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インタビュー

2019-05-28 19:57 追加

越境バレーボーラー本間隆太(パリバレー)後編「パリ五輪に出場して、またここに戻ってくるのが目標です」

Others / V1リーグ 男子

――先程「出られるチームを優先する」と言われましたが、出場機会と勝ち癖、負け癖の問題はなかなか難しいところがありますよね。
下位のチームに行くと試合には出られるけど、「負け癖」もついてしまうかなという危惧があるんです。中垣内さんは「勝ち癖」「負け癖」を結構気にされる方なので。

本間:それはあると思います。負けが多いチームだと、たとえリードしていても、22-19から22-20になったときに、コートにいる全員に「あ、また逆転されちゃうんじゃないか」っていうのが頭をよぎるんですよ。バレーの面白いところでもあり、怖いところでもあります。

こっちに来て、今の自分のチームは「勝つのが当たり前」という感じです。チームメイトが良いというのもあるんですけど、そうすると見えてくる景色も変わってくるんです。余裕も出るし。勝つためにプレーすることで、自分のプレーがどんどん上積みされていくのを感じます。

強いチームと弱いチームって終盤に差が出る。パナソニックがなんで強いかっていうと、20点以降の点のとり方がめちゃくちゃ強いんですよね。パナソニック相手だと、ミスしちゃうとか。対戦相手がね。それはミスをしちゃうんじゃなくて、パナソニックがミスをさせるプレーをしてるんじゃないかとか。そういう視点で見るとおもしろいとおもいます。いいところまでいくけど、25-23とかが一番多いんですよね。だからツーラリーの差なんですよ。2本ミスが多いほうが負けるんですよ。大学の先生からそう教わってきて、そこは見ててすごく気になります。あ、今のミスはちょっとな。とか、自分が絶対ミスをしてはいけないポイントとか。勝っているとそういうところが見えてくるんです。本当に、見えてくる景色が違うんです。

新生Vリーグも、よくしようとしてやってくださっているのはわかってるんですけど、なんだかいろいろもどかしい思いを感じますね。それよりも、日本のバレーの根本的なレベルが上がれば、もっと変わるんじゃないかなと思います。

初めてバレーをテレビで見たとき、会場がうわーってなっててすごかったし、秋にテレビをつけたら大体バレーをやってて、それに憧れて始めたところがあるんですよね。それが今はそうじゃない。それをなんとかしたいです。

バレーボールやる環境も少ないですよね。僕の母校の中学校も数年前になくなっちゃいました。中学校の男子バレーがある学校が多分めちゃ少ないですよ。そこがなんとかならないかなって。

――そこは、本当は新生Vリーグで、Vのチームがジュニアチームを持つことが義務付けられてたんですけど、結局曖昧になってしまいましたね。バレー教室でもオッケーとか。

本間:それは残念ですね。ユースチームと言えば、フランスはセカンドチームがあるんですよ。パリバレーもある。大体若い選手なんですけど、僕くらいの年齢もいて。パリバレーの1軍に若いやつもいて。そのへんの競争はすごいですね。

――モデナもBチーム持ってて、4年前の川口選手はそっちに行かれてたんですよね。

本間:そうだったんですね。AチームとBチームじゃもちろん給料もぜんぜん違うし、練習も一緒にはできないんですよ。
日本だったら大体20人位一緒じゃないですか。フランスだったら12人だけ。仮に1人怪我をしたら、セカンドチームから1人だけ呼ぶ。こっちに来るために頑張らないといけないし、こっちでもセカンドチームに落とされないように頑張らないといけない。そういうのが強さにつながるのかなと。

――今の目標は?
本間:まずは、リーグ優勝。フランスでこのチームを優勝させることが今やるべきこと。その延長線上で代表に選ばれたいし、選ばれるだけじゃなく。最終的に、パリに来て、パリオリンピックの旗がバーっとあるんですよ。今までは東京で一つの締めくくりと思ったんですけど、パリに来て、パリのオリンピックの盛り上がりをみて、「パリ五輪に出たいな」と。
パリバレーのスタジアムもパリ五輪2024の旗がいっぱいあるんですよ。あーもう一回パリで帰ってこれたらいいなってすごく思うんですよ。僕一人では、まず日本がパリオリンピックに出場することはできないし、僕自身も成長しないといけないし。それが今の究極の目標ですね。

この取材は2月に行われたものだが、本間選手の所属するパリバレーは、5月初旬にリーグで見事優勝を果たした。本間選手に追加取材で優勝して感じたことについても伺った。

本間:準決勝、決勝とゴールデンマッチ(1勝1負になった場合のみ行われる)で何とか勝つことができて、ホッとしたという感情を覚えています。
次に感じた事は「このメンバーではもうバレーボールする事ができないのか。」という喪失感がありました。僕にとって初めての海外チームで思い入れも強かった。

特には優しく、時にはプロとしての厳しさを教えてくれたチームメイトに心から感謝しているし、これからも同じバレーボーラーとして切磋琢磨して頑張っていきたい。
そして優勝して1番の収穫は「勝つ喜び」を思い出せた事。大学4年のインカレが最後のタイトルだったので、ジェイテクトSTINGSに入団してからはタイトルを取る事ができていなかった。

今回の優勝で久しぶりに言葉にはならない感動・喜びを感じる事ができた。来シーズン、ジェイテクトSTINGSのチームメイトとこの感動を味わうために、フランスでの経験を忘れず自信に変えて今後更に成長していきたいです。

聞き手:中西美雁

本間隆太(ほんま りゅうた)
生年月日:1991-10-17
出身地:神奈川県相模原市
身長:178cm
体重:74kg
指高:233cm
出身校・所属チーム:弥栄高校→早稲田大学→ジェイテクト→パリバレー(レンタル)

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