2026-06-22 16:47 追加
【バレー】【前編】「振り返る余裕もない」イタリア2年目、激変したミラノで大塚達宣が背負った新たな役割
2025年の世界選手権の激闘を終え、休息を挟む間もなく再び海を渡った大塚達宣。イタリア・セリエA1のパワーバレー・ミラノで迎えた2シーズン目は、彼にとって「追う立場」から「引っ張る立場」への急激な変化を伴う、試練と充実の
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2025年の世界選手権の激闘を終え、休息を挟む間もなく再び海を渡った大塚達宣。イタリア・セリエA1のパワーバレー・ミラノで迎えた2シーズン目は、彼にとって「追う立場」から「引っ張る立場」への急激な変化を伴う、試練と充実の幕開けだった。2026年3月、過酷なプレーオフの渦中にあった彼に、イタリアの地でロングインタビューを行った。
パリ五輪、世界選手権から「未来も過去も考えない」没頭
2025-26シーズンの開幕前、ミラノは大きな変革期を迎えていた。2024-25シーズンの終わりに、世界最高峰のリーグで数々の経験を積んだキャリアのあるベテランたち(マテイ・カジースキやピアーノら)がチームを去り、残ったのはわずか4〜5人。さらに秋の世界選手権の影響で、各国代表選手たちの合流はバラバラ。全員が揃ってリーグ開幕を迎えられたのは、わずか2〜3週間という異例の準備期間しか残されていなかった。
世界選手権では一次ラウンド敗退と思うような結果が出ず、そこからの気持ちの切り替えが難しかったのではないか――。そう尋ねると、大塚は首を振った。
「いや、もう別にそんなことはなかったんです。パリオリンピックの後もそうだったんですけど、早い段階ですぐイタリアに行く準備をして、荷物だとか色んな手続きをして……とやっていると、振り返る暇が本当にない。気づいたらイタリアに飛ばないといけない日が近づいていて、こっちに来たら初めてのことだらけ。あんまり過去のことを振り返る余裕がないっていうのが正直な感想ですし、逆に言うと、未来のこともそんなに考える余裕もない。今起きていることにどう向き合うか、それだけでした」
その「今」に没頭する日々は、想像以上にタフなルーティンだ。
「練習が終わっても、家に帰って自分でご飯を作って、体のケア(実験)をして、なんならもう寝る時間。寝て起きたら、またすぐ練習の準備……という毎日の繰り返しです。でも、僕は忙しいのが好きなので、暇な時間があるより全然いい。プライベートのことも、『日本に帰ったら何しようかな』なんて考える余裕すら全くないくらい、ずっとバレーボールのことで頭がいっぱいで。それだけこっちでの日々が充実しているし、やりがいを感じているんだと思います」
「僕も上から数えた方が早いグループに」
メンバーが刷新されたミラノで、2年目の大塚にかかる期待とチーム内での立ち位置は、1年目とは全く異なるものになっていた。
「去年は本当にすごい経験をされた先輩たちがたくさんいたので、毎日毎日の取り組む姿勢から勉強になることがたくさんありました。でも、今年はほとんどが僕よりも年下の子ばかりで、僕も上から数えた方が早いグループになってしまった。2年目にして、そこが一番大きな違いです」
主力アウトサイドヒッター(OH)の一角として、若いチームを牽引する自覚が自然と芽生えていた。
「若い選手が増えた分、やっぱりなおさら自分が引っ張っていかなきゃいけない。若い選手はやっぱり、どうしても練習のクオリティーに浮き沈みの激しい部分もあります。それはもちろん、しょうがない。去年のチームと比べたら少し落ちる日があったりもしますけど、でも、みんながグッと集中したときのクオリティーはものすごい。去年のメンバーだからできた化学反応と、今年のメンバーだからできる化学反応は、それぞれ違うものがある。どっちが良い悪いではなく、今いるメンバーでどういうチームを作って、どう戦っていくか。練習への取り組みや、若い選手への声かけの仕方は、昨シーズン以上に考えてプレーしています」
過酷な世界最高峰のリーグで、心身を研ぎ澄ませながら「今」を生きる大塚。しかし、チームの歯車が噛み合い、彼自身もスタメンとして存在感を増していく中で、シーズン最大の試練が彼を襲うことになる。
(中編へ続く)

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