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バレーボールマガジン>インタビュー>突破者・越川優 創部84年目の初優勝に必要だった最後のピース

インタビュー

2015-07-22 12:05 追加

突破者・越川優 創部84年目の初優勝に必要だった最後のピース

SV男子

――キャリアの初めは高校卒業で実業団入りをしましたが、その時に決まっていた大学の監督だった栗生澤さんが部長やってるところへ改めて移籍したのが、なかなか面白いなと思って。

越川 あ~別に栗生澤さんが嫌いで行かなかったわけじゃないですよ?(笑)。誰かが嫌いで行かなかったってことはないですから(笑)。

中学も高校も、自分の選択が間違ってなかったと自信を持ってます。自分の人生だし、その選択は間違っていなかったと思ってて。大学だったら中央大学だと思った、大学で自分が一番輝けるのと思ったのは中央大学だろうと思って決めたんです。でもその前に大学行くのがセオリーだという頭があった。だけど、それをあるきっかけがあって取っ払った。そのときに自分は大学じゃないなと思ったんですよね。それでやめたんです。

――きっかけとは?

越川 きっかけはアジア大会です。

――全日本Bで行った?

越川 そう、大古さんの。そのアジア大会とその前のジュニアのアジア選手権です。その二つです。

――早くレベルの高いところでやりたかった?

越川 自分の中で、何のために大学へ行くのか明確な答えが見つからなかった。大学の4年間で考えればいいとも思えなかったし、大学行ってVリーグへ入るって自分の中で決めてるんだったら、じゃあもうVリーグ行けば良いじゃんと思ったんです。大学行ってからVリーグ行くって事は、もう「バレーボールで飯食っていく」って自分の中で決めてるわけじゃないですか。だったら大学のレベルでやる4年間をVリーグでやる4年間にした方がその4年後は成長できるなって思ったし。

当時ジュニアでは、富松とか三上とか自分と同じ世代のメンバーでやるときに、僕は試合に出ていなかったから、同じルートを行ってもその差はほとんど埋まらない、変わらないだろうなと思って。自分の中では全日本、オリンピックっていう目標があったから、そこに行くには自分の年代でレギュラーを勝ち取れない奴が、なんで全日本には入れるのかっていう思いも自分の中にあり、まずあいつらを抜くにはどうしたら良いだろうなって思ったときに、僕はあいつらと違う道でやる事を選んだんです。別に中央大学が嫌なわけじゃなくて、ただ自分の人生を考え直した時にそれがベストの選択だと思ったからいろんな人に迷惑をかけたけど(進学を)やめたんです。

――栗生澤さんが、その当時は腹も立ったけど、今は「今」来てくれてよかったと思ってる。と仰ってました。

越川 栗生澤さんがたまたま部長だったタイミングで来ただけで、栗生澤さんじゃなくても僕は来てたと思うんですよ。たぶんね。でも、だから栗生澤さんとはどこかのタイミングで、何かを一緒にやる運命だったのかもしれないですよね。

――創部以来優勝がなかったチームで、中心選手として優勝を成し遂げた感想を。

越川 それをするために呼ばれたと思ってるし、今までのバレーのキャリアの中でもう一度優勝できたことは自分にとっても間違いなくプラスだし、そういうタイミングで自分がこのチームにこのチームにいられたことを幸せだなと感じます。

MVPを受賞。「嬉しく…なかったことは…ないですよ」

MVPを受賞。「嬉しく…なかったことは…ないですよ」

――MVPは嬉しかったですか?

越川 あんまり…。嬉しく……なくはないですよ? なくはないですけど、それ程でもない。やっぱ2回目だからじゃないですかね。1回目は22歳のときでプロになった1年目。まさか自分がと思ってたし。今年は自分じゃないと思ってたから。レオだと思ってた。

――でも去年は敢闘賞だったでしょ?

越川 去年は去年。え? どういうこと? 去年優勝したらイゴールじゃなくて俺だったかもってこと? 去年はイゴールより俺の方が良かったと思う(笑)。去年はほら、記録も2つ出してたしね。去年勝ってたらMVPだろうと思ってたけど、今年は正直分からなかった。レオじゃないかなと思ってた。別にいいです(笑)。最近割とどうでも良いです。MVPなんて優勝じゃなかったらもらえるもんじゃないし。

――でも逆に、優勝したからこそもらえるものだから。

越川 優勝したからこそもらえるけど、優勝したから別にいい(笑)。別にMVP獲るために来てないですし。優勝するために来たから、優勝できたから良かったです。それが自分のミッションだったから。でもまあ、嬉しくなかったことはないです。はい。

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