そして戴冠。

金色の雨。傘はいらない。

リクエストに答えて控えめにブランデージトロフィーを掲げる酒井新悟監督。歴代最強メンバーを揃える久光製薬だが、覇業の陰には間違いなくスタッフの信頼と手腕があった。

試合後の記者会見で岩坂名奈は語った。「チームとして成長しながら最後に勝てたことは本当に嬉しい」どこまでもまっすぐな視線はキャプテンとしての確かな力強さを感じさせた。

ファイナルでは新しい試みも取り入れられた。好評だったローテーションのわかる掲示板。バレーの戦術は難解と敬遠されがちだが、ローテーションの把握だけでも見る目は格段に変わる。

全員で勝ち取った優勝。それでもいつかはひとり、またひとりとコートを去る時が来る。撤収が進む場内には選手を呼び止め、名残を惜しむファンの声と、友情の軌跡が残されていた。

2019.04.13 武蔵野の森総合スポーツプラザ（東京都）

撮影・文　堀江丈

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