●越谷章監督

第1セット、正直良くはなかったのですが、サーブでしっかり的を絞りながら、ディフェンスが機能して、とることができました。逆に2セット目から相手のサーブが非常に走り出して、Bパス、Cパスになり、セット前半に失点が多く出てしまいました。そこから、立て直しがきかなくなり、そのまま負けてしまった印象です。特に、久光さんのサーブとブロックに引っかけられて、こちらが思うようなバレーを展開することができなかった。逆に、相手の方が粘り強く、ディグやつなぎで苦しみながらも1点をとっていました。こちらはボールが落ちるケースが非常に多かったなと。

そういうところの差で負けましたけど、2位通過だったので、ビハインドとしてゴールデンセットがあり、しっかり気持ちを立て直して、やることも明確にして、出だしはいいバレーができたと思います。サーブで崩して、逆にこちらはしっかりサイドアウトをとっていける展開だったのですが、終盤の16点以降、7連続失点くらいして、そこがやはり大きかったのかなと。本来なら最後、ゴールデンセットで勝たなければならない状況でしたが、そこがとれなかったというのが今年の波が激しい、連続失点が多くなってしまう、立て直せなくなるという傾向と一緒だったなという印象です。

――レギュラーラウンドの記者会見の中で、連続失点になった時に立て直すためのリーダーが不在だというお話がありましたが、今日の試合についてはその点をどのように捉えていますか？

越谷：今日も実際、誰がチームを締めるかとなった時になかなかそういう選手がいなかったのですが、一人ひとり、チームのために何かしようという姿勢は見えました。まだ若い選手が多いので、誰がチームを引っ張るかというより、自分から積極的にいろいろ仕掛けていこうというところはやってくれたと思います。それと、僕があまり言いすぎない方がチームが回るので…（笑）

――ゴールデンセット、4点リードから逆転された要因は、メンタル面以外ではどのようなことがあったと考えていますか？

越谷：恐らく、配球的に1本1本違ったのかと。石川を思い切って信頼して使っていけば、相手の流れを切ることができたのではないかと思います。小川のワイドは脅威ですけど、今日良かったかといえば、結構抑えられていたので。あそこは石川に持っていけば、ブロックが1枚半だったので、しっかり強打を打っていけばブロックアウトも狙えたのではないかと思うし、クランのバックアタックを真ん中ではなく、ちょっとずらして打たせるという方法もあったと思います。そこのところは対応が遅く、こちら側のスタッフのベンチワークが悪かったかなと感じました。

――今おっしゃっていたゴールデンセットの連続失点のところ、石川選手のスパイクも相手のリベロの戸江選手にうまく拾われていた印象がありましたが…？

越谷：石川のコース幅は昨シーズンより狭くなっていると思うので、カンチャン（ブロックの間）から少し長めのコースしかなかったと思います。試合中もそこは指示を出して、最後の方はもう少しインナーが増えてきたと思うんですけど、そこのところを早く伝えられていればという部分はありました。

――先ほどもゴールデンセットに入る時にやることを明確にとお話をされたということですが、クラン選手のバックアタックが増えた印象もありました。具体的にどのような指示を出されたのか、差し支えない範囲で教えてください。

越谷：今までやってきたこと、特にセットが低くなるケースがあったので、トスの高さのところを調節しようというところ、ヤナは高さのある選手なので、もう少し余裕を持たせた方がしっかり打てると。試合をやっている中で若干低くなっている印象があったので、そこのところを修正しただけです。あとはセオリー通り、チャンスが来たら、点数をとれるところはヤナでしっかりとる。マッチアップもセッターのところが多かったので、そこでしっかり点数をとっていこうと指示しました。

――ゴールデンセットに入ったところでリベロを水杉（玲奈）選手から中島（未来）選手に交代しましたが、その意図を教えてください。

越谷：水杉は能力の高い選手ですが、今日の試合に限ってはあまり機能してなかったなと。サーブレシーブも連係のところで失点が続いたので、ここは流れを変えるのはリベロかなと、思い切って中島を使いました。

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