2019-03-22 00:39 追加
日立・窪田美侑「NECの廣瀬選手のサーブに対応できなかった」 NEC・島村春世「自分自身のサーブを見つめ直す機会になった試合だった」
SV女子
■NECレッドロケッツ
●金子隆行監督
今日は昨日の敗戦から絶対に落とせないゲームには変わりなかったのですが、選手自身も硬いプレーが多かったかなと感じています。3セット目から廣瀬が入って、サーブでチームに勢いを与えてくれて、自然とうちのペースになったのかなと思います。あのように起爆剤となれるプレーヤーというのは、これから大きな存在を出してくれるんだろうなと思ったゲームでした。
――1、2セット目は硬さが見られたと思いますが、監督自身はどのように感じましたか?
金子:昨日のミーティングでも、負けが込んでいるけど、絶対に負けたくないという気持ちを出して頑張っていこうという話をしましたが、逆にそれが力みにつながったかなという印象があり、僕が選手を自由にやらせてあげたほうが、もっとのびのびプレーできたのかなと思います。先ほども言ったように3セット目からは廣瀬のジャンプサーブをきっかけに自然体に戻れたのかなと。
1、2セット目は日立さんの速い攻撃への対応がなかなかできなかったので、その辺は我慢しようと思ったのですが、いい勉強になったなというゲームでした。
――セット間に選手たちに何か話はされましたか?
金子:僕が言わなくても選手たちですべきことを話せる状況になっていますし、成長につながっていると思います。僕はそこまで口出しする監督ではないですが、選手たちが自分で考えて何をすべきかということを理解してくれていますし、コーチ陣が戦術の部分を声をかけてくれたりするので、いいチームになってきつつあるのかなとは思っています。
――金子監督は深谷高校のご出身でもあり、レギュラーラウンドの深谷大会でも、この会場(深谷市総合体育館)は思い出が多い体育館だとおっしゃられていました。この2日間はどんな思い出になりましたか?
金子:高校1、2年生の時はここでは一度も負けたことがなかったのに、僕が上級生になった時のインターハイ予選の時に、20連覇を超える連続1位の記録を途切れさせた体育館でもあり、いいことも悪いこともありました。
今回は試合の難しさを教えてくれた2日間だったと思います。やはり勝つために自分自身がすべきことというのは、たくさんあるなと。僕はまだ監督1年目ですけど、まだまだ成長していかなければならないと実感し、またひとつ思い出の残る体育館になったのではないかと思っています。
●山口かなめ選手
今日の1戦は、ファイナル8に入って連敗が続いていて、しかも、昨日、すごく悔しい負け方をして、今日は何が何でも勝ちたいという思いで、昨日の夜のミーティングからみんなで話し合っていました。
スタートは相手に勢いがあり、苦しい展開でしたが、その中でもコートの中に入っている選手が周りの選手から声をかけてもらってエネルギーをもらったり、コートの中でももう一度相手を上回るエネルギーを出して、相手にプレッシャーをかけてできたことがよかったと思っています。そういうところを残りの2戦でも大事にして戦っていきたいと思います。
●島村春世選手
ほぼ山口選手と同じ内容になってしまうので、私が今日の試合を終えて、個人的に感じていることを話します。
今日の試合は1、2セット目、相手のサーブにおされてしまい、直接失点というのが多かったと思っています。相手がサーブで攻めてくることは想定していましたが、その想像以上のいいサーブを日立さんが打っていました。3、4セット目、5セット目にかけては、自分たちはスタートでサーブを武器にできたからこそ、ああいうふうな展開にできたと思います。私自身はサーブに関しては、入れてくサーブ、キープするサーブというのが自分の仕事と思ってはいますが、やはりこれだけサーブで試合展開を決められるので、もっとサーブを見つめ直していきたいなと感じた試合でした。
――山口選手に。2月のホームゲームで日立にストレートで勝った時はバックアタックを効果的に使われていたと思うのですが、今回の試合はバックアタックの本数が少なく感じました。その要因は?
山口:日立さんのサーブがよく、後衛の選手主体でサーブレシーブをしていたので、そこに専念してもらいたかったことと、サーブレシーブから外れているミドルであったり、範囲を狭くしてもらっている前衛の選手にその分攻撃でしっかり仕事をしてもらい、それぞれの役割を果たさないことには点をとるのは難しいと感じたためです。でも、今後、チャンスがある時は使っていかないと、試合の終盤にブロックの的を絞られてしまうので、残り2試合では使える時はどんどん使って、勢いをつけて相手にブロックを絞らせないようにしていけたらと思っています。
――山口選手に。1、2セット目のコート内の雰囲気はセッターから見て、どのように感じましたか?
山口:悪い雰囲気というほどではなかったのですが、相手の勢いよりも自分たちは勢いがなかったと感じます。突破口を開きたいと思いつつ、どこかで安全なバレーをしてしまったかなと。3セット目から入った廣瀬がサーブで1本目からスピンをとってくれたので、空気を変える1本ですごく助けられたし、そういうプレーをもっと一人ひとりが増やし、厳しい時に勇気をもって、「自分が1点を取りに行く」というのを全員が出せるようになればいいと思います。
――島村選手に。今日の攻撃面での自己評価は?
島村:前半は全く決まらず、セッターの山口選手にいろいろ工夫をしてもらったり、トスはそのままで自分が入り方を変えてみたりとか試行錯誤していました。1本、短いブロードが決まってから突破口が開けた気がします。
先ほど山口選手も言っていたようにパスをしない分、ミドルが得点源にならなければならないので、1、2セットで決め切れなかった自分自身に対しても、もっと頑張らなきゃと思ったし、パスを頑張ってくれてる人の分まで何が何でも決めてやるという気持ちが3セット目から強くなり、それから決まり始めたのかなと。また、いいところで使ってくれたので、それがよかったのかなと思います。
――山口選手に。廣瀬選手のサーブで流れが変わった時、コート内に落ち着きが出た感じなのでしょうか?
山口:落ち着きというか、「すげー!」みたいな(笑) 空気が変わり、みんなに笑顔が出るようになりました。そこから集中力を切らすことなく、1本決まればみんなで喜んで、相手がやってくることや、それに対して自分たちがどうしなければならないのかが見えるようになってきて、具体的なコールなどもできるようになった気がします。
――島村選手に。先ほどご自身のサーブは入れていくのが役割とおっしゃっていましたが、チーム内で球種などにより攻める人、入れていく人と役割がはっきりしているものなのでしょうか?
島村:個人的なものもあるし、チームの流れ的に連続失点してしまっている中でやっと点が取れた時はサーブミスをしないように入れていくというのはコートの中で会話したりしています。
当然、自分の前にサーブを打つ人が強いサーブを武器としている場合は攻めていくサーブを打ちますし、自分のところで失点を出してしまうと試合の流れが悪くなってしまいます。せっかく波に乗れそうな時に乗り切れなかったりという場面が今までも結構あったので、試合の状況や、誰が先にサーブを打っているのかを考えて、自分なりに判断しています。
写真:堀江丈
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