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インタビュー

2022-01-19 11:40 追加

ザムストPresents“Vの肖像”vol.1 日本代表・山本智大(堺)「目指すのは、相手に嫌がられるリベロ」後編

山本智大インタビュー

SV男子 / 全日本代表 男子


後編は現在V.LEAGUE DIVISION1で暫定2位となっている堺ブレイザーズが今季好調の要因や、決勝戦でフルセットの激闘となった天皇杯のこと、将来目指す選手像、そして、パフォーマンスを引き出しているザムストのアームスリーブなどのアイテムの魅力について、お話を伺った。

前編はこちら

今季はチームも個人的にも好調なシーズンに

昨年10月中旬に開幕したVリーグで山本の所属する堺ブレイザーズは現在首位を争っている。1月18日現在暫定2位。ただ、今シーズンは上位チームの力が拮抗し、星の奪い合いでどこが勝ってもおかしくない状況となり、それがリーグを面白くしている。

堺の今シーズンの好調ぶりは、昨年末に行われた「令和3年度 天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会」(以下、天皇杯)の準優勝という成績からもわかる。決勝ではウルフドッグス名古屋(以下、WD名古屋)とフルセットの大激闘を戦った。しかも、5セットのうち第2セットと第5セットはデュースにもつれ込んでいる。第2セットのデュースを29-27で制していただけに最終セットも期待されたが、惜しくも17-19で敗れた。本当に最後の最後までどちらが優勝してもおかしくない見応えのあるゲームだった。「近年、決勝の舞台から遠ざかっていたので、チーム内に経験のある選手が少なく、大事な場面での1点を取り切る力が足りていなかった。でも、この決勝がチームにとって本当にいい経験になったので、リーグのファイナルラウンドで活きるはず」と山本は言う。この経験を糧に、チームがリーグ後半戦でどのような戦いを見せてくれるのか、引き続き注目していきたい。

山本は今季の好調の要因として、「セッターの深津旭弘さんと外国籍選手・バーノン(エバンズ)の加入で攻撃力が上がったこと、そして、選手一人ひとりが自分の役割を果たしていることが結果に出ているのではないか」と分析する。もちろん、山本自身も昨年、日本代表でネーションズリーグ、オリンピック、アジア選手権を経験してチームに合流し、その経験をチームに還元し、リーグに生かすために日々努力している。「自分でリベロは点数をとれないポジションなので、ブロックとディフェンスの関係性、サーブレシーブの時の隣の人との関係性を考え、今まで以上に密にコミュニケーションを取りながらやっています。また、プレーだけでなく、試合の中で流れが悪い時やちょっとうまくいかないなという時にしっかりみんなに声をかけたり、チームを鼓舞したりすることを心がけています」と話す。「声のかけ方については、石川(祐希)がイタリアリーグで得た経験を日本代表で還元してくれたので、僕も同じように彼から得たものをチームに還元していきたいと思っています」。オリンピックという誰もが経験できるわけではない舞台を経験したことや、石川とチームメイトとして戦ったことにより成長した山本がチームに与えている影響も大きいようだ。

リベロに欠かせないアームスリーブをはじめ、競技生活を支えるザムスト製品


山本は3年前からザムストと契約し、アームスリーブ、着圧ソックスなどの製品を使用している。「大学時代に先輩がザムストのスリーブをつけていて、借りてみたら使い心地がよかったので、当時から興味がありました」と話す。

アンダーパスの多いリベロのポジションに欠かせないアームスリーブは、これまでに2種類を使用。現在は「プレシオーネアーム」を愛用している。「締まりがよくて、ズレにくいのがいいですね。アンダーパスの時に腕をしぼる動作をするので、アームスリーブはズレにくくて腕によくフィットすることが大事なのですが、ザムストのスリーブはボールタッチがよくなる感覚もあります。一般の競技者の方たちにもぜひおすすめしたいですね」と山本も言うように、プレシオーネアームは特にフィット感にこだわって作られている。

立体裁断とフリーカット製法で心地よい着用感を実現。3D計測データを元に導いたパターンを採用することで、体のラインに的確にフィットする。また、手首部分の縫い目を無くすことであたりを極限まで減らしたフリーカット仕様を採用。手首から上腕にかけて圧力を段階的に弱める設計で、腕全体をサポートしている。また、腕全体を圧迫することで、疲労につながる筋肉の無駄な揺れを抑えたり、製品上端に配置されたナノファイバーにより、激しい動きでもズレ落ちを抑制する機能も。そして、皮膚温に反応して生地が汗を乾かす量を調節し、体温のコントロールまでしてくれるという。暑いときには効率的に汗を蒸散して体温を下げ、寒いときには生地が汗を保持することで気化熱による体温低下を抑える。
プレシオーネアームのカラーはブラック、グレーの2色で、山本は普段はグレーを使用。日本代表でプレーする際はアームスリーブ白や特別に作られた赤も身につけている。「今は堺でプレーする時にユニフォームとマッチするように黄色も作ってもらえないか提案しています(笑)」

他の製品については、「着圧ソックス(HA-1コンプレッション)は移動時にむくみをとったり、疲労回復するのに欠かせません。僕は脚がむくみやすいのですが、これをつけると次の朝、感覚が全然違います」と山本。HA-1コンプレッションは段階的に圧力を加えてふくらはぎをサポート。さらに、独自の編み方で足底アーチとかかとをサポートする。アスリートは遠征で長時間の移動も多いが、着圧ソックスを利用することでその時間を身体を疲労させるものではなく、逆に疲労回復の時間として有効活用することができるというスグレモノだ。

40歳まで現役を目指したい

「パリ五輪を目指すことはもちろん、できるだけ長く現役を続けたい。日体大時代の監督の山本健之さんは元日本代表選手でしたが、僕と同じリベロのポジションで35歳まで現役を続けました。僕もそこまでは絶対にやりたいし、できれば40歳まで現役でいたいですね。ケガをしないように頑張ります」と語る山本が目指す選手像は「相手に嫌がられるプレーヤー」。「山本がいると絶対に拾われるから嫌だな」と対戦相手に思ってもらえるような選手になりたいという。

また、ファンなどの観戦者には、「相手の強打や難しいコースに打たれたスパイクを僕がレシーブして、上がった時には盛り上がってほしいですね」と笑った。現在はコロナ禍でファンとのコミュニケーションもとりにくい状況だが、「Vリーグがより魅力的になり、会場に足を運びたいと思うものになるように、ホームゲームを演出したり、最寄り駅にチームのポスターなどを貼ったり、会場に誘導したり、グッズを販売するなど工夫も必要ですね。Vリーグ機構とチームが連携して盛り上げていけたら」と最後に話してくれた山本。今後もスーパーレシーブでバレー界を盛り上げてくれそうだ。

【プロフィール】
山本智大(やまもと ともひろ)
1994年11月5日、北海道江別市生まれ。小1の時、小学生バレーの強豪・「江別中央ガッツ」でバレーボールを始める。その後、恵庭中→とわの森三愛高→日体大と進み、2016年、FC東京に入団。2018年6月、堺に移籍する。2019年より日本代表に選出され、東京五輪をはじめ、W杯、アジア選手権などに出場。171cm/69kg。ポジションはリベロ。

写真:木村正史、火野千鶴

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