンドが終了したにも関わらず、Vリーグの公式ホームページでプレーオフ以降の正式な大会スケジュールが更新されておらず、ファンだけでなく、選手たちもSNSなどで「スケジュールはどこで見られる?」という声が上がっていた)

――機構内で共有して話し合いなどをされているのでしょうか?

嶋岡:もちろんしています。こういうことが二度と起きないように、決めるべきことを早めに決めていって、チームに周知を徹底して、こういう場所でちゃんとスケジュールを共有するということはやっていかない。試合の組み合わせ等々を含めて、我々が一番やらないといけないこと。今回本当に申し訳なかった。

Vリーグ機構はもっと主導的に動くべき

Vリーグは今シーズンより開催権を各都道府県のバレーボール協会を各チームが持つことになり、より自由度が高い大会運営ができるようにはなった。だが、観客を呼ぶため、盛り上げるため、スムーズな大会運営、といったノウハウを持っているチームは多くはない。それにも関わらず、リーグ機構としてのサポートは、記者が見聞きした男子大会の範囲だが、ほとんどなかったように思われる。各チーム独自に他競技のリーグのチーム関係者に相談はしているだろうが、まず機構が主導してアナウンスすべきと感じた。

各チーム自前、もしくは業務委託で運営サポート会社を利用しながら、手探りで運営を行なっている大会もあり、素晴らしい雰囲気となっているところもある。一方で、結局は例年通り、各都道府県のバレーボール協会に大きく助けてもらっているところが多いのも事実だ。嶋岡会長の言う、審判やラインズマン等の派遣は別にして、大会運営そのもののスタッフ、会見を手伝ってくれる方、受付、(業者スタッフも入っているが)コート設営の手伝ってくれる方、多くの協会関係者(高校・大学のバレー部員の動員を含めて)が、休日返上のボランティアだ。多いところでは数十人以上が手伝っていた。地方協会にかなりの負担が掛かっていることを機構はもっと真剣に考えるべきだろう。

取材・文:大塚淳史

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