●吉原知子監督

コロナ禍の中で、実際に大会が行われるのかという不安もありながら、最後までこういう大会を開いていただいたことに対して、本当に感謝申し上げます。
チームとしては今こういう中で私たちは何ができるのかということを考えた時に、とにかくベストなパフォーマンスを皆さんにお見せすることが今最大の自分たちのできることだよねということを話しました。東レさんはリーグでずっと勝ち続けているので、その対策と準備が十分にできたかなと。それがコートの中でうまく発揮できたことが良かったのかなと思います。

――リーグの決勝とはまた違う環境下の中で決勝を戦い抜いた選手たちの成長について感じている部分を教えてください。

吉原：リーグの中でも簡単には勝ってきていないので、その中で自分たちがうまくいかなかった時にどうしていくかという課題を持って、リーグの中でもそこをどう打開していくかということをずっと課題としてやってきました。そういう一つ一つの経験を積み重ねることにより、自分たちの中で解決策が少しずつ出てきたのかなという部分と、とにかくどれだけ準備が大事なのかということを今日の試合を通じて、選手たちはさらに感じたのではないかと思います。

――JTさんは途中出場の選手も自分の役割を果たして活躍していますが、今日の目黒（優佳）、橘井（友香）両選手の評価、そして柴田（真果）選手、ヒックマン（ジャスティス）選手など交代で出場する選手がチームに与える影響などについて教えてください。

吉原：一人ひとりが大人になって、自分の役割を果たしてくれていると思います。途中から出てくる選手ですが、練習では自分がやるべきことを徹底し、どれだけ精度を高められるかということにこだわって取り組んでくれているので、とにかく試合に出たいんだなと（笑）「準備できてますよ」というのが伝わって、非常に心強く感じています。

――なかなかとれなかった皇后杯のタイトルをとれたことをどう次に生かしたいですか？

吉原：今日だけではなく、今年は特に感じるのですが、公式戦1戦1戦、勝ったり負けたりしてきましたが、非常に自分たちの身になっているというか。改善点ややるべきことを明確にして前に進むという形をとれているので、そういう部分では今日の試合だけでなく、今季のリーグが始まってからずっと勉強になっています。他のチームのよいところも勉強して自分たちに取り入れていけるようにしていますし、自分たちの足りないところをいかに見つけて改善していくかというところはいい形でできているのかなと思います。

――監督から見た今日の試合の狙いとそれがどうはまっていったのかを教えてください。

吉原：前回のリーグで東レさんと対戦した時に黒後（愛）選手、石川選手、ヤナ選手。この3選手に満遍なくいい形で決められたというのがひとつあります。その中でいかにこの3選手の決定率を落としていくかというのをまずはやっていかないと、勝利は見えてこないと思いました。 そういう中でレシーブ面では、うちのチームは粘り強さというところが取り柄だと思っていますので、その精度をいかに上げていけるかということを落とし込みながら準備してきたことがうまくできたかなというところです。

――今日の試合でまだ足りないと感じたところ、年明けに再開するVリーグに向けて強化していきたいところを教えてください。

吉原： 足りないところはたくさんあります。前回の試合でもそうでしたが、ここからいい形でここまできましたとか、テクニカルタイムアウトとか、何かのあとのサーブミスなどから流れがガラッと変わって相手に行ってしまうというようなことがありました。また、その後に自分たちのスパイクミスとか、精度の悪いダイレクトスパイクといった連続失点など自分たちのミスも続き、もちろん相手もそれに対応し、そこを逃さずにリズムを持って行ってしまうという、そういうところがあまりよくないところでした。そういうところも気をつけながら、挙げるとほかにもいろいろありますが（笑）、この後試合が続くので全部は言えません。

――東レ対策でどういうことをしたのか一つ二つでいいので例を挙げて教えてください。また、相手の石川選手のところのマッチアップを変えた意図を教えてください。

吉原：マッチアップについては、ちょっと考えてみてください（笑）　対策について、一つ二つ挙げるとするならば、うちのチームはレシーブが上がらないと戦っていけないというところで、まず1本目の精度がどのくらいなのかというところ。そこからいかに効率よく攻撃を仕掛けていくかというところだと思います。1人ではなく全員で攻撃を仕掛けていくということを心がけてやっています。

――JTはここ一番の強さが出るチームだと思いますが、その要因はどのようなところだと考えますか？

吉原：本番だけやろうとしても無理だと思うので、普段の練習からどれだけ妥協しないでしっかり、細かいところまで詰めていけるかというところではないかと思います。

写真：坂本清

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