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会見・コメント

2023-04-14 11:23 追加

フィリップ・ブラン監督「今シーズンのスローガンは『ALL for PARIS ~Catch Our Dream~』。目標はパリ五輪出場権獲得の夢を実現すること」(男子日本代表 会見全文)

男子日本代表 登録選手発表会見コメント

全日本代表 男子

4月7日にリモートで行われたバレーボール男子日本代表登録選手発表記者会見のコメントをお届けする。出席者はフィリップ・ブラン男子代表監督と、南部正司男子強化委員長。

●フィリップ・ブラン監督

皆さん、こんにちは。私たちのチームの未来について話す前に、先日亡くなられました藤井直伸さん(元日本代表/東京五輪出場)に思いを寄せたいと思います。
彼は、スポーツに情熱的な選手で、チームのプロジェクトに対しても、非常に貢献してくれました。 日々、彼と活動することに、私はとても喜びを覚えていました。
彼はこれからも、この代表チームのメンバーとして、私たちの心にあり続けるでしょう。
藤井さんのご冥福をお祈りいたします。

2023年は、私たちのオリンピック計画にとって、重要な年です。今シーズンは大会数が多く、10月に東京で開催されるOQTでフィナーレを迎えます。
目標はパリ五輪の出場権を獲得するという私たちの夢を実現することです。
ですから、今シーズンのスローガンは『ALL for PARIS ~Catch Our Dream~』です。私たちの最大の望みは、できれば今シーズン中にパリ行きの切符を獲得することです。
オリンピックへの切符を獲得するためには、何より世界ランキングにおいて、アジア首位であるチームのポジションを維持すること、またはOQTで直接出場権を獲得することが求められます。

このオリンピック予選は、次の理由により、この1年で最も重要な大会です。
私たちはここ日本で、今年は何の制約もなく、観客の皆さんの前でプレーをするからです。
また、オリンピックへの直通切符を得ることによって、2024年はオリンピックでのパフォーマンスを高めることだけに集中できるからです。今回、出場権が得られなければ、2024年5月まで出場を確定させることができません。

OQTの組み合わせ、抽選会の結果は、私たちにとって、あまり好ましいものではありませんでしたが、この挑戦に立ち向かう準備をしなければなりません。
今年の10月にチームはセルビア、スロベニア、アメリカに対して非常に高いレベルのパフォーマンスを発揮し続けることができなければなりません。
しかし、プール内でオリンピック出場権を得られる上位2チーム以内のポジションを確かなものにするためには、チーム力と決意も必要です。

私たちはVNLとアジア選手権を利用して、オリンピック出場のかかったこの大会に向けて準備を整えます。 これらの大会での私たちの目標は、高いレベルのパフォーマンスを発揮し、実現することです。私たちは、相手チームがどこであれ、コート上にいる選手が誰であれ、勝者のメンタルを育て続けなければなりません。
ポーランドで開催されるVNLのファイナルラウンドに2年連続で出場するという野心、そして、アジア選手権の決勝戦にも出場するという野心を持たなければならないのです。

この2023年のシーズンのメンバーに関しては、いくつかの基準を満たしています。まず、2022年のパフォーマンスは良かったです。
新しいシーズンに向けて、私たちの支えとなるべき多くのプラスの経験を重ねてきました。
私たちは、2023年のシーズン開幕から素晴らしいパフォーマンスを発揮しなければなりません。ご承知の通り、VNLの初戦はアジアの直接の対戦相手であるイランとの試合です。今年の10月を私たちが最良の順位で終えるためには、 シーズンを通して、高いパフォーマンスを維持する必要があります。

これらの最初の2つの基準は、2022年の最終メンバーが多くを満たしています。
しかしながら、考慮すべき基準は他にもあります。
2023年のシーズン中にプレーする試合数が非常に多いことと、OQTの競技方式が9日間で7試合ということ。 いつも同じスターティングメンバーでプレーできるわけではありません。したがって、私たちのチーム内の全ての選手が活躍できる必要があります。

必要に応じて、選手を入れ替えることができるように、Bチームの力を借りながら、チーム一丸とならなければなりません。このBチームはアジア競技大会でも成果を上げる必要があります。

世界選手権のフランス戦では、フランスチームは、交代した選手の質の高さのおかげで勝利したとも言えます。このことから、私たちは試合の弱い場面でのコントロールをさらに効果的にするために、チーム内の選手の相互補完性をさらに高めていかなければなりません。
解決策の一部は、必要に応じて、チームに身体的、連術的、または精神的な解決策をもたらすことのできる、新しい選手や、新しい才能をメンバーに加えることにあります。

もちろん、選手の最終決定は、Vリーグならびに、海外シーズンのプレーオフが終わるまで待って、選手たちが重要な試合で、どのように行動するかを確認する必要があります。
しかし、各選手のポジションを評価するには、4月の最初の練習期間に抱く、自分の気持ちも考慮したいと思います。

チーム内の役割別に、状況をより具体的に見ると、まずセッターです。関田誠大さんは近年、多くの経験を積み重ねてきました。 彼は、成長し続けています。経験とリーダーシップの確かな深津旭弘さんと、昨年チームメンバーだった大宅真樹さんの中から、 関田さんのより最適な相棒を見出さなければなりません。
また、若手有望選手として、山本龍さんを選出しました。12月に一緒に練習しましたが、素晴らしい戦術的可能性を見せてくれました。
永露元稀さんは昨年もチームメンバーでしたが、その成長を確認しなければなりません。プレーオフ中に、ウルフドックス名古屋での成長を注視したいと思います。

次にオポジットです。西田有志さんはフランス戦で非常にレベルの高い活躍をしました。
彼は、(体調不良で)少々複雑なVリーグシーズンを過ごしましたが、すぐにポテンシャルを完全に取り戻し、私たちをトップへと導いてくれると確信しています。
宮浦健人さんは西田さんのバックアップですが、西山大翔さんにも興味があります。ビデオで拝見したり、彼の監督からの報告を聞いたりする限り、大きく成長しています。
2枚替えの際に、非常に役立つであろう身体的な資質や、アタック、ブロック、サーブの資質を備えています。

次にミドルブロッカーです。小野寺太志さんと山内晶大さんは、世界選手権で日本チームのミドルブロッカーでした。 山内さんは2022年シーズンとても良かったですが、今シーズンはさらに一歩前進すると確信しています。 小野寺さんの目標は、攻撃力を高めることです。髙橋健太郎さんはチームに戻り、身体的インパクトとブロックでのパフォーマンスを強化していくでしょう。

村山豪さんと、エバデダン・ラリーさんは、このポジションのフィジカル基準を完全には備えていないとしても、 チームの一員としての資質を持っていることを所属チームで示しています。 麻野堅斗さんは、この冬、レベルの高い技術力と、精神力を私に見せてくれました。しかし、左利きのミドルブロッカーを高いレベルでプレーさせるには、多くの時間を要しますので、じっくり見極めたいと思います。

ミトルブロッカーのポジションは、若手有望選手の育成が必要なポジションです。
そのためには、Bチームが不可欠であり、若い選手たちがこのポジションで成長を実現させてくれることを期待しています。

アウトサイドヒッターについて。キャプテンの石川祐希さんは、イタリアで素晴らしいシーズンを過ごしています。 彼は試合のリーダーになるだけではなく、ロッカールームでのリーダーにもなるでしょう。コンディションを整え、代表チームでの復帰をうまく調整する必要があります。

髙橋藍さんもパドヴァで非常にいいシーズンを過ごし、彼のパフォーマンスは一歩前進しました。 大塚達宣さんと高梨健太さんは、2022年彼らのバックアップで、所属チームでは、Vリーグのシーズンが好調でした。
富田将馬さんは、サーブレシーブの質の良い選手で、常に高い評価をしています。

甲斐優斗さんはアウトサイドヒッターのポジションにおいて、この冬飛躍的な進歩を遂げました。 彼は決断力があり、新しい技術を素早く取り入れる力があります。アウトサイドヒッターのポジションであっても、2枚替えでも使える可能性があります。
これからの2カ月間、もし彼が成長を続けるなら、Aチームでの一時的な起用も考える必要があるでしょう。Bチームでプレーしなければならない場合、このポジションでの経験があり、レシーブの質の高い選手とを組むべきです。

次にリベロです。山本智大さんと小川智大さんは、代表チームの2人のリベロです。
築城(旧姓・井手)智さんは、ベルリンのクラブチームで素晴らしいシーズンを過ごしました。欧州チャンピオンズリーグで、強力なサーブを受けた経験があります。
高橋和幸さんは、非常にポテンシャルが高く、備一真さんはVリーグでサーブレシーブ賞を受賞しました。彼らで、リベロチームを構成します。

●石川祐希主将によるビデオコメント

こんにちは石川祐希です。昨年に続き、今年も日本代表キャプテンとして選出していただき、 身が引き締まる思いです。今年は五輪予選があるため、とても重要なシーズンです。
また、日本で開催され、日本のファンの皆さんの声援を受けて戦えることをとても嬉しく思います。皆さんにパリ五輪出場を見届けていただけるよう、最高のパフォーマンスをして、チーム一丸となって、精一杯戦い抜きます。

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