2017-07-13 08:00 追加
岩坂名奈(前編)「私ひとりではなく、みんなでチームを作り上げたい」
全日本女子主将 岩坂名奈選手インタビュー前編
全日本代表 女子
全日本女子のキャプテンに就任した岩坂名奈選手。前編では、全日本に限らず、キャプテンは初めての経験という岩坂選手に現在のチーム状況や、自身の心境などについて話を聞いた。
新キャプテンとして
――始動後、1か月が経過しましたが、現在のチームの様子はいかがですか?
岩坂:最初は選手がいろいろなチームから参加していることもあり、初対面の選手もいて、どうしても全員と話ができるという雰囲気ではなかったのですが、日を重ねるごとにコミュニケーションが取れるようになってきました。現在はチーム力を上げるために一人ひとりが心がけていることもあり、会話が増え、コートの中でも「ここはこうしよう」とか、そういう声も増えてきているので、最初の段階に比べるとですけど、少しずつ形になってきているのかな?と感じています。
――キャプテンとしては率先して声をかけてきた?
岩坂:「キャプテンだから何かをしましたか?」ときかれると、特別何かをしたというのはないですが、本当にみんな一人ひとりが目標に向かってチームを作っていかなければならないという思いを持ってやってくれています。私自身が特別何かをしたというのはないですが、チーム方針が明確になってきた今、1日ずつですけど、自分のことだけではなく、チームのことを考えながらやっているところです。
――始動会見の時に久光製薬スプリングス以外の選手にも中田監督のバレースタイルや人となりを伝えていきたいとおっしゃっていましたが、浸透してきましたか?
岩坂:すごく難しいです。1個のズレで今目指しているバレーができなくなってしまうので、浸透してきているのかと言われたら、私の力が足らないかもしれないです。でも、みんながやるべきことをわかり始めてきているので、まだまだですが、やることが明確になってきている以上、細かいところをもう少し、実践しながら伝えていけたらいいなと思います。
――今年度は副キャプテンのポジションはないのでしょうか?
岩坂:副キャプテンはいないです。
――始動会見の時、新鍋(理沙)な選手が岩坂選手から「助けてほしい」と言われていると話していましたが、やはり、岩坂選手の中ではいちばん頼りにしているのは久光製薬スプリングスでも同期の新鍋選手ですか?
岩坂:そうですね。久美さんと一緒にバレーをしてきた年数も一緒ですし、バレーのことだけでなく、2人で頑張ってきて、こうして今、ここにいられるので、私の中ではなくてはならない存在です。本当に「一緒に頑張ろうね」というのと、お互いに助け合いながらやっていきたいという思いがあるので、頼れる存在ですね。
――岩坂選手と新鍋選手は同じ7月生まれでお誕生日も近いですよね。だからというわけではありませんが、性格は似ているところがあったりしますか?
岩坂:性格は真逆なところもありますが、一緒に過ごしてきた時間は長いですし、いろんなことを乗り越えてお互いに助け合いながらきたので、わかり合える部分が多いのかもしれません。
――キャプテンを引き受ける前後にどなたかキャプテン経験者の先輩に相談したりはしましたか?
岩坂:キャプテンを引き受けることをみんなの前で発表した時に、荒木絵里香さんに「私に何か足らない部分があったら、よろしくお願いします」と伝えました。その時に「頼れる人は頼った方がいい」と教えていただきました。それまではいろんなことをひとりで何もかもしなければならないのかな?とか、不安に思っていたのですが、そこでひとりで抱え込まなくてもいいんだと少し心が軽くなりました。他の選手たちも「何か手伝えることがあったら言ってね」と言ってくれているので、すごく助かっています。
――先ほどお話の出てきた新鍋選手もそうですが、石井(優希)選手なども?
岩坂:やはり、同じ久光製薬スプリングスの選手はやるべきことをわかっているので、頼りにしてます。
――木村沙織選手がキャプテンの時もキャプテンがひとりで抱え込むのではなく、みんなで分担してやっていこうという方針だったようですし、今はそういう時代なのかもしれないですね。
岩坂:歴代のキャプテンの方々がすごいので、私はこれまでのキャプテン像と少し違うのかもしれないですが、私は私で自分ひとりだけで何かをするのではなくて、みんなでチームを作り上げていきたいという思いの方が強いですね。もちろん、締めるところは締めなければいけないですし、言うべきことも言わなければならないですが…。
――言うべき時に言うというのは、結構大変な作業では?
岩坂:もともと私は久美さんと出会うまでは言わないタイプでした。でも、久美さんと出会ったことで、言わなきゃ自分自身も変われないし、言うことによって責任も生まれて、その分自分もちゃんとしなければならないと考えられるようになりました。
――そういう意味で、中田監督は岩坂選手のバレー人生の中でもいちばん大きな影響を与えた監督なのでしょうか?
岩坂:はい、そう思います。
後編に続く
聞き手:高井みわ
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