2021-03-19 18:28 追加
サントリー・柳田将洋「Bチームが強いことも勝ち続けている要因」、FC東京・古賀太一郎「トータルディフェンスが機能すれば違う展開も作れる」 V1男子会見
SV男子
●山村宏太監督
今日の試合は最初から最後まで相手オポジットのプレモビッチ(ピーター)選手にやられすぎたかなという印象ですが、数字を見ると51.1%なので、意識しすぎていたのかなとも思います。ただ、もう少し上手く対応していけるかなと思っていたので、明日の課題にしようと思っています。もう少し(プレモビッチ選手の)数字を落とせるように臨みたいというのが今の心境です。
あとは関東が緊急事態宣言が解除されていない中で、恐らく相当ホームゲームの準備が大変だったと思うのですが、そのような中、素晴らしい会場で試合をさせていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。お客様に観ていただけたということが何と言っても選手にとってもモチベーションに繋がると思いますし、最高の環境で試合をさせていただいたことに感謝したいと思います。
今日の試合の細かい数字はまだ見ていないのですが、藤中(謙也)がジャンプサーブを打ったり、僕がチームに課題として言ったことに対して選手がすぐにリアクションしてくれるという、本当に隙のないチームになってきていると思います。
――今日の試合、各セットとも中盤までは競り合いになりましたが、後半で強さを発揮したという印象でした。監督の目から見てどのように感じましたか?
山村: 監督としてはハラハラドキドキしている心境の中で、最後、セット終盤に抜け出してくれるというのは、「早くして」という気持ちですが(笑)、今のサンバーズの強さとして競っている状況で抜け出したりとか、劣勢な場面でも点数を積み重ねて逆転する力が本当についてきていると思うので、そういう意味では底力というか、どんなシチュエーションでも自分たちの力を発揮できるような状態になってきているのかなという思いはあります。
――FC東京さんは日曜日に対策をされて、勝ったり、接戦になっていますが、その対策は考えていますか?
山村:毎週FCさんは僕らとの最初の対戦くらいから日曜日に惜しくもフルセットで敗れる試合が続いていて、そこをしっかり対策することが必要だと思っています。先ほど代表で一緒にやったこともある手塚(大)君が挨拶に来てくれました。いろいろな話をしましたが、彼はすごく素直な選手で、僕は敵に塩を送るつもりはなかったんですけど、共に戦った仲間として、僕に今できるアドバイスを彼にしたつもりです。彼らは明日また向かってくると思うので、僕らはそれに負けないように先ほど言ったプレモビッチ選手のスパイクをどう対策していくか。あとはサーブミスが続いてしまったりとか、まだまだ細かいところを詰められると思いますので、そういうところを修正して何とか、3-1、3-0で終止符を打ちたいなと思っております。
――ファイナルステージが決定した中、監督からは選手たちにどのような言葉をかけていますか?
山村:しっかりした選手が多く、逆に僕が結構フワフワしていたり、思ったことを口に出してしまうことが多いので、気をつけています(笑) 本当に言葉というのは力がありますし、伝え方を間違ってしまうと簡単に流れを変えてしまったりとか、人の気持ちを踏みにじってしまうこともあると思います。なので、その言葉を僕なりにいつも選手たちには伝えてきているつもりだし、この口調でいつも話しているので、選手との関係性というかコミュニケーションはできているのかなと。今シーズンは相手も僕に思ったことを言ってくれるし、僕も思ったことを素直に伝えるようにしてきたつもりなので、それが試合の中でいい形で出ているのではないかと思います。先週の火曜日、大宅が練習前にチームを締めるような言葉を言ったりもしました。そういう彼のファイナルステージに向けて、もう一度チームを締めたいという思いが感じられました。このようにいろいろな選手がまだまだ成長しようとしているのが今のサンバーズだと思います。
1戦1戦僕らは戦っていくので、急激にメンバーを落としたりすることはあまり考えていません。その中でコンディションの問題も当然出てくると思うので、ファイナルステージにベストを尽くせるようなコンディションを考えながら、今のメンバーが持っている課題だったり、途中から出ていくメンバーがどういう仕事をしていかなければならないのかを含め準備をして、いろいろなメンバーが出場することになる思います。でも、まだ対戦相手が決まっていない状況で対策もしていかなければならないし、なおかつ恐らく名古屋さんとジェイテクトさんが3位争いをすることになると思いますが、最後に僕らがジェイテクトさんと当たるということで、僕らに主導権はあると思うので、完全に希望を絶たせたいというのは僕がみんなに伝えたことのひとつです。僕はジェイテクトさんに負けるつもりはないよというのは選手に伝えています。
――先ほど柳田選手がBチームが非常に強いと話していましたが、監督の人心掌握術のようなものの効果があるのでしょうか?
山村:人心掌握術ではないですけど、『PLAY HARD』というスローガンを掲げている中で、それしか選手全体に対しては伝えていません。どうやったら『PLAY HARD』ができるのかは人によって違うと思うし、スイッチがどこにあるのかとか、 どんな言葉が技術につながるのかとか、コミュニケーションをしていく中で何でできていないのかを話すことは多いです。 「自分はこうしてほしい」「こういうことができると思う」とか、相手がどう思っているのかを聞き出して、その中で一緒に探していく形で進めてきました。僕がこうやってほしいと押しつけるのではなく、「今どう思っているの?」から始まって、「なぜそれができないの?」「どうやったらできるようになるかな」というふうに進めてきたつもりです。そういう時にBチームは僕の目を見て、ちゃんと話を聞いてくれる選手が増えてきました。真面目に聞こうとするし、一生懸命聞こうとしてくれる姿勢は見ていてわかるので。
人心掌握術を使ったつもりはありませんが、自分なりに本気で向き合ってきたつもりではいます。柳田がそう言ってくれたことも嬉しいですね。実際、Bチームはいつも試合形式をやっているので、Aチームの癖だったり、得意コースも把握し、苦しめることも当然できますが、それでもそれが自信につながっていくと思いますし、いい雰囲気ながらも緊張感のある練習ができているのが今の好調の要因だと思います。
――ファイナルステージに向けての意気込みは?
山村:僕の現役時代に優勝させていただきましたが、もう十何年、優勝から遠のいています。僕も監督になって初めて優勝を懸けた戦いをしていく中で、今ひとつそこにいる自分の姿を想像できない部分もあるのですが、選手がどう戦っているかというイメージは湧くので、そういう意味ではあまり心配していません。あとは自分がいつも通りやることができればいいのかなと。いつも通りやることが何より難しいと選手には伝えているので、僕もいつも通り選手に声をかけながら試合を進めていけたらと。今のところ有観客で試合ができる予定になっていますので、そこに向けて、先ほど言ったように1戦1戦。まだできることがあると思いますので、次に向けて臨んでいきたいと思います。
――選手の話に耳を傾けるというのはご自身の恩師の方などの影響や参考にしている部分があるのでしょうか?
山村:選手時代についた監督だったり、高校時代などいろいろな指導者の方にお世話になりましたが、自分の特性を考えた時にその中のどの人にも自分は当てはまらないと思っています。同じようになれないなという思いや自分なりのスタイルを貫いていこうという思いもあります。
海外も勉強させていただきましたが、海外は結果を出していかなければならず、それをやるために時間がない中でチームを作っていかなければならない。当然僕らも単年でリーグ優勝を目指していかなければなりませんし、選手も変わっていきますが、まだまだアマチュアスポーツとして会社員の選手もいる中で数年単位で成長させていくというのも視野に入れていかなければならないと思います。 そのことを考えた時に両方に当てはまる指導術を発揮するのは難しいですし、まだまだ理想とはかけ離れていますが、今は自分なりのやり方で手の届くところをしっかり先を見据えて共に成長していくというスタイルで自分のコーチングを確立したいというのが強くあります。 それとともにプロとか単年で結果を出していかなければならないというところにフォーカスを当てて強い指導力を発揮できるような、そんなスーパーマンみたいな監督になっていきたいと思います。
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