2022-02-09 11:37 追加
ザムストPresents ”Vの肖像”vol.3 堺ブレイザーズ・樋口裕希「今は代表に選ばれて、試合で活躍したいという思いが一層強くなっています」 前編
V1リーグ 男子
五輪は悔しくて、リアルタイムで観ていない
日本代表には2019年に初登録。同年にはユニバーシアード代表にも選ばれ、スターティングメンバーとして活躍した。シニア代表には翌2020年にも登録されたが、東京五輪を迎えた2021年にはメンバーから外された。一方、同学年で、ユニバで対角を組んだ高梨健太(ウルフドッグス名古屋)は五輪代表12人に名を連ねた。「高梨とは仲が良くて、一緒に頑張ろうと話していたので、余計に悔しく、目標にしていた五輪年に登録から外されたことは、挫折感を感じました。正直、リアルタイムで五輪中継は一切観ていません。見たくないという思いがあったのですが、リーグが始まる前くらいから自分自身の勉強のために録画してあったものを少しずつ見るようになりました」と樋口は語る。「だからこそ、今は代表に選ばれて、試合で活躍したいという思いが一層強くなっています。そのためにリーグでも自分の長所を伸ばし、ディフェンス面でも経験を積むように努力しているところです。サーブレシーブはとにかく本数をこなして技術を身につけ、質も高めていきたいと思っています」
樋口のセールスポイントは前述の通り、アウトサイドヒッターでありながら、ミドルブロッカーに負けないブロック力があるところ。また、サーブも良く、今季のVリーグでも上位にランクインしている(2月6日現在6位)。もちろん攻撃力もあり、すべてにおいてバランスがいいのも魅力だ。樋口は言う。「サイドに転向してから自分のブロックを見失っていたこともありましたが、この夏場にチームとして組織的にブロック練習をしている中でそれを取り戻してきた感覚があり、ミドルブロッカーの経験がプラスになっていると実感しています」。元ミドルブロッカーとしては決して高さがあるわけではないが、ブロックの読みがいい。そう遠くはない日に、この特長が日本代表でも生かされる日が来るのではないだろうか。
ところで、樋口はコートの外でもそのクレバーさを発揮し、SNSをうまく使いこなしている。個人のTwitter、Instagramはもちろん、YouTubeやTikTokでも興味深い動画を発信したり、チーム公式SNS用の動画作成も担当することがある。また、noteでは長文での近況報告や現在の思いを綴ることも。バレーボールが忙しいのに、どうやってSNSのための時間を捻出しているのか尋ねると、「選手って、意外に時間があるんですよ。練習と体のケアさえしっかりやれば、自分の時間が作れる。学生の頃の方が課題やテストなどにも追われていたし、やるべきことが多くて忙しかった気がします」と話してくれた。とはいえ、時間を有効に使えることも彼の器用な面の表れではないかという印象を持った。でも、なぜそんなに発信を頑張っているのだろうか? そこにはバレーボールを盛り上げていきたいという樋口の思いがあった。後編では今季の堺について、Vリーグを盛り上げていくためにプロ選手として樋口が考えていること、選手としての目標などをお届けする。
(後編に続く)
文:高井みわ
写真:木村正史、火野千鶴
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