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会見・コメント

2025-03-25 13:29 追加

初対面は突然に。「バレーボールやってるの?」銭湯で出会ったSAGA久光・栄絵里香とPFU・上村杏菜 SV女子

会見コメント SAGA久光・栄絵里香、西村弥菜美、PFU・上村杏菜ら

SV女子

3月23日、小松総合体育館で開催されたバレーボールSVリーグ、PFUブルーキャッツ石川かほく対SAGA久光スプリングス。同節のGAME2となるこの試合はフルセットの熱戦となり、SAGA久光が逆転で勝利した。

ホームのPFUはSAGA久光を大いに苦しめた。2セットを先取し、そのまま試合を制するかに思われた。最後はSAGA久光の老巧さが勝ったが、この試合で奮闘したのがPFUの新人、上村杏菜だ。

「あれだけのハードヒッターはそういない」

SAGA久光の酒井新悟監督も、PFUの馬場大拓監督もその逸材ぶりに舌を巻く。上村はSAGA久光の強力なブロックを時に吹き飛ばし、時に間を抜いて大いに見せ場を作った。

この試合、POMに選ばれたのはSAGA久光のセッター・栄絵里香主将だった。栄はPFUが猛攻を仕掛ける中、辛抱強く自陣コートをコントロールした。
インタビューのさなか、ちょっとしたサプライズがあった。
当日はSAGA久光・西村弥菜美選手とPFU・上村杏菜選手が誕生日。
「今日はうちの西村とPFUさんの上村選手がお誕生日。会場の皆さんで2人のバースデーを祝って欲しい」
栄はそう言って2人を手招きし、大いに会場を盛り上げた。

この粋な計らいに西村弥菜美選手は

「試合と誕生日が重なったのは初めてなんです。新鮮な感覚でした。試合の前にもチームメイトから祝福してもらったのですけれども、あらためて嬉しかったです」

と記者会見の席上、感想を述べた。

「実は…」
西村は続ける。
「エリカさんから”もし私がPOMに選ばれることがあったら(西村選手を)インタビューに呼ぶからね、と。その時は上村選手も一緒に呼ぶよ”って言われていたんです。でも…ちょっと声がかかるのが遅くて、あれ?どうしたんだろう。私いつ出ていけばいいんだろう、って。もうすっかり忘れられてるのかなと思って焦りました(笑)」

ここに関してはひとつの奇縁がある。SAGA久光・栄絵里香主将とPFU・上村杏菜。ふたりの出会いはコートではない。練習でも、合宿でも、試合会場でもなかった。

上村がまだ中学生の頃。上村は偶然、銭湯で一緒になった栄から声をかけられたという。

「ヤバイですよね」

上村は屈託なく笑う。当時はお互いがお互いを知らない。
上村は出身が兵庫、SAGA久光も当時は拠点が兵庫だった。上村は久光の練習拠点に近い近い温泉に良く通っていたという。

「練習帰りに温泉に行ったら”バレーボールしてるんですか?”って声をかけられて。それが栄さんでした。私がジャパンのジャージを着ていたから気が付いたんだと思います。”はい、金蘭会でやっています”と」

元SAGA久光で現在PFUに所属する池谷優佳も
「自分が久光にいたときの話ですね。チームですごく盛り上がったんですよ」
と当時のエピソードを話してくれた。

「中学生の時、栄さんと温泉で出会って、今こうして対戦出来ていて…凄いことだなって思う。あこがれだった栄さんに名前を憶えてもらい、試合で誕生日まで祝ってもらえるなんて」

上村からは「持っている」感が伝わってくる。
そして、エピソードもとびっきりだ。

最後に誕生日を迎えた2人のコメントを紹介したい。

●SAGA久光スプリングス 西村弥菜美(リベロ)

「25歳になりました。でもリベロとしての経歴はまだ浅いので、これからどんどん経験を積んでいきたいです。常に上を目指す、そのことを目標に日々成長できるように頑張ります」

●PFUブルーキャッツ石川かほく 上村杏菜(アウトサイドヒッター)

「変わらず、常にチャレンジする気持ちを忘れずに大暴れしていきたいと思います」

西村弥菜美は25歳、上村杏菜は19歳。これからSVリーグを、そして日本のバレーを背負っていくであろう2人、新たな1年の抱負である。

撮影 堀江丈

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