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インタビュー

2014-03-07 20:33 追加

外国人監督特集 サントリー パオロ監督

外国人監督特集 今季2年目となるパオロ監督のインタビュー

V1リーグ 男子

1-DSCN1638外国人監督特集の第三弾は、今季二年目を迎えるサントリーサンバーズのパオロ・モンタニャーニ監督。彼が見る日本のリーグについてなど。

――指導者としてステップアップしてきた過程をおしえてください。
2007年にコーチとしての仕事を始めました。2005、2006年は選手だったが、プレイングコーチとして活動しました。コーチ専業としての活動は2007年から。サントリーに来る前までイタリアのセリエAで監督をしていました。

――越川選手のいたパドヴァなどですね。
そうです。パドヴァ以外にもラティーナ、ピネート、トレンティーノといったチームで監督をしていました。すべてセリエAのチームです。

――代表の監督もされていたときいたのですが。
3年前U-23の監督をしていました。それから、サントリーに来る直前の2012年、イタリアA代表の監督として、ワールドリーグの6試合で監督を務めました。

――日本の印象、サントリーサンバーをズ着任時の印象、Vリーグの印象(これまで経験してきたチーム、リーグとの違い)は。
ヨーロッパのバレーと比べて練習も違うし、プレイそのものが全然違う。

日本の選手は全員12ヶ月を通して練習をすごく多くこなしているが、リーグ期間中は逆に練習が少ない。ヨーロッパ、イタリアに関しては3ヶ月、4ヶ月、全くストップする期間がありまして、残りの期間は多くの練習をこなす、そういう状態です。

私が着任したときのサントリーサンバーズは、テクニカルスタッフ陣もそう、選手のフィジカルもそう、とにかくすべての点において再構築をしなければならない。そういうチームでした。そういったところもあって、サントリーというチームが私を選んでくれたわけです。私が来ることによって新しいアイディアを取り入れ、よりヨーロッパに近いバレーボールを作り上げるために私を招集してくれたと思います。

Vリーグについてですが、今のこのVリーグの形、プレイ、開催の方法というのは、そこに参加しているチームがうまく練習がやりにくい、そういう構造にあると思います。なぜかというと、土曜日日曜日に連続して試合がある。月曜日はだいたいのチームがオフ。木曜日が次の開催地に向けての移動日ですので、実際に体育館で練習できるのが火曜日と水曜日しかない。これでは不十分です。

1-1780852_1469392796622337_66370951_n――監督の戦術を、できるだけ具体的におしえてください。
現在のモダンなバレーボールは非常にシンプルなもので、プレイの内容も非常にシンプル。そういったシンプルなバレーボールをする上で、物事をしっかり実行しなければならない。

自分の役割としてチーム、それからプレイの組織を構築することによって、組織によってプレイヤーを助け得る、それが私の役割。フィジカル、それが基本的なところです。私としては組織化、オーガニゼーションで選手を助ける役割を果たしています。

全般的な話として、現在のモダンなバレーボールにおいて、サーブというのは非常に重要な役割を持ったものに今なっていますけども、もちろんそれでも基本的に得点を得るのに必要なのはアタックです。その上でサーブ。サーブ力が十分でなければ勝てない。

ブロック、ディフェンスのオーガニゼーション、それはサーブと同様に現代のバレーにおいては非常に重要な要素です。特に相手のプレイが完全でないときにはブロックが非常に重要になってきています。

得点時には選手をハグし、喜びを体全体で表す

得点時には選手をハグし、喜びを体全体で表す

――着任直後と現在のサンバーズとでは違いがありますか。あるとすればどんなところでしょうか。
そうですね、着任時と今とではチームは完全に違っています。私の方から提案してきた組織の再構築を、サントリーというチームが受け入れて変えてきた。組織的にも就任当初とは全く違ったチームになりました。

今サントリーサンバーズの箕面トレーニングセンターは、バレーボールの設備としては構造的に非常にアバンギャルドなものに生まれ変わりました。チームスタッフも変えて、システムを変えたことによって選手も非常に改善されたといえるでしょう。技術面もフィジカル面、環境面すべてにおいてよくなりました。

そういった変化が常に勝利をもたらすというものでは、いつもすぐにというわけにはいきませんが、今回構造を改革したことによって、選手としての質はよくなっています。

――サンバーズで現在監督が期待している選手は誰でしょうか。そして、それらの選手のどの部分を評価していますか。
自分は常にすべてのプレイヤーに期待しているし、ベテランの選手も含めて、すべての選手を成長させたいと願っています。

――今季は昨季と違ってなかなか苦労されていますが、原因は何でしょうか。
昨シーズンと今年はチーム自体が違うチーム。昨シーズンは28試合中24勝という素晴らしい成績を収めることができた。なかなかそういう素晴らしいシーズンを常に繰り返すのはできない。チームの中での計画、チームの目標というものも違いますし、何より選手の怪我が続きましたので、今年はなかなか勝利に結びついていません。

北京金メダリストのスタンリーを故障で欠く中、オポジットとしてチームの得点源となっている栗山雅史

北京金メダリストのスタンリーを故障で欠く中、オポジットとしてチームの得点源となっている栗山雅史

――注目している他チーム、選手はいますか。
このリーグは参加しているチームが少ないので、全てのチーム、全てのプレイヤーに注目しています。全てのチームに勝てる可能性もあれば、逆に負ける可能性もあると考えています。

全チームに対して研究をしていますが、特にこのチームだから違うというやり方ではなく、同じ方法で研究をしています。

――今後の展望を。
まず、チームとしての第一の目標はセミファイナル進出。その目標はなかなか難しいですが、決してあきらめてはいません。全てのチームがリーグ優勝を目指していますが、まず自分たちはセミファイナル進出を第一に考えています。

 

聞き手:中西美雁
写真:黒羽白、久坂真実

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