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インタビュー

2017-04-26 13:31 追加

世界クラブに向けて 新鍋理沙「高さでは勝てないので、強打のディグやつなぎで、泥臭く粘り強く頑張ります」

V1リーグ 女子 / 全日本代表 女子

s_F0A7172──今リーグは本当にいろいろありました。一番苦しかったのはどのあたりでしょう。

新鍋:ずっと苦しかった気がします……。やっぱり「ファイナル6」かな、勝ってはいましたが、3試合がフルセットでポイントを思うように取ることができず、その後JTマーヴェラスに負けて、また(「ファイナル3」進出が)他力になって……。それでも「ファイナル6」で3連敗した昨シーズンの方が苦しかったですね。

──そんな中でも「ファイナル3」を2戦勝って「ファイナル」にも進んで。収穫もいろいろあったと思いますが。

新鍋:今までと変わったのは久美さん(中田前総監督)に代わって新悟さん(酒井監督)が監督になられたことで、(開幕直前の合流だったし)新悟さんも分からないことだらけだったと思います。以前は久美さんが、チームがダメなときには試合中でもいろいろ言ってくださって、選手はいつまでもそれじゃいけないと思っていながらも、頼っている部分は大きかったです。
それが新悟さんに代わって、もちろん新悟さんからもアドバイスをいただくし、コーチからもいろんなアドバイスが出ますが、今シーズンは試合前やタイム中に選手同士で話す時間が前よりも増えて、試合前日の選手ミーティングでもいろんなアイデアを出しあって、「相手の嫌なことは何なのか」というのを見つけたり、選手だけでも内容の濃いミーティングができるようになったと思います。

──それはスタートメンバーだけではなく、いろんなメンバーからアイデアが出る感じですか。

新鍋:全員がいるときもあるし、練習の関係でスタートメンバーだけのときもありますが、今まであまり言わなかった人が言うようにもなりましたし、ポジション別で話し合ったことを全体で共有することも増えました。以前までは、サイドはサイドでみたいに、ポジション別で話をして(他のポジションの)ミドルがどういうことを話したとか、セッターがどういうことを話したとか深く話し合えてなかったところもあったんですが、今シーズンは、先にポジション別で分かれてミーティングをしてその後にみんなで話し、「セッターはこういうことを話しました。だからサイドに要求することはこれで」など細かいところまで話し合う機会が増えたのはよかったと思います。

──同期で仲の良い岩坂(名奈)選手がリーグ途中や「ファイナル」でけがをして……個人的に、新鍋選手は岩坂選手の思いも感じながら戦っていたのでは、とも。

新鍋:何でも話せるのもナナ(岩坂)で、私がイライラしているときに声を掛けてくれるのもナナだし、ナナは私の中ですごく大きい存在だから。ナナも今シーズンに賭ける思いがあって、でもファイナルでも試合の中でけがをしてしまって、終わってナナから「ごめんね」と……。 試合に出られないのは本人が一番悔しいと思うから、ナナだけじゃなく、出られない人たちの分まで、そういう思いをコートに立っている選手がしっかりと背負ってやらないといけないと思いました。

──立場的な役割として、「引っ張る」というのはリーグを通してできたと思いますか?

新鍋:引っ張るというか……試合中に気づいたことがあったら言うようにしていましたし、みんなもお互いに言い合えていたので、そこはよかったんじゃないかなと思います。

──今季は「世界クラブ選手権」という大きいイベントが練習拠点の地元・神戸でありますね。4回目の出場となる今回はどんな思いで臨みますか?

新鍋:チームで世界相手に戦うということはなかなかできないことですし、貴重な経験だと思います。外国の高い相手に対して、今まで通りの国内リーグと一緒の戦い方をしていたら絶対勝てないと思います。でも自分たちが今までやってきたことは「世界に通用するバレー」だと思っているので、そこは崩さずに。ディフェンスの入り方やスパイクの打ち方は少し変わってくるかもしれないですが、やるべきことは「ワンフレームの中でバレーをする」というベースの部分は変わらないと思うので、そこは継続してやっていきたいと思います。

──今回は日本なので、ファンの皆さんも多く見に来てくださると思います。どういうバレーを見せたいですか。

新鍋:近い距離の強打とか高いところからの強打とか、そういうディグ練習をしているので、それが試合でもできたら、見ていてすごく面白いのかなと。高い相手に対して高さでは勝てないので、他のつなぎとかディグとか、泥臭く粘り強くやっていきたいと思います。

──新鍋選手の「鬼ディグ!」楽しみにしています。

新鍋:頑張ります! (笑)

──攻撃面ではどうですか。

新鍋:普通に打っていたらシャット(ブロック)されてしまうと思いますし、ライン(ストレート)でブロックアウトをすると相手によまれている中でも点数を取りにいかないといけないと思います。前回の世界クラブ(選手権)でもトルコのワクフバンクと戦ったときにがっつりラインをしめられて、今回も情報はたぶん入っていると思うので、そこをもうひと工夫しないといけないと。切り込んだりも絡んだりできたらいいと思います。

後編に続く
写真提供:久光製薬スプリングス

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