2021-11-25 18:47 追加
清水邦広「北京オリンピックの借りは返せたと思います。福澤の分も、北京時代の思いを込めて戦えました」
V1リーグ 男子 / 全日本代表 男子
――13年ぶりのオリンピック初戦。清水さんの胸の内は。
「北京オリンピックのときの借りは返せたんじゃないかなと思います。あの舞台に立つというのが僕にとっての最大の目標でもありました。怪我の状況もありましたし。年齢的にもかなり時間が経っていて。福澤は行けなかったですけど、福澤の分も、北京時代の思いを込めてプレーできたんじゃないかと思います」。
――西田選手の調子が上がりませんでしたが、自分の出番は来るなと?
「僕自身も膝の状態がいいわけじゃなかったのですが、できる最大の準備をしていました。ベンチに呼ばれたときには、もちろん準備してました。西田の調子とか関係なく、若い選手が多かったんですけど、みんなが石川キャプテンを中心にすごくまとまっていた。試合を重ねることを通して成長していった東京大会だったと思います」。
――石川キャプテンはどんなキャプテンですか? 清水さん自身も代表キャプテンの経験がありますが。
「石川キャプテンになって、さらに自分自身を鼓舞するというか、自分自身のプレーで引っ張っていくようになりました。今までは、そこまでチーム全体として考えてなかったと思うんですけど、より一層自分の責任が強くなったというか。彼がキャプテンになることで、更にレベルアップしたプレーも出せるようになりましたし、それを見てみんなもついてく。本当についていこうと思えるようなプレーをキャプテンになってからはより一層してくれるようになったので、頼もしく感じました。僕から見て、この一年で、石川選手は一番伸びたと思いますし、さらにもっともっとレベルアップできると思います。素晴らしいなと思います」。
――29年ぶりのベスト8進出がかかったイラン戦。どうチームに貢献しようと思ったか。
「イランというチームは、本当に今までロンドン五輪最終予選、リオ五輪最終予選と戦ってきた中で、『壁』として阻まれてきました。今回、負ければ予選敗退、勝てば3位通過という大一番で、僕自身もしっかりとチームに貢献できるように準備していました。若い選手はそこまで気負うことなく、それ以上に試合を楽しんでいた印象がありました。外から見ていても頼もしい後輩だなと感じました。5セット目なんかは、石川キャプテンが本当に最初のエースから流れを引っ張ってくれた。こういう流れのスポーツで、キャプテンがあれだけ大事な場面で流れを引きよせるプレーは、なかなかできるものではない。本当にすごかったです」。
――オリンピック最後の試合となったブラジル戦。20点台までは競り合ったが、20点以降ひっくり返されたのはどんなところに理由が。
「やはりブラジルのほうがオリンピックの経験がありましたし、最後の20点以降の点のとり方も日本よりもブラジルのほうが上。ただ、個々の力は相手のほうが上なんですけど、チームとしてはそこまで差はなかったと思います。一歩違えば、自分たちに有利になったケースもあった。3-0でしたけど、力の差は本当にそこまでなかったと思います。負けはしましたけど、自信を持てた試合になった」。
聞き手:中西美雁
写真:FIVB、共同通信社
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