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インタビュー

2017-03-30 07:30 追加

越境バレーボーラー 今村駿「バレーボールという共通言語があるから、誰とでも繋がれる」  

海外挑戦する日本人選手のシリーズ

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s試合前の公式練習でチームメイトと頻繁にコミュニケーション取る姿元全日本代表のセッターで、今季堺からスウェーデンリーグに移籍した今村駿選手にお話をうかがっています。後編は、日本とスウェーデンのバレー界の違いなど。現在今村選手の所属するオルケルユンガは、プレーオフを勝ち進んでいます。

今村駿(いまむらしゅん)
1987年7月20日生まれ 181cm セッター
順天堂大→堺ブレイザーズ→オルケルユンガ
2010年世界選手権 2013年グランドチャンピオンズカップ

 

――こちらのバレーボールの人気はどうですか?

マイナーですよ。日本より全然マイナー。

――ホームの会場のお客さんの入り具合はどうですか?

うちのチームは多いと思います。アウェーの他のチームはそうでもないです。アイスホッケーとかハンドボールも強いし、フットボールも。この前ハンドボールの試合をチームメイトに誘ってもらって見に行ったときも、すごかったです。この街は3000人くらいしか人口がいないのに、今日の試合は5000人見にきてるよ、どういうこと?みたいな(笑)。それに比べるとバレーボールはマイナーです。

――バレーをやってる子供は多いですか?

クラブの下のカテゴリーにチームがあるので、全体的だと人気はないですけど、ただここはヨーロッパですからレベルは高いです。

――現在上位にいますが、日本での戦いと違いはありますか?

戦い方がそもそも違うんで…。構成にしろ何にしろ。

――どんな違いがあるんですか?

日本は外国人選手が全体の半分とか、総打数の半分を決めているのがごくごく普通ですが、それをやったらぼくは怒られます。怒られるって監督にじゃなく選手たちに怒られます。もう、みんな打ちたいんですよね。だから試合中も、「今日、こいつの方が点数取ってて、俺、こいつよりも点数取りたいからトス持ってきて」とか、「俺準備できてるからセットちょうだいよ」とか。それが調子乗りとかではなくて劣勢になればなるほど、チームがピンチになった時ほど、「俺にちょうだいよ、こいつ点数取り過ぎだから俺でしょ」みたいな(笑)。

――そういう時はどう対応するんですか?

「じゃあ、次持っていくわ」と。構成も勿論あります。だけど、うちのチームは誰か一人が凄いというのはないので、みんなできるレベルなので、そうすると構成も変わってきますよね。

街を歩いててわかると思うんですけど、この国の人って大きいんですよ。だから上位のチームはセッターも含めみんな2m。まず日本ではそういう高さは経験できないじゃないですか。だから2m以上の選手が揃ったときにどう攻撃を組み立てればいいのか考えます。日本だったら絶対に(身長の)ギャップが生まれるわけで、それがローテごとに穴となります。それがこっちだとどのローテも2mクラスが並んでいるので、じゃあどうやって組み立てればアタッカーが活きるのかと。そこは大分違うんじゃないですかね?

――何を特に意識してやっていますか?

2m揃ったら揃った中で2mの中のギャップが生まれるわけじゃないですか。ギャップというか、デカイから攻められないじゃなくて、こいつの(ブロックの)手の出し方イマイチだなとか、攻撃の構成でこのゾーン空くなとか。だから日本で上げてた時とは大分考え方も構成も違います。日本にいる時も考えてやってきましたけど、(高さに関する考え方は)より身近ですよね。

――世界各国の代表チームは身長が高いチームが多いですからいい経験になりますね。

それが普通だし、ここ(ネットを挟んだ向こう)に受けるプレッシャーは全然違いますよね。威圧感とか幅もあるし。ブロック一枚にしたからよし、という問題じゃないんです。ブロックが本当に全然違う。僕だけの技術じゃ無理なんですよね。アタッカーの技術があるから決められるわけで…。でも、セッターは1番ボールに触るポジションであって、打ちやすいのは勿論、その後の構成もちゃんとしないと、アタッカーの技術がどうのという問題でもなくなってくるんですよ。だからみんな選手は平等です。でも、慣れるものですよ。全然慣れます。最初は、こいつら本当デカイなー、ブロックどうしようかな、だったのが慣れるんですよね。

――高さに慣れたのは大きいですね。

相当プラスだと思います。海外で生活しているので日本の普通が普通じゃなくなるんです。

――逆に日本がおかしいと思うところはありますか?

日本は恵まれてますよ。練習環境とか。食べ物とか。

――食事面では問題ないですか?

これね、海外でプレーした人は多分、そこにぶち当たると思うんですよね。単純な話、好き嫌いがないのは僕の強みだと思います。全然問題ないです。

――栄養面では問題はないですか?

そこが凄いんですよ、日本っていうのは物が豊富。色んな食べ物があって好きなタイミングで取れるじゃないですか。スーパーに物が少なくて、日本でこれが食べたいなと思ってもこっちでは売ってなくて、野菜も少ないんですよ。栄養面は、全部嫁に任せています。

――食事面でのストレスはないですか?

食べるものによって日本人の胃に不向きなものもあります…パスタですよね。大好きなんですけど、米の文化に慣れている分、消化の感じが違ったりガスが溜まる。日本だったらたまにじゃないですか、全然気付かなかったです。

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