2021-08-04 10:36 追加
準々決勝、日本対ブラジル 勝因はブラジルの忍耐力 東京五輪男子バレー
日本ブラジル戦コラム
Others
リオ五輪金、世界ランク1位のブラジル対開催国、日本の対戦となった準々決勝。ブラジルが3-0で勝利し、準決勝に進んだ。この試合をブラジルの視点から振り返ってみよう。
■試された忍耐力
2016年のリオ五輪で金メダルを取った後、ブラジルには大きな課題があった。世界屈指のリベロ、セルジオ・サントスが引退し、次のリベロは誰か? ということであった。セルジオと同等レベルのリベロの育成は容易ではない。そこで取り組んだのが、チーム全体でのレシーブ力向上、2段トスの精度を高めること。トスについてはレシーブが乱れても、誰もがどこにでもあげられるようになることだ。リベロのターレス・ホスがアンダーからのトスが多い中で、OPワラセ・デ・ソウザは短くMBへ、低く速くOHへ、そして自身が打つと見せかけて逆サイドのOHへ振るなど、緩急つけた種類がチーム全体で増えた。今日の試合では、ワラセとは逆側になる、日本のOH石川選手からOP西田選手へ切り替えるトスが美しく、タイミングも良く、ブラジルのブロックも追いつけず見事であった。
試合全体で試されたのは、ブラジルの忍耐力だった。ブラジル得意のサーブ&ブロックの速いテンポで進めることができない。ここでブラジルがイライラあせっては、日本の思うつぼ。特に2セット目では日本を終始追いかける形になったが、あせって自滅しないでチャンスを待って17-17で追いつき、逆転に成功した。3セット目は後がない日本に焦りもあったのか、日本のミスが増える中で、落ち着いたブラジルが点を重ね3-0で勝利した。負けはしたが、日本が全てを出し切ったと思えるいい試合であった。試合後、ブラジルのキャプテン、ブルーノ・レゼンデが、モデナで一緒にプレーした日本のキャプテン、石川選手に歩み寄り、互いの健闘をたたえあう場面が印象的だった。
同じカテゴリの最近の記事
- イタリア女子が男女史上初の五輪金メダルに寄せて 名将ヴェラスコの来歴と手腕 パリ五輪 [Others] / 2024.09.03
- 河野裕輔のエール! 第27稿パリオリンピックを振り返って [全日本代表 男子] / 2024.08.25
- バレーボール女子、日本と同じB組、ブラジルがケニアに快勝 パリ五輪 [Others] / 2024.07.31
- 河野裕輔のエール!! VNL総括編 [全日本代表 男子] / 2024.07.27
- 日本男子の初戦ドイツの主将カンパ、盟友グロゼルと頂点を目指す [Others] / 2024.07.26
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.