2014-08-02 17:38 追加
川村慎二 パナソニックの、生命線。第2部
SV男子
―思い出に残っている試合を3つ教えてください。
初めて全国大会で優勝したのが中学校3年の時ですね。しかもたまたま全中が滋賀県。
―地元開催。
あれは嬉しかったですね。
―友達とかみんな見に来てくれて?
そうです。奈良対東京だったんですよ。その足立第四ていうチームが小学校で僕たち負けてるチームだったんですよ。ベスト8で当たって。リトルベアーズっていうチームで、フルセットで負けたんですけど、最終的にそのチームが小学校優勝して。そのメンバーがほとんど足立第四に行ったんです。そこが3年生の冬に東京からわざわざ車で奈良まで練習試合に来たんです。10セットやってほとんど1点と2点で勝ったんですよ。で、帰ってから手紙がきて“練習試合ありがとうございました。全国の決勝で絶対会いましょう!”って僕たちは来るはずないやんって思ってたんです。そしたらホンマに来たんです。「うわっ、すげーこいつら」って思いながら、決勝は2点4点で勝ちましたけど(笑)。あれは思い出がありますね。初めての全国優勝でしたし。
1回優勝すると優勝してない、優勝経験がない人が勝ちたいと思うより、もう1回勝ちたいっていう思う思いが強くなるんですよね。優勝の喜びを知っているのでもう1回喜びたい。もちろん誰でも勝ちたいと思いますけど、やっぱり経験があるからその経験の思いでいける所があるかなと。
その中学校での優勝というのは、すごく自分にとって大きかったです。喜びも大きかったですし、そこからずっと優勝が無かったんです。高校も大学も決勝で負けて負けて。やっぱり悔しかったですね。負けたのも良い想い出ではありますが。今から思えばその負けが無かったら今が無いと思います。
でも、一番楽しかったのは全日本抜きの黒鷲旗優勝ですよね。あれは本当楽しかったです。少数精鋭とかすごく言われたんで、
―1回目も2回目も?
1回目も2回目もそうですね。優勝してホテル帰って軽く祝勝会とかあるじゃないですか。あの時みんな疲れたなあって言って、で、なんか知らないですけど熱計ってみようってなって、皆37度後半なんですよ(笑)。「疲れすぎやぞみんな!」とか言って。選手10人でしょ? スタッフ10何人で、「なんぼ少ないねん」とか言いながら。楽しかったです本当。
全日本メンバーがいなくても勝てたというのは、すごく自分たちにとっては大きなものを得られました、僕たちもできると。白澤たち中堅にとってもプラスになりましたし、若手は若手でいきなり入って1年目でコートに入って優勝できたっていうのは凄く大きなものだったと思います。
―その3つですか。
あとはユニバの時に海外で加藤(陽一)さんと一緒にやらせてもらったというのもですね。あの時は僕が大学3年生でいきなりリベロって言われて大会でて、そんな自信もない状態でずっとやってたんですけど、その時ってやっぱり加藤さんだったり朝日(健太郎)さんであったりすごいメンバーで、リベロの僕を加藤さんがカバーしてくれたりだとか、今から考えると上の方が下をカバーするっていうのがあったので、あの大会も僕とってはプラスになりましたし、僕が上の立場になった時にこういう事が出来てるというのは、そういう経験があったからだと思いますね。
―やり残したことは?
いっぱいあります。まだ現役やりたかった! もし現役だったらもしかしたらオリンピックも目指せるかもしれないし。
―現役に未練はありあり?
ありありですね! 加藤さんみたいに全うして終わりたかったですけどね。
―人生を変えるきっかけがあったとしたら何でしょうか?
うちの母ですかね?(笑) お菓子ですかね?(笑)
―応援してくださった方へのメッセージを。
個人的に応援してくださった方には…。もうプレイは見せられないですけれども、これからも応援してほしいです。僕のプレイが好きだった方には、僕のプレイを後世に残せるように、自分も頑張っていきたいと思っていますし、そういう選手が現れたら、そういう選手達をしっかり応援してあげてほしい。
パンサーズを応援してくださっている方には、監督が替わりましたが、また末永くパナソニックパンサーズというチームを応援してください。万人に愛されるチームというのはたぶん絶対に無理ですけど、また今までにないチームカラーを作っていくつもりです。今年はみんなに支えてもらってやっていきます。
―ファン以外の方へのメッセージは?
親に、「無理矢理バレーやらせてくれてありがとう!」って言いたいですね(笑)。
APPENDIX編につづく
第1部はこちら
聞き手:中西美雁
写真:Michi Ishijima、久坂真実、FIVB
編集補助 横幕祐美
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