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会見・コメント

2024-02-15 09:18 追加

仙台・鈴木音「リスクを負って攻める、堂々とエースと言えるようになりたい」、栁下夏苗「打力とコース幅が強み。エースとして点を取る」V2女子

V2/V3 女子

●雑賀雄太監督

先週の2戦、浜松さんと群馬さんに照準を合わせてやってきましたが、結果が出せませんでした。そこからチームとして非常に苦しい1週間を過ごしてきました。
昨日の千葉戦でようやくチームのリズムが出てきましたので、もう今日は全てを出し尽くそう、と思っていました。
もちろん戦術的なことも準備はしてきましたけれども、最後はみんなの気持ちだという話をして試合に臨みました。今日、僕は特段試合の中で何かを指示するということはありませんでした。選手たちが自分たちで手に入れた勝利だと思っています。

ーーサーブで完全に主導権を握りました。しかも圧倒的でした。短期間で急激に技術が向上することはありえないと思うのですが、何があったのでしょうか?

雑賀:サーブに対する考え方がチームの中で切り替わったところがあります。
先週の浜松戦ではかなり多くのサーブミスが発生している(攻めている)にも関わらず、私たちは全く主導権を握れていませんでした。
サーブで主導権を握るということについて、ずっと話してきました。でも、選手たちが心の底のところで理解できていないというか、頭ではわかっていても、それをやり遂げるまでの思考としては定着してない部分があったと思います。

浜松戦を経て…彼女たちがその敗戦で本当に腹落ちをしてくれて、今日につながったと思います。
我々はたくさん負けてきています。そのひとつひとつの試合で、負けを学びにすることができています。私たちのチームの良いところだとリーグを戦いながら感じています。

ーーJAぎふは今季好調、鈴木智大監督は挑戦心のある監督です。若手戦術家同士の対決という面でも注目の1戦でした。戦術的な部分に関してはどのような感想を持っている?

雑賀:我々のチームはリアルタイムでデータ収集ができるような環境がありません。アナリストはいますが常に帯同できる状況ではなく、分析は基本的に私がしています。
その状況下で、私にできる範囲というのは限られています。
まずデータから相手のチームのコンセプトですとか、プレースタイル、勝ちパターンなどを大きく捉える。
それを言語化したり、図表で表現をして「相手はこういうことをしてくるだろうから、それに対してこういう考え方を持っておこう」とか、そういうことをやっています。

対策はするのですけれども、最終的にはコートの中にいる選手たちが自分で判断をする。そういうことを常々言っています。
相手は必ずしもプラン通りのプレーをするわけではありません。そういった相手のプレーに対して、選手たちが常に頭を働かせて、自分で考えて判断するということを目指しています。

そういったこれまでやってきたことが、少しずつですが、自分たちのプレーにフィットしてきているのかなと思っています。

ーーサッカーやラグビーの考え方をバレーにも活用しているとのことですが。

雑賀:ラグビーもサッカーも僕はイメージ的には近しいスポーツだと思っています。それに対して、バレーボールは離れているところにある。
前者はゴールを狙う、スペースを詰める。そういうところがざっくりなんですけどイメージ的には近くて。そして近接した闘争というか、常にお互いに邪魔をする事象が起きている。

ーーフィジカルコンタクトですね。

雑賀:そう、ラグビーとサッカーにはフィジカルコンタクトがあるんです。
バレーボールにはフィジカルコンタクトはないのですけれども、 その代わりにブロックという非常に特殊なプレーがあって、間接的に障害となる、相手にストレスをかけることができる。
バレーボールにちょっと違うスポーツの特徴を取り入れる。お互いに邪魔をして、スペースを埋めて、このスペースに打たせてとか、そういったことを直接はできなくても応用させて考えたらどうだろうっていう思考は常に持っています。

最近特に考えていることはバレーボールはネットがあるので(自分たちのサイドでプレーが完結できるので)、自分たちが自分たちの技術を高めるみたいなことに執着しがちなのかなと。
カテゴリーが低いところだとそれでも勝てるのですが…。例えばただ強いサーブを打つだけだったりとか。
でも、高いレベルになってくると相手と戦う、相手と駆け引きをすることが必要になってくる。それができるチームがやっぱり最後に勝つチームだと思っています。
我々は上位チームに比べると身長などのフィジカルの部分では劣るところがあると思うので、いかにそこの部分で勝負するかということが重要になってきます。
相手と駆け引きをするとか、相手に対してどうスペースを埋めて戦うかとか、逆に相手のスペースを見る、そういったことをしていかなくてはならないわけですね。スぺースがあればそこに攻撃を仕掛ける、そういうことを大事にしています。

ーー限定されたエリアでの数的優位などでしょうか。

雑賀:数的優位ということはもう本当にもう「バカじゃないのか?」っていうぐらい僕の口から言っていて。選手も「鬱陶しいな」と思っているのでしょうけど、少しずつ…その意味が伝わっているのかなと思っています。
V2の中でバックアタックでこれだけの効果が出せるチームはそうはないんじゃないかなと思っています。ここは本当に積み重ねの中で時間がかかりました。
コンセプトとして取り組んできたきたことが、一つの成果として出せたなと思っています。

ーー先週の群馬戦では鈴木音選手がバックアタックで20を超える打数を記録していましたね。それができるチームにするためには?

雑賀:日本の育成の問題に直結するんですが…バックアタックが難しい技術だってみんな思い込んでいるんですよね。なので、それをまず変えなきゃいけない。
さっきのサーブの話と同じだと思うんですけど、思考を変える。「バックアタックは当たり前のプレーなんだよ」っていうことをチームに浸透させる。
本来は小学生からバックアタックを打たないといけないんですけど、小学生はローテーションがないフリーポジションなので、まずバックアップの概念がない。そこは僕は育成のもう大問題だと思っていて。

話を戻しますが、チームにどうやってバックアタックを浸透させるかというと、毎日全員がバックアタックを打つという非常にシンプルなことをやっています。
全員がひたすら…同じ練習を繰り返すのはあんまり好きじゃないんですけど、バックアタックに関してはとにかく反復ですね。時間は本当に1分とかそのくらいですが、全員が打つということをやっています。

 

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